暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

花月之式で最終稽古 

2012年02月19日 | 稽古忘備録
2月16日、如月の第三回目の稽古は花月之式でした。
この日で先生宅へ稽古で通うのが最終となります。
でも、あまり意識しないで、いつも通りお稽古を・・・と思いました。

                 

床の軸は、前大徳悦道和尚筆で
「梅花和雪香」(ばいか ゆきにわして かんばし)。
玄々斎お好みの更好棚に梅の絵のある青磁色水指が映えています。

「今日はなかなか咲かない梅に登場してもらいました。
 この水指は茶室を作った時の大工さんから記念に戴いたものです。
 蓋は主人の手作りなんですよ」
「あらっ! 思い出深い水指だったのですねぇ~」
そんな会話を先生と交わしながら、ご挨拶をし、花月之式稽古が始まりました。

                 

課目は、且坐之式、貴人清次濃茶付花月、包帛紗花月(逆勝手)でした。

急に三人の方が体調不良、転んで捻挫、ご主人の介護のためお休みになり、
先生が入ってくださって且坐之式から・・となりました。
私は月を引いて亭主でした。
半東はKさん、正客はS先輩、次客は先生(途中でUさんと交代)、三客はY先輩です。

侘助(紅)、相模侘助(ピンク)、藪椿(赤と白)、梅、菜の花、水仙など
花がたくさん集まって、春爛漫の花台が運び出されました。
先生が紅の侘助を一輪、青磁鶴首の花入に生けました。
Y先輩が炭を置きました。釜は布団丸(和づく釜)です。
S先輩が香を焚き、順番にまわして沈香の香りを静かに愉しみました。

                 

濃茶になり、みなさまに濃茶を練って差し上げることもこれが最後かしら?
と思いながら、丁寧に練り上げました。
「大変おいしゅうございます」
S先輩の声がかかり、中仕舞をしました。濃茶は小山園の慶知の昔です。

茶碗拝見後に茶碗が戻り、総礼をします。
半東のKさんは水屋へ戻り、菓子(みかんが乗っていました)を正客へ。
私(亭主)は茶碗へ湯を入れ、ゆっくりタイミングを計りながら濯ぎ、建水へ捨てます。
茶碗を少し突いて置き、半東と同時に立って、踏込畳ですれ違います。

いちねん会で二人共に研鑽している成果の見せ所です。
すっと立ち、タイミングぴったりですれ違いました。ヤッタネ!
Kさんが棗を清め、薄茶を点て、私が頂戴しました。
久しぶりの且坐でしたが、良い思い出になります。

                  

昼食は、私にとって最終稽古の日だから・・・と、
先生お得意の炊き込みご飯と煮物椀、Y先輩の鳥の焼物と春野菜の白和え、
S先輩から漬物や果物のコンポートなど、思いがけないご馳走が並びました。
みんなでワイワイ楽しく雑談しながら、美味しく平らげました。
先生、皆さま、至らない私のためにありがとうございました・・・。

貴人清次濃茶付と逆勝手・包み帛紗花月はまさに頭の体操で、
これまた楽しくお勉強させて頂きました。

とても充実した最終の花月之式稽古でした。
「本当にこれが最終の稽古なのかしら?」と最後まで不思議な気持ちでした・・・。
心から御礼申し上げます。 ありがとうございました! 
                                     

                                

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