MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

医療通訳士のあり方2

2014-07-28 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
暑い日が続きますが、皆さん如何お過ごしですか?

医療通訳士協議会の医療通訳者の分科会続きです。

グループ分けのワークのあと、
それぞれ「医療」「言語」「支援・コミュニティ」のグループに分かれてワークをしました。
「医療」1グループ、「支援・コミュニティ」1グループ、「言語」3グループで
実際稼働している医療通訳者の割合とは少し違うとは感じましたが、
「言語」の方が、これだけたくさん参加してくださっていることに
医療通訳への関心の高さを感じました。

2つめのワークのテーマは「私たちのアピールポイントとウィークポイント」

参加者の医療通訳者としての立ち位置を分類し、
それぞれがどんな意識で医療通訳を行い、
それぞれの強み(アピールポイント)、弱み(研修等が必要な部分)を明確にしていき、
今後医療通訳士協議会(JAMI)として取り上げていかなければいけない事項について話し合います。

言語系ではあまり馴染みのないKJ法で、
強みと弱みを書いて分類し、それを自分たちの強みにしていく方法を考えました。

私は「支援・コミュニティ」のグループにいたのですが、
私たちのウィークポイントである患者との距離の近さは
患者から見ると「頼もしい存在」であることに気づき、
これは目からウロコでした。
「難しい医療用語が苦手」という弱点も、
患者と同じ言葉のレベルで説明ができるという
これまた患者から見れば「わかりやすい通訳をしてくれる存在」であることが
理解できて、もしかしてアピールポイント?と思いました。

「苦手意識」や「劣等感」は、
違った角度からの仲間の指摘に、「強み」になるのだなと痛感しました。
やはり医療通訳者同士で意見を交換することはすごいです。

医療通訳士協議会では医療通訳者を中心とした委員会を企画しています。
医療通訳者自身が、医療通訳者について語り考えることができる場所ができそうです。

いつまでも「世の中変わらない」じゃなくて
医療通訳者が「私が変える」といえるような仕組みを作らなければと思います。

 おにぎりどうぞ
コメント

日本渡航医学会にて

2014-07-21 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
週末、日本渡航医学会の学術集会が名古屋で開催されました。


私、MEDINTも5年ほど前から当時理事長だった西山利正先生(関西医科大学)のお誘いで、
評議員をさせていただいています。
ほとんどが医師か看護師か大学教員である学会の中で、
医療通訳者はもちろんのこと社会福祉士や外国語相談員もほとんどいません。
ですので面白がってくださる先生方にも多く出会うことができるため
私は勝手に学術総会のことを「異種格闘技会場」と呼んでいます(笑)。

今回第18回の新しい取り組みはなんといっても
中村安秀先生(大阪大学)を中心に
学会内でインバウンド委員会が立ち上げられ、その会合が開かれたことです。
この学会は従来、ワクチンや渡航外来のような日本人が海外へ行くための医療、
アウトバウンドの医療を中心に議論する場です。
ただ、数年前から日本にやってくる訪日外国人の医療をどうするかや
在日外国人の医療、治療を求めて来日するメディカルツーリズムの医療などもテーマに入っており、
インバウンドの医療について考えるシンポジウムも増え始めています。
そこで、インバウンドに特化した問題を考える委員会を学会内に立ち上げて、
関係者が集まり以下の4つのテーマを議論をしていきます。

1 感染症対策(訪日する外国人および日本人が持ち込む感染症)
2 異文化理解(在住外国人や訪日外国人に対する保健医療ケア)
3 多言語支援(「日本語が通じない人」 LJP:Limited Japanese Proficiency)
4 医療通訳士(身分保障や認証のあり方の検討)

ちょうど東京オリンピックが開催され、
多くの選手だけでなく関係者、スタッフや観戦者が来日します。
これを機会に世論を巻き込んで日本を訪れる外国人の医療について
きちんとした取り組みをしなければという問題提起を委員会でしていく必要もあります。
「おもてなし」は病気になったり、本当に困ったときにこそ発揮されるものです。
来日目的や期間、在留状況に関わらず、様々なコミュニケーション援助の必要な人たちのために
医療者側から考えるという枠組みは絶対必要です。

医療通訳士についても学会の中でこれから取り上げられる機会も多いと思います。
医療通訳や外国人医療に取り組んでいる方々で学会発表の場を探している方には
是非とも参加していただければと思います。
来年は東京、再来年は岡山県での学術総会開催が決定しています。
医療通訳分野からもたくさんの方のご参加をお待ちしています。


おまけ:名古屋名物小倉トーストのモーニングです
コメント

医療通訳士のあり方1

2014-07-14 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
医療通訳士協議会(JAMI)の分科会報告が遅くなりました。

今回の会場は吹田にある大阪大学のキャンパスでした。
街の中心でないにもかかわらず
140名を超える参加者で100名キャパの会場はほぼ満席。
一部立ち見も出た盛況ぶりでした。

もちろん東京オリンピックなどに影響されたインバウンド、
メディカルツーリズムの関係者の方々も少なくはなかったと思いますが、
年々、医療通訳に関する関心の高まりを感じます。

シンポジウムのあとの分科会は二つに分かれました。
1は医療通訳者のネットワーク
2は制度化に向けたパネルディスカッションです。

私は分科会のセッション1を担当したのですが、
20名~30名程度を予想して準備していました。

たしか京都で開催された第2回医療通訳者全国大会でも
医療通訳者を対象としたセッションをやったのですが、その時は20名程度だったと記憶していたからです。

しかし、会場にこられた方は50名超!
遅れてこられた方は入ることができず諦められた方もいらっしゃいました。
大変申し訳なかったのですが、事務局でも事前に数を読むことができず、
小さめの部屋を用意してしまっていたので、
参加者の皆さんには窮屈な思いをさせてしまいました。
申し訳ありません。
でも災い転じて・・・ではないですが、
お隣との距離も近くて面白い議論が出来たのではないかと思っています。

まず、参加者の属性についてのワークをしました。




自分の医療通訳者としての立ち位置
「医療」、「言語」、「支援・コミュニティ」の中から
医療はピンク、言語は青、支援・コミュニティは黄色の付箋を選びます。
どれでもない人やいくつか重なっている人もいると思いますが、
一応、自分の中で一番強いものを選択します。

それぞれの紙には自分をアピールする
「○○の医療通訳者」と書いてもらいます。

次に模造紙に
横軸に「医療」「言語」
縦軸に「外国語」「日本語」が書かれてあります。
その軸のどのへんにいる通訳者なのか、ご自分の立ち位置を決めてそこに付箋をはってもらいます。

自分の医療通訳者としての立ち位置を改めて考える機会になったかと思います。

今日の参加者は圧倒的に「言語」の方が多く、
日本語寄りの方が多かったと思いますが、
「言語」に関してはいろんな方がいらっしゃいました。
その分析については近いうちにJAMIの報告の中で行う予定です。

医療通訳者なんだから「言語」ばかりではないの?
と、思われるかもしれません。
でも、現実問題として医療通訳者の中には
医療者で言語のできる人、支援者で言語を学んだ人、
コミュニティの中で同国人に支援している人など様々な人がいます。
どの人も医療通訳者で、
患者にとってみれば、どの通訳者も大切な通訳者です、
できれば状況に応じて選べれば助かります。
だから、医療通訳者像はひとつではないことを
医療通訳者が理解しなければいけないと考えています。
今回、このセッションを担当した3人は
Sさんが「医療」、Tさんが「言語」そして私が「支援」をベースにした通訳者です。
まさに、この分類の3者が集まってセッションの幕があきました。

続く・・・。
コメント