MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

クリスマスが来るたびに

2011-12-26 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
中南米の相談で一番暇な時期は
なんといってもクリスマスです。
(と、私は感じています)

クリスマスくらい、
いろんなトラブルから離れて楽しみたいし、
家族や友人のことを思いたい・・・。
だから病気などの突発的なトラブル以外はあまり相談が来ない気がします。
来てもクリスマスのお祝いの挨拶とか、
なんとなく和やかな雰囲気です。

なので、私も数年前から休暇を取るならクリスマスにしています。
私自身キリスト教ではないので、クリスマスは特に関係ないのですが、
相談が少ないこの時期は休暇をとりやすいのです。
今年は鹿児島と宮崎に行ってきました。

話は変わりますが、
毎年、クリスマスに飾り付けをします。
大きな鈴やプラスチックの赤い花。
前にもお話ししたかもしれませんが、
実はこれは私が医療通訳として初めて死に直面した方からいただいたものです。
彼は訪問のたびにひとつづつ飾りを持ってきてくれました。
クリスマスのラッピングに添えて、
来るたびに一つづつ飾りが増えていきました。
患者さんからいただきものをするのはよくないのですが、
楽しそうに持ってきてくださるので、私も甘えていました。
ある日、彼が来なくなって、どうしたのかなと思っていたら、
亡くなったという知らせを受けました。

もしかしたら飾りを買うのが大変だったのかもしれない。
飾りなんて持ってこなくてもよかったのに、
あまり喜んでしまったから、
飾りを持たずに訪問できなくなったのでしょうか。

それから、患者さんから頂き物をするのはやめることにしました。
南米の日系人の方は現在の日本人以上に律義でまじめな方が少なくありません。
一度、頂き物をしてしまうと、貸し借りができてしまう。

クリスマスがくるびに、
飾り付けをしながらYさんのことを思い出します。
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多様性を認めること

2011-12-19 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
MEDINTで講師を選ぶときの基準は「お人柄」です。

肩書や経歴や資格も大切ですが、
おもにお人柄で選ばせてもらっています。

なぜなら医療通訳は
いろんな文化や考え方を持つ人たちの
コミュニケーションをつなぐ仕事なので、
様々な価値観や多様性をうまく受け止めて
上手に消化しなければならない。
自分の価値観に縛られて
他者を許すことのできない人には難しい仕事です。

そうした医療通訳者を育成していただく講師には、
やはりそうした多様性を認める視点を持っていただきたいのです。

だから、肩書や成績がいくらすごくても、
コミュニケーションの中で「異質なもの」を認められない人には
お願いできないのです。
昨日の言語別分科会の5名の講師の先生方は
ずっとMEDINTが9年間研修会を続けてきて
やっと出会えた人たちです。
末永く大切にお付き合いさせていただきたいと思っています。
皆さん、度量が広いというかすごいなあと思います。
多様な文化背景を持つ人々と接することで、
徐々にいろんなことに間口が広くなっていくのだなあと思います。
あまり怒らない、むしろ違いを楽しんでいる。
そんな風になりたいと思います。

それでは皆さん、よいクリスマスをお過ごしください。

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寒いけどがんばろう!

2011-12-12 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
先週土曜日は玉巻先生の医療職者向け英語講座でした。

この講座はかなりレベルが高く、
専門用語を学ぶことができます。

毎回玉巻先生は様々な工夫を凝らして、
授業をしてくださいます。
私はスペイン語なのですが、
英語と少し似ているので、
後ろで聞きながら(受付兼オブザーバー)
スペイン語の用語ノートを作っています。
今回は皮膚科の医療用語だったので、
症状や病名のノートが出来上がりました。
前回に引き続き、フローチャートを使っての診断をやったので、
基本的な病気の「考え方」を学ぶことができました。

MEDINTは現場でがんばっている通訳者が
エネルギーを補てんできる場所にしたいと思っています。
知識を得ることは力を得ることです。
そのために年会費のみでどの講座も参加できます。
全部出たら20回近くになると思います。

皆さんも皆勤賞めざしてがんばってくださいね。

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RINKの20周年記念総会に参加して

2011-12-05 16:53:23 | 通訳者のつぶやき
RINK(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク)
関西を中心に外国人支援を続けるNGO団体です。

RINKが1991年の設立から20年となり、
12月3日(土)20周年記念総会が開催されました。

私が相談員を始めたころ、
RINKはすでに入管や労基とたくさんの交渉をしていて、
そのノウハウや知識をいろいろと教えてもらいました。
当時から熱いハートを持った人たちばかりでしたが、
その熱さが20年継続しているということは
本当にすごいことだと思います。

外国人支援が時を経て変わってきているという実感は
この総会でも感じることができました。
事務局のHさんは、最近は医療通訳の派遣が増えていて、
相談事業の主旨と合わないことが多く、
今後の対応を考えなければいけないとおっしゃっていました。

医療通訳に関しては
私たちがもっと声を上げて進めていかなければいけないのですが、
遅々として進まず、悔しいと思っています。

期は熟してきたのかもしれません。
20年の月日は
40歳の労働者を60歳にします。
医療や介護などはこれからの問題です。

「外国人労働者は十分働いてきたじゃないか。」
これからは医療と福祉の時代です。

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