「野月の名残りの茶事」の後礼のお手紙が届きました。
いつも拝読すると茶事の疲れが吹き飛んでいく特効薬です。ありがとうございます!
お手紙2通を記念に掲載させて頂きます。
EKさまより(EKさまは金剛流をお習いで、今回は社中F氏の代わりとして急遽参加してくださいました)
花薄 ますほの糸を 繰りかけて
絶えずも人を 招きつるかな 源俊頼
先日は野月の名残の茶事にお招きいただき、ありがとうございました。
ご招待のお便りのお返事にこの歌を書きましたが、お茶事が終わって、「やっぱり、この歌だわ~」と思いました。これは金剛流の能「薄」の中で出てくる源俊頼の歌です。
五月から立礼の茶事を重ね、今回で6回目と伺い、若葉の頃も、夏の盛りも、秋の暮れも、どれほどのお客様を招き、満ち足りた時を過ごされたのかな・・・と感心した次第です。
これだけ熱心にお茶事をなさり、それぞれの回にお招きしたお客様に因んだ設えや道具組、懐石ときめ細かにお考えになっておられる様子、まったく感服いたします。しかもこの暑く長い夏に!
この度も、遠くスエーデンからいらした方の茶名拝受のお祝いや、私などピンチヒッターなのに私にちなんだものを身に着けていただいたり、使っていただりたりと、それ以外にもいろいろと気づかされる点がたくさんあり、とてもとても嬉しいことでした。
待合から野月を象徴する月見の設え、大田垣蓮月の歌ともぴったりでした。
本席の掛物から美味しい、工夫を凝らした秋の味覚いっぱいの懐石料理。お酒も半東さんのサービス(笑)も素晴らしかったですね。
懐石担当の方とも先生がよく打ちあわせをされのだなと思いました。 とても気が利いていて、お祝いの趣きもあって、美味しい!と最高でした。
そして後座では花寄せの趣向が! 一座、半東さんまで交えて和気藹々と季節の花を楽しみました。
ヨーロッパからのお客様がいらしたせいか、私も長年暮らしたイギリスを思い出し、the last rose of summer (日本では「庭の千草」というアイルランド民謡)という歌を頭の中で口づさんでおりました。
先生がこのあたりの野辺で摘んでくださった秋草の数々、なかなか都心の暮らしでは味わえない情趣を感じました。武蔵野で遊ぶ大田垣蓮月でしょうか (笑)
(野辺で摘んだ秋草が花台にいっぱい)
ずっと立礼なので足も痛くならず、お料理もお酒もお茶もお菓子も、より美味しく味わい深く楽しむことができました。濃茶も薄茶もそれぞれに面白いお茶碗で頂戴し、いろいろな話に花が咲きましたね。
本当に先生のお招き上手にすっかり乗っかって、楽しい時を素敵な茶友さんたちと過ごすことができました。
そろそろ炉開きの準備もある忙しいなか、本当にありがとうございました。ピンチヒッターでも補欠でも結構ですから、またお招きにあずかるのを楽しみにしております。
どうぞ、水屋の皆様にもよろしくお伝えくださいませ。
感謝をこめて EKより
AYさまより(AYさまは暁庵社中です。3回の野月の茶事で、1回目は半東、2回目は水屋、3回目はお客さまとして参加してくださいました)
拝啓
秋の風に吹かれつつ家路につきました
この度は立礼のお茶事の集大成である野月の茶事にお招きを頂き ありがとうございました 半東として水屋として参加でき大変嬉しく思います
オーネル様とも初めてお目にかかり茶道への思いもお聞きし気合が入りました
先生がオーネルさんへの趣向もとても工夫されており 感動しました
どの野月の茶事も素敵な趣向でしたが お客で参加する茶事が一番楽しかったです
今年の立礼の茶事は終わりとのことですが 来年も立礼の茶事をすることを期待しています
先生にはさぞかしお疲れのことと存じますが ご自愛下さいませ
それでは略儀ながら書面をもちまして御礼申し上げます
草々不一 AYより
(茶事の朝に朝顔一輪、輝くように咲いていました)