外国人医療といつもセットに出てくる「医療費の未収と未払い」の問題。
日本に住んでいる外国人医療を支援している立場から、
「ちょっと違うな」と感じることが多いので、
今日はそのことを少し書きたいと思います。
国民健康保険や社会保険の健康保険に加入できる人(*1)が
未払いになるケースは大きく分けて次の3つかなと思います。
あくまでも私の個人的な印象ということで読んでください。
1:患者が日本の医療制度、社会保障制度を知らない
医療者が在住外国人が日本の医療制度や社会補償制度を使えることを知らない
高額療養費や限度額認定などの制度を知らず、
それが自分に適応されると知らなくて、
とにかく高額になることを恐れて受診をしない人がいます。
たとえば医療費と支払額がごっちゃになっていて、
こんなの払えない!と思い込んでしまう人もいます。
まずはMSWや外国人支援団体に相談してくれればいいのですが、
怖くて払えないと思い込んでしまうこともあります。
日本人も同じですね。
また、最近は少なくなりましたが、
外国人イコール「保険がない」と病院側が思い込んでいたり、
外国人イコール「保険に入れない」と思い込んでいると
適切なアドバイスができないことがあります。
中長期に合法に滞在している在日外国人の人たちは
公的保険の加入することができます。
入っていなければ日本人と同じように
遡って保険料を納めて遡及します。
別表2の在留資格の方は生活保護の医療扶助も準用されます。
未払いだと諦める前に相談をしてください。
何らかの手立てがあることが多いのです。
2:事前に治療費の目安が示されていない。
また、医療費は前交渉という習慣の国も少なくないので、
「こんなに高いの聞いていない!」
「あの検査は無駄だったんじゃないか」という苦情がでることがあります。
これは外国人診療になれている病院であれば
最初に電卓片手に医療費の交渉を行ってから検査や治療をすれば
ある程度の誤解は防ぐことができます。
金融広報中央委員会によると日本の3割の世帯が貯金ゼロというご時世。
外国人の中にも自転車操業の世帯が少なくありません。
中にはクレジットカードを使って
支払いを翌月に延ばす世帯もあります。
日本人だって同じですよね
その場合、クレジットカードが使えれば
取りあえずリボ払いでも分割でも支払いは後でもOKなのですが、
急な医療費に使える現金がないこともあります。
病院がクレジット払いになってくれれば
医療費については、あとで考えることができるので助かるなと思います。
(医療費がなくなるわけではなく、根本的な問題は残るのですが、)
3:この病院には二度と来たくないと思う
「患者さまは外国人」のなかに
でてきたエピソード。
この漫画にでてくる病院(実在します)は保険診療をしていなくて、
全額自費になるのですが、それも了解の上で
ドクターを頼って多くの外国人がやってきます。
ある日、ブラジル人が治療費が高すぎるから払わないといって
受付の人と押し問答になりました。
そこで奥からドクターが出てきて
「わかった。今日はいらない。だけど、二度とこの病院にこないでほしい」
と、言い放ったのです。
その瞬間に患者は二度とこれないのは困るからとすぐ支払いました。
お金がないわけではなかったのでした。
ある病院で医療通訳を置いたら未収が減ったというデータがありました。
もちろん、医療を受けるにあたっての説明がきちんとなされて
治療費も納得の上で治療が受けられたというのもあるかもしれませんが、
その中にまたこの病院に来たいから、
医療通訳を使える病院は自分にとって大切だから
絶対払わなければという損得勘定もちょっとだけ混じっているように感じます。
日本に住んでいる
ほとんどの外国人患者さんは踏み倒そうとは思っていません。
自分にとっては大切な病院ならなおさらです。
ただし、手持ちがないから、制度を使ったり、分割で支払ったり
という工夫が必要なのです。
私が社会福祉士の国家資格をとったのは、
お金のせいで、医療を受けられない外国人患者が多いから。
社会保障制度に適切に結びつかなくて治療を回避して我慢している人が
少なくないという現実を知ってほしいと思います。
一定数の未収が出てくることは日本人でも同じです。
医療通訳を置くことは
少なくとも在日外国人医療においては未収を増やすのではなく、
未収を減らすものなのだと思うのですが、皆さんはいかがですか?
