MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

国際ワークショップ終わりました

2015-02-25 21:00:39 | 通訳者のつぶやき
今日は、東京で外務省、IOM、葛飾区主催の国際ワークショップに参加してきました。

11年続いているこのワークショップの今年のテーマは「医療」
医療通訳だけでなく、EPAや保険の問題、メディカルツーリズムまで
特にシンポジウムは、とてもバランスのいい、聞きどころの多い議論でした。

私は医療通訳の体験談を話しましたが、
実はぎりぎりまで原稿が決まらず、
その上、私の前に体験談を話されたEPA介護福祉士のピンキーさんの話が
素晴らしすぎて感動し、
自分の番になると壇上に上がったとたんに、頭が真っ白になってしまいました。
せっかくいろんな話を聞いてほしいと鼻息荒く東京に乗り込んだ(笑)のに、
自分の度胸のなさを感じます。
感染症現場の通訳と精神疾患の通訳のつらさと危険さを話しましたが、
怖がらせるわけではなく、医療者の理解と協力がなければ
通訳環境の整備はできないということ訴えたつもりです。

ぼろぼろの発表でしたが、後日ネット上で公開されるので、
また時間のある方はみてやってください。

シンポジウム前日には葛飾区内の
グループホームと母子支援NPOを見学させていただきました。
なかなか外部の人間が興味本位で行ける場所ではないので、
葛飾区の先進事例は各地でも活用できると思いました。
特に、子育て中のお母さんとこどもが自由に利用できる居場所が
保健所の建物の中にあるのは素晴らしいと思います。
神戸にもあればいいのに・・・と痛感しました。

葛飾の例で感心したのは、
外国人施策ではなく、日本人も外国人も使えるサービスになっていることです。
社会統合という意味では、誰でも使えるサービスに多言語表記があるということ。
常々特別扱いは必要ないけれど、配慮が必要と考えているので、
こうした自然な対応は素晴らしいなと思いました。

医療通訳は、日本語での会話や読み書きに問題のない人には
必要のないサービスかもしれません。
でも、医療は誰にでも必要なサービス。
そこに医療通訳を置くだけで、外国人もろう者も使えるようになります。

医療通訳が一日も早く普通のことになるようにと
思いを強くしました。

明日は滋賀のJIAMで「医療通訳研修」です。
土曜日はNGO神戸外国人救援ネットさんのDV被害者支援通訳の研修、
日曜日はあいち医療通訳システムの通訳者研修です。
いろんな通訳者さんやコーディネーターさんにお会いできるのが楽しみです。

Yさん、かりん飴ありがとう。

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病院通いについて

2015-02-16 13:54:53 | 通訳者のつぶやき
家族が入院し、神戸にいる間はほぼ毎日病院通いをしていました。

家族の場合、医療通訳の時とは距離感が違います。
一緒にいるだけでなく、いろんな決定事項もあるし、
報告や励ましや買い出しや家族としての気遣いもあります。

医療通訳は一歩下がった第三者であり、
病院を出ると(電話通訳の場合は電話を切ると)
日常に戻るけれど、
家族の場合はなぜかうまく戻れない。

疲労感が抜けなくて
仕事をしながら、心底疲れました。

いろんな本を読んだり
体験記を読んだりしながら、
電車の中で涙が出たりもしました。

そして、患者と家族の立場から
あらためて病院の有難さ、医療職の皆さんの温かさが
心にしみました。
看護師さんが天使にみえたし、
病院の清潔さや心尽くしを感じました。

こんなに心づくしの医療を持っている日本はすごいなと思います。

外国人患者さんと家族は
その医療をきちんと受け取ってくれているでしょうか。

医療通訳について考えなければいけないことがたくさんあるけれど、
こんな試練も、たぶん無駄なものじゃないと思っています。

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平成26年度 外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ

2015-02-09 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
2月25日に東京で行われる外務省主催のシンポジウムで
体験談の発表をします。
今回のシンポジウムは医療通訳士協議会(JAMI)会長の中村先生を座長として
2010年にMEDINTのシンポジウムで基調講演いただいたバンコクのソムアッツ先生や
IMIAのイサベル・アローチャさんなど
国内外から様々な人たちが集まり医療通訳について議論します。
東京方面で平日ですが、お時間のあるかたはぜひお越しください。

