暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

夕去りの茶事を終えて・・・(2)

2023年09月14日 | 「立礼の茶事」(2023年~自会記録)

 

つづき)

初炭が終わり、懐石になりましたが、懐石は伏傘です。

立礼の茶事ではいつも小梶由香さんがテーマに添った献立を考え、美味しい懐石を作ってくださいます。

今回は半東AYさんが写真を撮ってくださり、一部掲載します。

 

 献立  伏傘懐石  小梶由香作成

 飯   ニ杓
 汁   茄子 針茗荷  金色(または鉄鍋)でだす、汁2椀分
 向付  鯛 月見仕立て 加減土佐醤油 
     浅草海苔 山葵   
 椀盛  冬瓜海老そぼろあん 針生姜
 焼物  いちぢく田楽
 預鉢  きぬかつぎ とり おくら 
     炊き合わせ
 箸洗  葡萄
 八寸  たこ柔らか煮 酢ばす
 湯斗
 香の物 沢庵 胡瓜浅漬け 柴漬け

 酒  「熊澤」  茅ヶ崎市香川 熊澤酒造

 

 

懐石後に待合へ動座して頂き、そちらで主菓子をお出しし、中立となりました。

主菓子は「西湖(せいこ)」(紫野和久傳成)を冷たくして差し上げました。

 

   (主菓子は西湖(せいこ)をお出ししました)

後座の用意と灯りを半東AYさんと手分けして準備しました。

主菓子をお出しする前に灯篭に灯りを入れ、露地に4つの足元行灯、腰掛待合にも行灯、手燭1つ(手燭交換用)を半東AYさんが用意しました。

中立の間に暁庵は湯相と火相をみたり、床の花をお軸に変えました。床に黒河氏作成の燭台1つ、点茶盤に南蛮人燭台1つ、次客様と三客様の間にペルシャ文燭台(小灯し)を置き、もう1つ手燭を水屋に用意しました。

 

    (後座の床の掛物と燭台(黒河氏作成))

 

18時30分を過ぎると、もう外は真っ暗です。喚鐘ではなく迎え付けをして、手燭交換して後座の席入りをしていただきました。

後で正客ST氏が「手燭交換は夕去りでは風流の極致ですが、茶事やお茶を全く知らない方があの光景を見たら、きっと黒魔術?・・・と妖しく思うでしょうね」とおっしゃったことが可笑しくも言いえていて、今思い出しています。

・・・でも、その瞬間は蝋燭の火も消えずに(風が強く消えることもしばしばです)、久々に感極まってST氏と手燭交換をしたのでした。  

後座では濃茶、後炭を省略して薄茶を差し上げました。 つづく)

 

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                  夕去りの茶事支度を始めました

 


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