暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

第31回あさひ茶花道展・茶会へ

2018年05月30日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)

    「蛍狩り」(絵葉書)  型絵染 本間勇夫


5月26日(土)午後と27日(日)に「あさひ茶花道展」へ出かけました。

あさひ茶華道協会の主催(横浜市旭区他が共催)で、お茶会(2席で千円)、生け花展、区民が楽しめる体験茶席と体験花席があり、今年で31回を迎えるそうです。
2年前(29回)にKさんと来日中のオーネルさんとご一緒に参席し、いろいろ愉しませて頂いた思い出があります。

5月27日、会場のサンハート(相鉄線二俣川駅隣接の二俣川ライフ5F)でKさんとUさんと待ち合わせ、立礼席と和室席へ入りました。
その日は蒸し暑く、洋服にしようかしら?と迷いながらも、緑系の紬の着物、帯は男の子が5人並んでいる絵柄の塩瀬にしました。
まだ端午の節句の5月なので、ちょうどよろしいかしら・・・と思いながら。

和室席は裏千家流でした。
「どなたか正客はお決まりですか?」
周りを見廻しながら席主さまにお尋ねすると
「いいえ・・・是非ともお願い致します。助かります」
正客譲り合い(争い?)が大嫌いで、いろいろ後味の悪い経験がありますので、席主さまのお言葉で喜んでお受けしました。

十畳の席ですが、一方に椅子席(8名くらい)が設けられていて、約20名の客で満席になりました。
客同士、席主の挨拶に続き、菓子が運ばれ薄茶点前が始まりました。
「お先に・・・・」
菓子は紫陽花のような淡い色合いのきんとん、一方だけ笹にくるまれています。
梅の果汁や果肉が入って、甘酸っぱく美味しいお菓子でした。
「銘は「紫陽花」、左近山の藤屋製でございます」
初めて聞く菓子屋さんだったので、「今度買いに行ってみよう・・・」と興味津々です。


  「カルタ遊び」(絵葉書)  型絵染 本間勇夫


菓子器は大きな高台が力強く存在感のある陶器でした。
「河井寛次郎に師事されたくんぷう(薫風??)作でございます。
 5月は端午の節句の月なので、今日の菓子器は全部子供(唐子?)の画が描かれている物で、薫風作です」
(内心、あらっ! 私の帯と同じ子供だわ・・・席主さまと思いが通じたようで嬉しく思いました)

正客席の前に雀が描かれた陶筥(これまた薫風作)が置かれていて、開けると笹舟に米が盛られていて、伺うのが楽しみでした。
「陶筥の上にいる雀にも茶席の楽しみのお裾分けを・・・と思いまして」と席主さま。
(なんて!ステキでユーモラスなご趣向なんだろう・・・)

床は「白雲自去来」(白雲自ずから去来す)
鎌倉円覚寺・朝比奈宗源師の筆です。
花は九蓋草(くがいそう)、七段花、山紫陽花の3種、砧を思わせる花入は薫風作、辰砂釉の流れや醸し出す景色が素晴らしく、力強く味わい深い花器でした。
一転して、黒檀に菊が細密画の様に描かれている繊細な香合・・・豪快な花入との対比が見事です。




最後に点前座の向こうの結界のことを書いておきます。
長板に風炉と富士釜、青磁水指の取り合わせも清々しく、茶席も終わり近くになりました。
ふと身体をよじると、「結界」が目に飛び込んできたのです。
太い孟宗竹の結界は、色艶がはっとするほど美しく輝き、竹の持つ邪気を払う霊力を感じさせる「結界」でした。

「見事な結界でございますね。こちらは・・・」
「実はこの結界が今日一番のご馳走と思っております。
 竹を切り出し、毎日磨いてやっとこの色艶になりました・・・」

・・・最後に気が付いてお尋ね出来てヨカッタ・・・ふぅ~う!

裏千家流の席主さんは長谷川宗智先生でした。
心に残るお茶会をありがとうございます!

KさんとUさんと鎌倉「梅の木」で昼食後、体験花席で生け花を楽しみました。









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