今日は令和6年7月2日、この記事は6月30日の茶事前に書き始めましたが、やっと今日アップします。
令和5年(2023年)5月から始めた立礼の茶事も残り1回となりました。
お客さまのご都合もあって「雨月の茶事」が6月30日に決まり、6月は16日の「聴雨の茶事」に続いて2回の立礼の茶事をすることになりました。
テーマは「能と茶」です。茶を楽しみながら能のことを語り合う茶事をいつか出来たら・・・と思っていましたが、やっと時機到来でしょうか。
水無月の開催ということもあり、「雨月の茶事」と名付けました。
前にも「道成寺」をテーマに茶事をしたことがありますが、今回のお客さまは能を習っていたり能がお好きな方ばかりなので、どんな茶事にしたらよいか? あれこれ考えるのがとても楽しかったです。
先ずは手持ちの茶道具の中に能と関連のあるもの(ありそうなものも・・)を書き出してみましたら、あるはあるは・・・中には一度も使っていないものも。
「桜川」の水指、「道成寺」や「隅田川」の色紙や掛物の他にも茶入、茶杓、棗、茶碗など、自分でもびっくりするくらいです。
これらをどのように使おうかしら? パズルのようでもあり、今まで使っていない茶道具の晴れ舞台にしたい、支離滅裂にならないように能に関係のあるものは最小限にしたいし・・・直前まであれこれ迷い、入れ替わりました。
「雨月の茶事」という一つの舞台を作り上げていく、この過程が亭主の醍醐味の一つでもあります。この場でどんなお話をしようかしら? お客さまのお話をここで伺いたい・・・などと、いろいろ空想しながら楽しい時間が流れて行きました。
茶道具は「あるものを使って」何とかしなければなりませんが、花を何にしようか・・・いつも最後まで決まりません。
前日、菓子を取りに行った帰り、畑の中にある白い木槿の木を見に行きました。すると、清楚な花をいっぱい咲かせていたので、翌日咲きそうな枝を数本採取しました。他にも檜扇水仙、蔓もの(野葡萄、灸花、山芋)や笹竹を採取して帰りました。
花は前日に採取してしっかり水揚げをしておきます。花入は花の様子を見て当日の朝に決めるのですが、今回も夢に出てくるほど迷いながら・・・。
このような茶事支度も「雨月の茶事」で一休み・・・と思うと、寂しくもあり、感慨深いものがありますが、今は心をこめておもてなしをしたい!と、気を引き締めています。
社中YSさんが半東をつとめ、懐石は佐藤愛真さんのお力をお借りします。とても頼もしく素敵なお二人のご協力の元、「雨月の茶事」を大いに楽しみたいと思っています。
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