MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

医療通訳士をどうするか

2015-01-19 13:41:00 | 通訳者のつぶやき
「医療通訳士」は医療通訳士協議会の登録商標であることは
以前にもこのブログで伝えたことがあります。

ここ数年で急激に「医療通訳」にスポットがあたり
何かすごい専門職が誕生したみたいなイメージですが、
実態としてはあまり変わっていません。

一部の医療機関を除けば、
未だに医療通訳は未整備であり、
病院か患者か通訳者か誰かの我慢の下に成り立っています。
みんなニコニコの現場はなかなかありません。

魔法のような、夢のような解決方法があれば
たぶん今までに頭のいい人が作ってくれていると思います。

では、医療通訳をどんな資格にすればいいのか
もしくはどんな認証方法にすればいいのか
急いで考えていかなければいけない局面に来ていると感じます。

0)まず医療通訳という職業を作る人を作る
1)現在稼働している人を排除しない
2)少数言語こそ大切(少数言語の人を排除しない)
3)認定(入口)よりも更新・研修が大切
4)倫理規定を守り広める

そんなことを考えています。

私が持っている資格は「社会福祉士」と「ファイナンシャルプランナー(FP技能士)」
どちらも医師や看護師に比べれば新しい資格です。
社会的に意義のある専門職となるためには
一定数のその専門職を体現し、広めていく人々が必要です。
この資格って必要だよねとか、
こういう資格の人がいてくれて助かるよねという声が大きくなって
資格の形ができてくる。
そこに報酬がついてくるといえます。

今、地域によってバラバラに活動している医療通訳が
何らかの形で意見を述べていくための枠組みでもあるのかなと感じます。



医療通訳に「なる」と「する」の違いについて

2015-01-05 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
新しい年になりました。
皆さんいかが過ごされましたか?

私は老親訪問や墓参り、買い物などであっという間に時間が過ぎました。
また、時間があればずっと読みたいと思っていた漫画「進撃の巨人」を
全巻読みました。

面白かった~。

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医療通訳の制度化に向けての活動をしていると、
いろんな人から声をかかります。

その人が信用できるかどうかは、
その人の見ている「医療通訳」に患者さんが映っているかどうかだと思っています。
「医療通訳をなんとかしたい」の動機に、
「外国人患者さんの力になりたい」という思いがなければ、
「自分の仕事」としての興味だけになります。

でも医療通訳は、確立した職業になっているわけでもありません。

「医療通訳になりたいんです」という人がいます。
ですが「どうやったらなれますか」という質問には全く答えられません。

私は医療通訳は「なる」ものではないと思っています。
言葉ができる人で、外国人を支援したいと思っている人ならば
どこかで接点があったり、頼まれたりして
おのずと医療通訳にはかかわらざるを得ない状況になるはずです。
もしくはその思いが強くなって、研修等に参加していくと思います。
まったくそうした状況にないのであれば
まずは外国人支援のボランティアをしたり、通訳支援をしてみてはいかがでしょうか。
少なくとも身近な外国人の方々の状況を知ることが大切です。

医療通訳になる方法はわかりませんが、
医療通訳をする方法なら身近にたくさんあるはずです。