拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

プティボンにびっくりポン(ジャルスキーと競演)

2015-12-02 12:41:25 | 音楽
(承前)そのアルチーナ、以前からプティボンとジャルスキーの競演だって言うんで早く見たかった。パトリシア・プティボン(ソプラノ。アルチーナ役)は、以前、CSでデスピーナ(コシ)を歌ってるのを聴いてたらいきなりオクターブ上げて超高音を出してびっくり。それからは私にとって要注意人物だった。その後、ドキュメンタリーを観たら、子供の頃から高音を出して人をびっくりさせるのが好きだったそうだ。そのプティボン、今回の番組では「フランスで一番の人気を誇る」と紹介されてた。へーえ。そんなに偉くなったのか。で、今回の演奏。で、でたー。いきなりの超高音!びっくりぽんや!いや、それだけでなく、気持ちを込めたその歌は真に感動的だった。悲鳴のようなbravaが飛んでた。対するジャルスキー、尻上がりに調子があがってきて、最後、Asまで出してた(なるほどー、これならソプラニスタだ)。その他、プロハスカもよかったが(縛られて鞭打たれながらの歌はさぞや大変だったろう)、注目したのがコントラルトのカタリナ・ブラディク。セルビア出身の若い歌手だが、その低音はどすが効いてて、ジャルスキーよりずっと男のようだった(だから男装がよく似合う)。アンサンブルでもジャルスキーより下を担当してた。アジリタもしっかり。この人からは目が離せないぞ。

アルチーナの演出

2015-12-02 11:03:09 | 音楽
こないだ、BSで放送してた、南仏の音楽祭のアルチーナ(ヘンデル)、プティボンとジャルスキーの競演で注目したのだが、歌もすごかったが演出も面白かった。初めのうちは、あ~、いつものエロか、と思ったのだが(プティボンがジャルスキーの上に乗ってもだえたり、妹役のプロハスカが拘束具をはめられて鞭でたたかれたり等々)、だんだん引き込まれていった。衆人環視の中で騎乗位でもだえるのも、はたで見ている恋人の嫉妬の高まりを表すのに効果的だし、なによりも、アルチーナとその妹(いずれも魔女)が、しょっちゅう変身する。舞台の真ん中の部屋の中で歌うときは若い女、左右の小部屋(ここでは歌わない)にいくと老婆になる。つまり、それぞれ歌手とだまり役の二人ずついて、部屋の間で移動するときに入れ替わるのだ。若さは魔法で保たれてる、という映画にもよくある設定なのだろう。で、最後、アルチーナたちが戦いに敗れるにいたり、魔法が効かなくなり、真ん中の部屋にも老いた姿で現れる。カーテンコールでは、老女を演じた二人も拍手を浴びる。そのほか、面白いしかけが満載。それにしても動きの多い舞台だ。動きを覚えるだけでも歌手は大変だろう。そのうえであの至難の歌を歌うのだから偉いものだ(歌手の話は次の記事で)。

老婆心

2015-12-02 10:55:13 | 日記
ドラマ10(NHKの火曜夜10時からのドラマ)ははずれがない。二つ前の芸能プロものも面白かったし、一つ前の「デザイナーベイビー」も面白かった。今度の「わたしをみつけて」もとっても味わい深い。ヒロインの瀧本美織さんは、朝ドラの「てっぱん」で注目し(世間的には、このドラマはあまり高評価とはいえないらしいが、私は見てよく泣いてた)、その後、もっぱらCMで拝見していて(民放ドラマは見ないので)、久しぶりにドラマでお顔を見るのだが、へーえ、こんなにしっとりとした演技をするんだ、と感心しきり。ところで、ドラマの中で、古谷一行さん(が演じる役)が、「老婆心ながら……私はじじーだけど」というシーンがあり、恥ずかしながら、ろうばしんが「老婆心」であることを初めて認識した次第です、はい。「老婆」といえば、こないだのアルチーナの演出(続く)。