MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

緩衝材としての通訳

2010-05-21 20:22:39 | 通訳者のつぶやき
アメリカ議会の公聴会で
トヨタ自動車の豊田社長が証言席に立ったときのことです。

最初の発言は社長自ら英語でこなしたのですが、
議員が質問に立ってからは通訳を介したやり取りになりました。

そこで公聴会の空気がかわったといいます。

議員の言葉の即答する他の証人にくらべて
通訳を介して話す豊田社長には通訳が入る分考える時間が余分に出来、
有利に話すことが出来た・・・皮肉な話です。

確かに通訳を介すると、
日本人医師は、難しい医療用語も通訳しやすいように噛み砕いてくれます。
日本人に直接話すよりもわかりやすく話すような気がしますし、
患者も自分以外の人間が会話の中に入っていることで、
言葉を客観的にとらえているような気がします。

どんなコミュニケーションでも、
間接的に話したほうがいい場合があります。

インフォームドコンセントも、
患者の性格にもよりますが、
通訳といった緩衝材がはいったほうがスムーズと感じることがあります。
特に南米の人の通訳をするときにそれを感じます。

最近、医療通訳を考えれば考えるほど、
医療通訳の言葉以上の役割を実感しています。

訓練された医療通訳者を使ったことのない医療者の皆さん。
一度使ってみると、
今まで感じたことのないコミュニケーションの世界が見えてくるかもしれませんよ。
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かつらを探して

2010-05-14 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
癌治療で化学療法を受けている患者さんに
「かつら」の相談を受けました。

治療中に抜けてしまう髪は
仕方がないけれど、やはりつらい。
でも治療費だけでも大変なのに
短期間のためにかつらを買うお金はない。

いつもきれいでいたい女心に国境はありません。

最近の日本の医療現場は
「治療優先」から「治療生活の質」へ
進んでいるのは感じますが、
南米の女性はいくつになっても
女性であることを大切に感じています。

幸い患者のためにかつらをレンタルしてくださる
NPOを紹介することが出来ました。

http://www.himawari-kikin.com/
夏目雅子ひまわり基金

昔に比べて日本女性の髪の色にも
バリエーションがでてきたので、
外国人女性に似合う色も探すことが出来ます。

治療=我慢だけど、
その苦痛を少しでもカバーできることがあれば
いいなと思います。

PS'先週末、MEDINTの医療言語分科会がありました。
英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語の通訳者が
それぞれに会して医療言語を学びました。
次回は皆さんも是非ご参加ください。
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