令和6年6月16日(日)に聴雨の茶事をしました。
昨年5月から始めた立礼の茶事も9回目となり、残りあと1回となりました・・・
毎回なるべく新しい趣向を入れたい、変化をつけたい・・と迷いながらやっています。いつも「道具はあり合わせで、心はあつく・・」を心がけて。
先ずは道具組、前回の聴花の茶事では花に因むものは避けようと心がけましたが、今回は「雨」をどのように表現しようか・・・どうしたら雨を聴いて楽しんで頂けるかしら・・・難しかったです。
その日は早朝まで雨が強く降っていましたが、8時には雨が上がり、白露をキラキラと輝かせて庭の緑がイキイキときれいでした。
11時半の席入りです。
板木が4つ打たれて、半東AYさんがロック氷を入れたレモングラスを運び出し、腰掛待合へご案内しました。
待合の掛物は「灑雪庵」(さいせつあん、大谷泉奏筆)、10年前京都に住んでいた時の古家の玄関土間に額に入れて掛けていたものを、横浜へ帰ってから表装しました。
今日のお客様は4名様、正客OKさま(山口県より)、次客Mさま(兵庫県)、詰OYさま(京都市)の3名様は京都・灑雪庵へもお越し頂き、この度も遠方から馳せ参じてくださった茶友です。三客AAさま(横浜市)はOYさまの茶友です。今回初めてのお目文字で、お会いするのが楽しみでした。
皆さま、お暑い中素敵な単衣のお着物でいらしてくださり、感謝です。
コロナもあって久しぶりの再会を喜び合ってご挨拶を交わしました。
床の掛物は「閑眠高臥對青山」(鵬雲斎大宗匠の御筆)です。
「いつの間にか年を重ねて、何をするにも面倒になったけれど、お茶だけは何とか続けています。懐かしい皆さまとお会いして無事を喜び、今日は雨に煙っている青山を、これもまた一段と好し・・・と愛でながら楽しく過ごせたら・・・」とお話ししました。
都合により朝茶事のように初炭を先にし、風炉中も拝見して頂きました。
炭斗は鵜籠、羽箒は白鳥、飾り火箸は「ひねもすのたり正午の茶事」のお正客SKさまからご恵贈頂いた龍玉頭飾火箸(当代大西清右衛門作)、香合は乾漆の菅笠香合(川瀬表完作)、香は沈香(松栄堂)です。
(菅笠香合)
初炭を終わると、12時をかなり回ってしまい、小梶由香さんが腕まくりで作ってくださった懐石をお出ししました。お腹が空いていらしたのでより一層美味しく頂いたのでは・・・と思っていますが、お客さまにはいかがだったでしょうか?
最初の御膳に一番力を入れているそうで、いつも感心したり・・・納得したり・・・美味しいです。
(最初の御膳・・・一文字、汁、向付)
亭主と半東も水屋でお相伴させて頂きました。白身魚(今回は鯛)の湯引き(梅醤油添え)、煮物椀(碗盛)、そして炊き合せに舌鼓し、今でも心と舌に残っている懐石でした。
(煮物椀・・・はも真蒸水無月仕立て)
(預鉢・・・穴子・長芋・モロッコいんげんの炊き合わせ)
聴雨の茶事の献立 小梶由香作成
飯 一文字
汁 小芋 じゅんさい
向付 白身湯引き 梅醤油
椀盛 はも真蒸水無月仕立て
焼物 米茄子の鳥味噌餡
預鉢 穴子 長芋 モロッコいんげん 炊き合わせ
箸洗 デラウェア
八寸 豆腐味噌漬のバケット 万願寺焼
湯斗
香の物 沢庵 水茄子 茗荷甘酢
酒 美しき渓流 楯野川 山形県酒田市産