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平成26年度 外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ
「医療分野における外国人と外国人材 -コトバと文化の壁を越えて-」

外務省と国際移住機関(IOM)、葛飾区の主催でシンポジウムが開催されます。

日時 2015年2月25日(水)13:30-17:00(開場12:30)

会場 かつしかシンフォニーヒルズ・アイリスホール 東京都葛飾区立石6-33-1

日本社会の高齢化とグローバル化に伴って,いかなる人にも不可欠な医療は,
日本で生活している外国人や新たな来日外国人との社会統合を図る上で,
取り組むべき重要な分野の一つとなっています。

2020 年には東京オリンピック・パラリンピックを開催予定であり,
また,同年までに2,000 万人の外国人旅行者の訪日を目指す観光立国を掲げています。
その一方で言語の面での不安から医療機関での治療をためらう外国人が少なくないとして,
医療通訳の育成・多言語対応をはじめとする,
外国人患者の受入れを促進するような医療体制の整備を図る必要性も指摘されているところです。

今後の中長期的な社会のあり方を考えるにあたり,外国人材の活用は我が国にとって喫緊の課題となっています。
観光等の短期滞在者のみならず,日本で活躍する外国人材にとっても安心な医療体制を整備すると同時に,
日本に中長期に在留する外国人材が多言語・多文化スキルを生かしつつ,
医療の場で活躍しうる環境を整えることが求められていると言えましょう。

以上を踏まえ,本ワークショップでは,
「医療分野における外国人と外国人材 -コトバと文化の壁を越えて-」をサブ・テーマとして,
主に以下の3点について議論します。

● グローバルな時代の医療のあり方と「外国人の医療」
● 医療現場で言語・文化の壁を越える橋渡し役を担う「医療通訳」
● 医療分野における外国人材の社会への貢献と将来の「外国医療人材活用の方向性」

詳細については こちら
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ぼちぼちいこか~遠隔通訳実習やります

2015-02-02 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
ブログの更新がどんどん遅くなりすみません。

50代は周りの家族の介護や看護がどどっとやってくる
年代なのだなあと感じます。
布団に入ると3分で朝まで爆睡、あ~温泉ランド行きたい・・。

医療通訳の皆さんも、たぶん同じような年代の方が多いので、
ずっと医療通訳に情熱をかけ続けることができない時期があると思います。
でも、わたしはそれでいいと思います。
できる範囲で細く長く経験を積んでいくことが医療通訳には必要。
時には、家族の介護や看護が貴重な学びになることもあります。
育児の経験や自分自身の病気の経験すら医療通訳には貴重な学びです。
自分の生活をきちんと生きることが支援の際の配慮などにつながっていくと信じています。

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MEDINTの2月研修は遠隔通訳の実習を行います。
実際に機材を使って、目の前にいない患者や医師を対象に
どのように通訳をするかを学びます。
一昨年、宮崎に行った時に感じたのですが
医療通訳の議論は、地域性が大きく関わります。
多くの外国人が集まって住んでいる地域なら
病院常駐が一番理想的ですが、
言語がバラバラだったり、外国人患者の数が少なかったり、
通訳者がいない地域をどうするかも考えなければなりません。
その際に、遠隔通訳はひとつの解決方法になります。

実際、私も9割以上が電話通訳です。
本当は患者の横にいたい。
そのほうが実際の診察室の空気感がわかります。
そこで見ているものを一緒に見て、
患者や家族の感情の動きもよくわかります。
でも、地域によってはそうした常駐や派遣は難しいこともあります。
だから医療通訳には様々な選択肢が必要だと思います。
夜間や救急、感染症やいろんな国の人達がバラバラに住んでいる地域、新生児訪問など、
遠隔通訳の可能性はあると感じます。
もちろん100%ではない。
でも0%よりも70%があればどれだけ助かるか。
この実習で、その可能性は考えられればいいですね。

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