MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

医療の相談

2014-09-29 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
病院関係者に外国人医療で何が心配というアンケートを見ると
必ず「医療過誤」が上位に出てきます。

実際に医療通訳が原因で医療過誤がおきたという裁判は
まだ聞いたことがありませんが、
外国人から、医療過誤とまでは言わなくても
相談員として日本で受けた医療に関して疑問や不信感について
相談されることがあります。

その場合は、注意深く話を聞くようにします。
医療通訳も同じような立場ですが、
外国語相談員も外国人にとっては
数少ない信頼できる日本人(もしくは自分よりも日本社会に詳しい人)なので、
変に予見で話をして、患者にとって病院や医師に不信感をもつのは
あまりよいことではないからです。

話を聞いていて思うことは、
多くがきちんと説明を受けていないということに対する不満のような気がします。
それも話の内容ではなく、医療者の態度を見て感じている人が少なくありません。
きちんと患者や家族の方を見て話をしてくれない。
説明することをめんどくさがっている態度がみてとれる。
外国人を嫌いだと感じているような気がするから・・など。

南米の人から良い医療者して
「フレンドリーな医療者」をあげられることがあります。
私たちは、愛想がいいとかニコニコしている医療者だけがよいとは思いませんが、
外国の人たちはまず自分たちを受け入れてくれているか、
差別しないかということにとても敏感になっていることがあります。
クチコミで医療機関を選ぶのは、外国人も同じこと。
でも、そこに心の壁のようなものも要素として入るんだなあと感じます。







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夏休み2014

2014-09-15 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今年は個人的にいろんなことがあって、
秋から頑張るためにゆっくり夏休みを取りました。

私はずーっと「ショートケーキの苺は最後に食べる」派なのですが、
50歳を超えて、美味しいものは先に食べなくては・・
思想信条を変えることになりました。

なので今回の夏休みは
前から行きたかったところから順番に行くぞということで、
秋田県の玉川温泉、青森県の恐山、
岩手県の三陸鉄道北リアス線、、世界遺産中尊寺の4箇所に行ってきました。

玉川温泉は、日本でも有数の湯治のメッカです。
はいるとヒリヒリする強酸性泉。
源泉に入ったら必ず洗い流してでなくては、皮膚炎を起こすそうです。
効能が下がるから洗い流さずに。。。というやわな温泉ではありません。
硫黄臭がすごくて微量の硫化水素ガスを吸うことで気管支に良いとか、
岩盤浴にはガン治療中や予後の患者さんも大勢来ています。
ここには3泊したのですが、
皆さん真剣に湯治をされているので、
私も、早朝から風呂~朝食~朝寝~風呂~散歩~岩盤浴~昼寝~風呂~夕食~休息~風呂という
規則正しい小原庄助さん生活を行っておりました。

それからJR東日本3連休切符(乗り放題、特急料金を払えば新幹線もOK)をつかって
秋田から下北半島に北上し、恐山へ。
ここは昔から行きたかったところなのですが、
玉川温泉の硫黄の吹き出しを3日間見ていたので、
あまり怖くないし、温泉も普通よりはすごいけど、玉川ほど強くないし、
土曜日で観光客が多くて賑やかでなんとなく思っていた印象とは違いました。
宇曽利湖は神秘的で素敵でしたが、霊が降りてくる時期ではなかったのかもしれません。

最終バスで八戸に帰って、
次の日は始発で館鼻(たてはな)岸壁朝市へ。
地元の人も多いのんびりした楽しい朝市でした。
「忘れ物のお知らせをします。焼き鳥屋さんで焼き鳥を買ってお金を払って焼き鳥を忘れた方~」
「忘れ物のお知らせをします。蕎麦屋さんでそばをたべてササゲ豆を忘れられた方~」
呼び出しものどかです。
それから八戸線を南下して
あまちゃんの舞台である三陸鉄道北リアス線の久慈駅から宮古駅まで移動しました。
朝ドラが終わってすでに一年になるのですが、未だにすごい観光客でした。
海はきれいだったけど、震災とつなみの跡がそこここに見られて、
やはり大変な震災だったのだと改めて感じました。
その日は盛岡に泊まってわんこそばを食べて
次の日は仙台に移動途中に中尊寺を見学して、
仙台では山形県国際交流協会のOさんと
これからの仕事のことを思いっきり話して楽しい夕食を取りました。

関西からは遠いけれど、やっぱり東北はいいなと思いました。
震災の影響は未だ消えていないけれど、
やっぱりまた東北に行きたいと思える旅でした。
来週からまた仕事三昧です!
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公正であるということ

2014-09-08 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
最近医療通訳が「在日外国人」「訪日外国人」「メディカルツーリズム(医療目的の来日)」に
わけて議論される場面があり、医療通訳者としては違和感を感じます。

医療通訳者は本来、医療職の方々と同じ、
患者に対してその立場によって区別をすべきではありません。

もちろん、財力や情報、医療知識などはそれぞれ違い
患者によって配慮しなければいけないことや通訳方法は変わってくるかもしれません。

でも患者であることには違いがないのであれば
私たちはコミュニケーションの橋渡しにベストを尽くすだけのことです。

少し話は変わりますが、
私は「平等」という概念をあまり信用していません。
人は生まれてくる環境を選ぶことができない。
5歳まで生き残ることが困難な状況に生まれる人もいれば、
貧しさから脱出するために海外へ移住することを選ぶ人もいる。
生まれた環境で何不自由なく生きていける人もいます。
人間の努力だけでは乗り越えられない困難はたくさんあると思っています。
だから、通訳者ができることは「平等だから頑張れ」ではなく、
困難を少しでも軽くするように支援することだと思うのです。
社会があるのはそうした不平等を少しでも補いあえるようにするためだと。

通訳者ができることは、簡単にいえば
言葉による困難を取り除き、情報や権利にきちんとアクセスできるようにすること、
言いたいことや言わなければいけないことをきちんと伝えるようにすること、
たったそれだけのことです。
だから私たちは誰に対しても公正(fair)にこの技術を使わなければいけない。
ひとによって態度やレベルを変えるということはあってはならないのです。

ただ、これからメディカルツーリズムが本来の医療を超えて、
商業の中に入れこまれていくのであれば
私たちは注意深くいなければなりません。







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