今日は少し医療通訳から離れて私の本職の中での話をします。
私の本職はスペイン語生活相談員です。スペイン語での相談や通訳を業務としています。対応するのは中南米の方々ですので、ちょっと想像しづらいかもしれませんが、日本にいて日本ではないような職場です。
今日の仕事のひとつに交通事故通訳がありました。交通事故の専門相談窓口に出向き、保険会社、相談員と相談者の通訳をします。通訳者は何でもできそうですが、実は通訳内容に得意不得意があります。私は税金や保険、制度、法律説明などの「堅い」通訳が得意で、数字を使ったり、理詰めの説明を通訳するのが好きです。逆に、子供の教育やこころの相談などの情緒的な通訳が苦手です。だから、交通事故の通訳は比較的好きな通訳の部類に入るのですが、それでも30分位したらタイマーが点灯し始めました。いえ、本当にタイマーが点滅したんじゃなくて、ウルトラマンが3分間戦ったらピコピコなって限界にきていることを示す私の中のあのタイマーみたいなものです。
「るろうに剣心」って漫画の中で15分戦ったら自分で自然発火してしまうという悪役がいましたが、そんな感じですか・・・・いえ少しオーバーですね。
実は、通訳者には内容もそうですが時間にもキャパシティがあります。集中力の限界っていうのでしょうか。
普通に会話をしている人は相手の「話を聞く」、自分の言葉を「話す」の往復ですが、通訳者はその倍の作業を常に頭の中で行っています。また、母語で相談を聞いているときは日本語に訳さず直接スペイン語を聞いて理解すればいいので、話題が脇にそれたり、繰り返しモードに入ると頭を少し休憩させてもいいんですが(そうしないともたない・・)、通訳の場合、頭の切り替えはその内容を受け取った人が判断するので、とりあえず必要なさそうなことも、すべて通訳しなければならないのです。これがつらい。とくに、メモを取らない相談者は同じことを何回も聞くし、何度も繰り返し同じ説明を繰り返す人もいます。
それから、喧嘩のようにお互いが譲れないときはこれまた両方が同時に発語するのでつらい・・・。こっちは聖徳太子じゃないんだって。
またひとつのセンテンスが長く、適当なところで両者が切ってくれないことが続くと、普通以上に消耗が激しくなります。通訳を使い慣れていない、もしくは通訳への配慮のない場合、細かい通訳は私の場合15分~30分が限界です。1時間となると頭が飛んでいわゆる「切れる」状態になります。「あっまずい!」と自分で思いとりあえず席を立ちました。これ以上切れかけの状態で通訳するのは百害あって一利なしだからです。
逐次通訳は同時通訳にくらべて比較的時間的余裕があるように感じますが、それでも両者の会話のリズムを阻害しないためにはできるだけ早く言葉を出していくことが要求されます。
あなたが使っている通訳者のタイマーがピコピコなりかけたら、少し休憩をはさむことも必要だということを少し理解してくださいね。
私の本職はスペイン語生活相談員です。スペイン語での相談や通訳を業務としています。対応するのは中南米の方々ですので、ちょっと想像しづらいかもしれませんが、日本にいて日本ではないような職場です。
今日の仕事のひとつに交通事故通訳がありました。交通事故の専門相談窓口に出向き、保険会社、相談員と相談者の通訳をします。通訳者は何でもできそうですが、実は通訳内容に得意不得意があります。私は税金や保険、制度、法律説明などの「堅い」通訳が得意で、数字を使ったり、理詰めの説明を通訳するのが好きです。逆に、子供の教育やこころの相談などの情緒的な通訳が苦手です。だから、交通事故の通訳は比較的好きな通訳の部類に入るのですが、それでも30分位したらタイマーが点灯し始めました。いえ、本当にタイマーが点滅したんじゃなくて、ウルトラマンが3分間戦ったらピコピコなって限界にきていることを示す私の中のあのタイマーみたいなものです。
「るろうに剣心」って漫画の中で15分戦ったら自分で自然発火してしまうという悪役がいましたが、そんな感じですか・・・・いえ少しオーバーですね。
実は、通訳者には内容もそうですが時間にもキャパシティがあります。集中力の限界っていうのでしょうか。
普通に会話をしている人は相手の「話を聞く」、自分の言葉を「話す」の往復ですが、通訳者はその倍の作業を常に頭の中で行っています。また、母語で相談を聞いているときは日本語に訳さず直接スペイン語を聞いて理解すればいいので、話題が脇にそれたり、繰り返しモードに入ると頭を少し休憩させてもいいんですが(そうしないともたない・・)、通訳の場合、頭の切り替えはその内容を受け取った人が判断するので、とりあえず必要なさそうなことも、すべて通訳しなければならないのです。これがつらい。とくに、メモを取らない相談者は同じことを何回も聞くし、何度も繰り返し同じ説明を繰り返す人もいます。
それから、喧嘩のようにお互いが譲れないときはこれまた両方が同時に発語するのでつらい・・・。こっちは聖徳太子じゃないんだって。
またひとつのセンテンスが長く、適当なところで両者が切ってくれないことが続くと、普通以上に消耗が激しくなります。通訳を使い慣れていない、もしくは通訳への配慮のない場合、細かい通訳は私の場合15分~30分が限界です。1時間となると頭が飛んでいわゆる「切れる」状態になります。「あっまずい!」と自分で思いとりあえず席を立ちました。これ以上切れかけの状態で通訳するのは百害あって一利なしだからです。
逐次通訳は同時通訳にくらべて比較的時間的余裕があるように感じますが、それでも両者の会話のリズムを阻害しないためにはできるだけ早く言葉を出していくことが要求されます。
あなたが使っている通訳者のタイマーがピコピコなりかけたら、少し休憩をはさむことも必要だということを少し理解してくださいね。