MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

○×クイズ

2005-12-28 10:23:37 | 通訳者のつぶやき
次の質問が正しければ○、間違っていれば×をつけてください。

1. 日本国籍が無くても生活保護を受給できるケースがある。
2. 外国人にも結核予防法は適応になる。
3. 外国人で国民健康保険の加入資格があるのに入ってなかった人は、遡って加入(遡及)することができる。
4. 労災に加入していない会社の従業員でも仕事中に怪我をしたら労災保険が使える。
5. 10年前にはじめて来日した外国人(日本国籍がない)。10年間日本で国民年金をかけてきて65歳になった。現在は永住ビザ。25年間の加入期間が無いが、老齢年金は貰える。

いかがですか?
答えは全部○です。
外国人のケースを扱うとき、最初から日本籍でないからとか、定住者でないからとあきらめて、未払いを放置しているケースはないですか?特に、日本人支援者がそう思い込んでしまっているケースが多いのです。医療通訳者は本来通訳に専念するのが理想ですが、少しでも知識があれば病院の方に調べてくださいとか、できたケースを知っていますとかアドバイスできますよね。司法通訳と違い、医療通訳は医師や看護師、MSWと通訳は患者さんが一日でも早く良くなるように協働するチームといえます。医療通訳者が、こうした情報を持っていることは、患者さんの利益にもつながります。8月の講座で、ひまわり診療所MSWの高山先生が、日本における福祉や外国人医療の変遷と考え方を熱い思いをもってお話くださいました。心打たれた方も多かったと思います。また、機会があればお招きして続きを聞きたいですね。

外国人だからといって、特別扱いするのはよいことではないと思います。日本人にも生活の苦しい人はいるし、ふるさとへ仕送りをしている人もいます。反対に、外国人だからといって日本の福祉が使えないと思い込んで門前払いをするのもおかしなこと。福祉の制度を熟知せず、「外国人は未払い」が多いといってしまう人には、その前に差別意識をなくしてほしいと思います。
コメント

お返し

2005-12-21 10:46:07 | 通訳者のつぶやき
行政の地位の高い人や医師と在日外国人の医療について話していて、議論になるのは「自分が海外に行った時は、言葉もきちんとできていたし、できないところは通訳を雇ったし、何よりも同じ在留邦人が助けてくれた。日本にいるコミュニティはどうして同胞を助けないのか。もっと自助努力すべきだ」ということです。
もっともな意見だと思います。
しかし、そこには大きな違いがあります。
言葉の問題のある外国人は、中国残留孤児の子弟やインドシナ難民の家族、南米日系人が大きな枠ですが、彼らの共通点は、多くが日本における底辺労働を支えているという点です。また、コミュニティが新来同胞に手を差し伸べるまでに成熟していないこと。送り出し国が発展途上国(少なくとも日本と経済格差があり、そのために働きにきた人たちであること)です。以前にも書きましたが、私が南米に住んでいたとき、いつも背中に日の丸がありました。「日本人であること」の特権や自分がたいしたことなくても日本人であることで信用してもらえるような場面がありました。私を送り出していた国は「経済的に豊かな国」でした。だから、病気になったときは、首都に搬送してもらったり、日本語のできる医師に診てもらう手段もありました。たぶん、この地にはじめて入った日本人移住者達は、そんなケアも日本の後ろ盾もなく、血のにじむような努力をしながら今日の在外日本人社会をつくっていったのだと頭が下がりました。
今、そうした後ろ盾が無い状態で日本に来ている外国人に、自助努力をいうのは簡単です。しかし、だからこそ本当に大変な時は母国語でのケアが受けられる日本社会を作りたいと思いませんか。人間の移動は一方向ばかりではありません。いつか、私達が南米に、中国に出稼ぎに行く時代がくるかもしれません。その時に、日本で暖かいケアを受けた人たちが私たちを助けてくれると信じたいですね。
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