MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

嘘つきじゃない

2021-06-13 17:17:51 | 通訳者のつぶやき
ワクチン接種について、少し個人的な話からはじめます。

私には80歳の母がいます。
数年前に大きな病気をしたので、
要介護状態で一人暮らしを始めましたが、
よいケアマネさんとデイサービスさんに恵まれて
一人で散歩ができるくらいまでに回復しました。

その母は、ずっとワクチン接種はしたくないと言っていたのです。
それが先週、6月末くらいまで様子を見たい・・・に変わってきたので、
先日、電話でそろそろ、かかりつけの先生に相談しようかという話をしました。
すると「先週、先生が往診に来たときに、ワクチン打ってくれたよ」というのです。
温度管理が大変で、少しの間、ショックが出ないかの観察が必要なワクチンを
往診先の自宅でうつかなあ・・・・と思っていましたが、
「うったあと、腕が少し痛かったが大丈夫」
「先生は、一瓶が6人分だからあと5人に打つ予定と言った」と話す内容も具体的です。
2回目の接種のこともあるので半信半疑で、かかりつけ医に電話してみました。

すると、医師から「先週行った時、おかあさんは、ワクチン打ちたくないっておっしゃってましたよ」とのこと。

母に確認すると、「あれ~。そうだったかなあ。それならそうなのかな~」と言われました。
デイサービスの方に連絡すると、たぶんデイサービスで皆さんがワクチンの話をしているし
テレビでも高齢者が接種している報道をみているから、そんな気になったのかな~と言われました。

ご飯を食べることも、家族のことも、おつりの計算もしっかりわかる母ですが
短期記憶、とくに病気関係(嫌なこと)はとても苦手です。
「誰かがうちなさいと言ったら打つんだけどね」とも言ってました。(え?丸投げ?)

65歳以下の人たちのワクチン接種が始まります。
65歳以上で打ちたいのに漏れている人はいないでしょうか。
もちろん、今回のワクチンは任意接種です。
神戸市では認知症や精神障害、いろんな事情で自分で「ワクチンを打つ」ことを選べない人は
ケアマネさんが接種の申請をすることになっているようです。

でも、たとえばケアマネさんをつけていない、外国人高齢者はきちんとワクチンをうてているんだろうか。
クーポンも予診票も日本語で届いて、なんとなく日本でもワクチンがはじまっている感じはしていても
誰に手伝ってもらったらいいのか、どこで予約したらいいのかわからない人もいるだろうと思います。
そのうちに、うちの母のように接種した気になっていたり、接種が面倒に思う人もいるかもしれません。

相談窓口に来る人は、皆さん「これは必要なこと」としっかり認識している人です。
家族が手伝える人は家族がやっていると思います。
では、ひとりで暮らしている人は?
友人が少なかったり、日本のニュースが入りづらかったり、一人で外出できない人は?
高齢でなくても、支援を求められない人もいます。
「誰一人取り残さない」というSDGsのスローガンの中に
日本に住んでいる日本語が苦手な外国人はちゃんと含まれているんだろうかと思うことがあります。

今コロナ禍で取り残されている人たちはいないだろうか。
外国人支援は(人と人)点ではなくて(地域)面で行わなければいけないのだと思います。
たとえば、社会福祉協議会、病院、ケアマネと通訳者、国際交流協会、支援団体が
得意分野を連携できれば、もう少しなんとかなるはずなのでは。
コメント   この記事についてブログを書く
« 日々雑感 | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

通訳者のつぶやき」カテゴリの最新記事