逆に、最近地方でも増えている「訪日外国人」の未払い問題については
制度的になんらかの工夫が必要なのではないかと思います。
日本に住んでいる外国人医療を支援している立場から、
「ちょっと違うな」と感じることが多いので、
今日はそのことを少し書きたいと思います。
国民健康保険や社会保険の健康保険に加入できる人(*1)が
未払いになるケースは大きく分けて次の3つかなと思います。
あくまでも私の個人的な印象ということで読んでください。
1:患者が日本の医療制度、社会保障制度を知らない
医療者が在住外国人が日本の医療制度や社会補償制度を使えることを知らない
高額療養費や限度額認定などの制度を知らず、
それが自分に適応されると知らなくて、
とにかく高額になることを恐れて受診をしない人がいます。
たとえば医療費と支払額がごっちゃになっていて、
こんなの払えない!と思い込んでしまう人もいます。
まずはMSWや外国人支援団体に相談してくれればいいのですが、
怖くて払えないと思い込んでしまうこともあります。
日本人も同じですね。
また、最近は少なくなりましたが、
外国人イコール「保険がない」と病院側が思い込んでいたり、
外国人イコール「保険に入れない」と思い込んでいると
適切なアドバイスができないことがあります。
中長期に合法に滞在している在日外国人の人たちは
公的保険の加入することができます。
入っていなければ日本人と同じように
遡って保険料を納めて遡及します。
別表2の在留資格の方は生活保護の医療扶助も準用されます。
未払いだと諦める前に相談をしてください。
何らかの手立てがあることが多いのです。
2:事前に治療費の目安が示されていない。
また、医療費は前交渉という習慣の国も少なくないので、
「こんなに高いの聞いていない!」
「あの検査は無駄だったんじゃないか」という苦情がでることがあります。
これは外国人診療になれている病院であれば
最初に電卓片手に医療費の交渉を行ってから検査や治療をすれば
ある程度の誤解は防ぐことができます。
金融広報中央委員会によると日本の3割の世帯が貯金ゼロというご時世。
外国人の中にも自転車操業の世帯が少なくありません。
中にはクレジットカードを使って
支払いを翌月に延ばす世帯もあります。
日本人だって同じですよね
その場合、クレジットカードが使えれば
取りあえずリボ払いでも分割でも支払いは後でもOKなのですが、
急な医療費に使える現金がないこともあります。
病院がクレジット払いになってくれれば
医療費については、あとで考えることができるので助かるなと思います。
(医療費がなくなるわけではなく、根本的な問題は残るのですが、)
3:この病院には二度と来たくないと思う
「患者さまは外国人」のなかに
でてきたエピソード。
この漫画にでてくる病院(実在します)は保険診療をしていなくて、
全額自費になるのですが、それも了解の上で
ドクターを頼って多くの外国人がやってきます。
ある日、ブラジル人が治療費が高すぎるから払わないといって
受付の人と押し問答になりました。
そこで奥からドクターが出てきて
「わかった。今日はいらない。だけど、二度とこの病院にこないでほしい」
と、言い放ったのです。
その瞬間に患者は二度とこれないのは困るからとすぐ支払いました。
お金がないわけではなかったのでした。
ある病院で医療通訳を置いたら未収が減ったというデータがありました。
もちろん、医療を受けるにあたっての説明がきちんとなされて
治療費も納得の上で治療が受けられたというのもあるかもしれませんが、
その中にまたこの病院に来たいから、
医療通訳を使える病院は自分にとって大切だから
絶対払わなければという損得勘定もちょっとだけ混じっているように感じます。
日本に住んでいる
ほとんどの外国人患者さんは踏み倒そうとは思っていません。
自分にとっては大切な病院ならなおさらです。
ただし、手持ちがないから、制度を使ったり、分割で支払ったり
という工夫が必要なのです。
私が社会福祉士の国家資格をとったのは、
お金のせいで、医療を受けられない外国人患者が多いから。
社会保障制度に適切に結びつかなくて治療を回避して我慢している人が
少なくないという現実を知ってほしいと思います。
一定数の未収が出てくることは日本人でも同じです。
医療通訳を置くことは
少なくとも在日外国人医療においては未収を増やすのではなく、
未収を減らすものなのだと思うのですが、皆さんはいかがですか?
逆に、最近地方でも増えている「訪日外国人」の未払い問題については
制度的になんらかの工夫が必要なのではないかと思います。