MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

外国人の医療・福祉・社会保障相談ハンドブック

2019-07-24 03:19:04 | 通訳者のつぶやき
2016年に自費出版した「外国人の医療・福祉・社会保障相談ハンドブック」が
2019年6月に明石書店から出版されました。
今回は「移住者と連帯する全国ネットワーク」の編集で
7月現在、すでに第2版が発行されています(すごいスピード!)。

内容については自費出版版をベースに加筆修正を行っています。

私は自費出版から「医療・福祉現場のコミュニケーション」を担当しており
今回も第2章部分(医療通訳派遣団体リスト除く)を担当しています。
前回と違っているところは、現在先行している医療通訳だけでなく、
福祉現場の通訳についても言及しているところです。
また、社会資源の使い方ややさしい日本語の考え方についても
加筆しています。

この本の中心は
法律や制度の活用、事例検討で
経験豊かなNGOのワーカーが
本当に困った人たちのケースを論じており、
巻末には関係法令集も掲載されています。
市役所などの窓口で「外国人には適応されない」というような
説明を受けたとき、この本を使うようにと作成されました。

東と西の両方の外国人の医療と福祉ネットワークのメンバーが
分担執筆しました。

是非、お手元に1冊備えてもらえればと思います。

詳細は こちら

何もないということ

2019-07-01 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
大阪で開催されたG20が終わりました。

大阪の隣県に住んでいるわが身にも
ピリピリした緊張感が伝わってきました。

新幹線のコインロッカーやごみ箱の閉鎖、
高速道路の封鎖、
大阪は学校も休校になっていました。
全国から警備の人たちも集まっていました。

何も起きないというのは
当たり前のことのようですが
実はすごいことです。

万全の準備があってこその
「何も(事件や事故が)ない」状態なのだなと思います。

医療通訳の仕事も似ているところがあります。

通訳はその場所で発語されたすべてが正しく通訳できて
はじめて100点(当たり前)といえます。
通訳がいない状態で話している(言語の壁がない)のと同じです。

その状態から、単語が漏れたり、解釈が間違えていたりすると
どんどん減点されていきます90点、80点、70点・・・。
逆に120点になることは仕事の性格上、そうそうありません。
その減点部分をいかに減らすかが、
通訳者の力量になってきます。

暗記に自信があっても、メモをとったり
確実にわからない単語は発語者にいい直しをお願いしたり
本人に伝わっていないようであれば他の言葉で表現したり。
伝えるために頭の中はすごい勢いで
言葉の引き出しを開けたり閉めたりしながら、適切な言葉を探しています。

私たちが医療通訳の勉強をするのはその引き出しを多くするためです。
医療通訳者が未熟なせいで、困るのは通訳者ではなく、患者です。

そういうことを肝に銘じで、
「なにもない」通訳を目指したいと思います。