MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

医療通訳のブランディングについて

2020-02-22 15:14:35 | 通訳者のつぶやき
7月に大阪で開催される日本看護学会学術集会のテーマは
「今こそブランディング~看護のプライドとパッション」で
なんかかっこいいですね。

brandingとはWiki先生によると
「ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ」とのこと。
ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、
あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくことです。
看護は既に国家資格であり、その役割は社会的に認知されていると思われるのですが
それでもこうしたテーマを掲げて、専門職としてのさらなるブランディングを掲げています。

私たち医療通訳者はどうでしょうか。
まだ、ブランドとしてはっきり認知されておらず、未熟でもあります。
でも、実際に在住外国人は増え続け需要は確実に増えているにもかかわらず
その姿が見えにくい状況にあります。
医療通訳者ってこういう人だよと言うことをもっと伝えるために
私たちも医療通訳のブランディングについて、もっと真摯に考えていかねばと思います。
00年代、私たちは「医療通訳を知って下さい」というスタンスで活動していました。
現在、医療通訳の必要性は少なくとも関係者にとっては共通認識として存在しています。
ただし、誰が何のために、どのような形で行っているかどうかが見えていない。
専門職としてのブランディングが不足しているのです。

その理由として、私は研究者の不足を上げたいと思います。
また、質の向上のためのトレーナーも不足しています。

MEDINTは医療通訳の制度化に向けての情報発信と
医療通訳者のトレーニングを中心に活動してきました。
来年20年目をむかえるにあたってその方向性の見直しを
考えていかなければいけない時期にきています。
他の医療通訳者団体も同じような局面にあるのではと思います。

看護雑誌の連載がはじまりました

2020-02-06 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
お久しぶりです。
1月は研修三昧で飛び回ってました。
大阪府看護協会の日本国際看護師の養成研修や
静岡県や沖縄県、奈良県での外国人相談窓口研修、
岸和田市医師会の看護専門学校の授業など
昨年4月の入管法改正以来、専門職や窓口が「合理的配慮」としての
外国人に関する理解や接遇を学ぶ機会が増えてきています。

この活動は医療通訳と直接関係ないように思われますが、
外国人にかかわる専門職や窓口が
外国人対応に慣れてくれれば、
通訳者の介入もスムーズになります。
やさしい日本語の普及や音声翻訳ソフトの適切な利用なども
日本語に慣れていない外国人が困らない社会を作る社会資源です。
「言葉で困らない社会」は医療通訳者だけで作れるものではありません。
医療通訳に関する社会のコンセンサスが進んできている昨今
これから私たちが行うのは、医療通訳者が働きやすい環境の整備だと考えています。

一方で、看護・医療系出版社であるメディカ出版の22雑誌の巻末にある
共通コラム「カンパネオ」で今年の2月号から隔月連載をはじめました。
タイトルは「外国人の患者さんが来ました 国際化で求められる知識とコミュニケーション術」です。
外国人対応には専門職連携が欠かせないので、
私とゲストで質疑応答の形式をとっています。
第1回のテーマは「外来看護師」で、りんくう総合医療センターの新垣看護師と共同執筆です。
1ページのコラムですので、すぐに読めると思います。
病院や図書館にあるのを見かけたら、読んでみてください。

出張先でぎっくり腰になりました。
帰れないかと思った・・・。
皆さんも寒いのでご自愛くださいね(涙)。