拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

横富士

2023-01-04 10:36:50 | 日記

いつも高尾山に登ったときは、奥高雄の城山を経て相模湖に降りた(そのまま湖の中に潜っていって浮いてこなかったらシューベルトの「漁師」である)。今回は逆ルートで行こう。相模湖から出発して城山を経て高尾山で締めよう。そのココロは?小旅の最後に高尾山口の温泉に浸かり、駅前のイタリアンで石窯ピザをいただくことである。

というわけで、スタートは中央本線の相模湖駅。相模湖大橋を渡り、ダム直下の相模川を少し下って弁天橋を渡り、川岸をぐんぐん登って振り返ると、既に相模川は遥か眼下にある(「眼下の敵」という映画があった)。

ちょうど写真中央部分で相模川が90度流れの向きを変えている(この感じ、ドイツのモーゼル川と似てる。ライン川と言っても信じる人はいないだろうが、モーゼル川と言ったらどうだろうか)。右端に映ってるのが弁天橋。相模湖(ダム)はその先である。向きを変える前後で川の色が青から緑に変わっているが、いずれにしても深い色。絵の具で溶かしたような色である。酸性度が強くて生物が生きていけない湖は透明度が高くなるというが、相模湖や相模川は、きっと湖底や川底に藻がびっしり生えているのだろう。

この後、国道20号を渡って、城山登山口を探していてふと振り返ると、おお!こんな人里からも富士山が見える。

左側(南側)に陽の光が当たって明るく、右側(北側)は日陰で暗い。南側(静岡側)から見る富士山を表富士と言い、北側(山梨側)から見る富士山を裏富士と言うのが一般だが(「一般」と書いたのは、山梨県人からすると逆になるから。「早慶戦」を慶応の学生が「慶早戦」と言うがごとしである)、この写真の富士山はさしづめ「横富士」と言ったところである。

登山口も見つかって、いよいよ城山登山である。途中、富士山と相模湖のコラボが見られた。

初めて見るコラボである。

登山道には、ところどころに松ぼっくりが落ちていた。

思わず、♪松ぼっくりがあったとさ……と歌う私はやはり歌好きである。続いて歌ってみる。♪たーかいおやまにあったとさ……むむ、城山は670.3メートルだ。「たーかい」と言っていいかどうか。因みに、すぐ近くの津久井湖のほとりにも城山があり、そっちは375メートルだからそれよりは高い。その城山(今登っているちょっとお高い城山)は神奈川県と東京都の県境にある。前から、東京都の高尾の先は山梨県のはずが、なぜここが神奈川県なのだ?と元神奈川県人の私は狐につままれた感じだったが、思い返してみれば、地図で見る神奈川県の西北にとんがりハットの部分がある。そこに相模湖があり、中央本線がかすめて通っており、境界線に城山があるのである(ようやく腑に落ちた)。

そんなこんなで、城山の頂上に到達。人がたくさんいた。そして、高尾山に向かう。その間、いたるところで富士山が見えた。この日はかなり雲がかかっていたが、最近、雲一つ無い富士山ばかり見てきたから、こういうのも一興である。ところで、このあたりから見る富士山の左側(南側)に弟分みたいな感じでいつも一緒に見える山がある。

大室山だそうだ。伊豆の伊東にも「大室山」があって、そっちは580メートルだが、こっちは丹沢の一部で1587メートルあるという。

そうした富士山や大室山を含めて高尾山の山頂から南西方面に見える山々の全貌がこれ。

右端が富士山、左端が大山である。

さらにでござる。高尾から下山する途中で北東方面にある山影を倍率を上げて撮って再生してみたら、

ここからも見えましたねー、おなじみの筑波山である。

再生して初めて気づいたと言えばこれも。

新宿のビル群を写したつもりだったが、その先のスカイツリーが映ってた。そうか、高尾からだとスカイツリーはこの位置にあるのか。

下山する頃はいい具合に日も暮れてきて、お月様が見えました。

別に、月は高尾に来なくても、足立区からも見えるのだが。

で、計画通り駅前の温泉に浸かったのだが、えらい人混み。サウナに入るのに行列を作るなんて初めて。だからサウナはパス。そそくさと温泉を出て、イタリアンに行ったら既に終業30分前でこちらは断念。次、もっと空いてる時期に再挑戦しましょ。

今回、歩き始めた時点で妙に体が重かった。と思ったら、この前に筑波山に登ったのは先週のことであった。これはきついのは当たり前。馬だってよほどのことがない限り連闘(2週続けて出走すること)はない。しかも、行きしなにテレビで見た箱根駅伝の山下りが脳裏にあったもんだから、真似してぴょんぴょん飛んで下ってったら最後膝にきた。ま、それでも元気である。このくらい登ってたら婚活の趣味欄に「低山登山」と書いてもバチは当たるまい(「低」をつけるところが私の奥ゆかしいところである)。ちょっと整理しておこう。私の婚活の趣味欄に書くモノ=「音楽」「食べ(飲み)歩き」「競馬」「低山登山」「法螺吹き(ブログ)」……そう言えば、高尾山の下山中、ホラ貝を吹く音が聞こえた。なるほど、たしかに金管に分類されるのが分かる音だ(って、もしかして、ホルンの練習だったりして)。

婚活と言えば、低山登山では山ほどのカップルとすれ違うのだが、そんななか、今回すれ違ったあるカップルの話。先頭を行く男性が私に「この先、高尾山ですか」と聞く。私が元来た方面のことだ。だから「いいえ、相模湖です」と言うと、後ろの女性がけらっけらっと笑う。この場では笑っていたが、あの女性、二人だけになったとき「だからあんたはダメなのよ」と男性をなじり倒すのではないか。カップルの行く末を案じる人思いのワタクシであった。