暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

再び車で四国遍路へ・・・安楽寺宿坊に泊まる

2022年06月17日 | 再び車で四国遍路

   樹齢1200年の「大くす」で有名な志々島の「孝子さんの花畑」の紫陽花) 

      (志々島は香川県三豊市詫間町志々島)

 

令和4年(2022年)5月31日から6月11日(土)まで12日間、再び車で四国遍路へ出掛けました。

3年ぶり、4回目の四国遍路ですが、苦しみ、悲しみ、妬み、恨み、虚栄心など・・・どす黒い垢が心身に溜まって来ると、四国遍路へむしょうに出かけたくなります。

四国遍路は人によってその目的は様々ですが、一般的には先祖供養と家内安全を祈願して札所を回る旅です。

人によっては自分探しの旅であったり、亡き人の供養であったり、親しい人を亡くした喪失感を埋めるためであったり、その悲しみから立ち直るための区切りの旅であったり・・・。

四国の札所を汗みどろになりながらひたすら供養や浄化を願って回っていると、四国の自然の癒しや人との触れ合いも加わってとても爽快無垢な気分になり、心身が調えられていくのを感じます。

 

  (祈りと紫陽花の遍路道・・・・青龍寺(高知県土佐市宇佐町)にて)

 

今回が車で行く最後のチャンスと思うので、札所を回る祈りの遍路だけでなく半分は観光にしました。いつも遍路優先なので、行きたかった場所を訪れよう、心残りの無いようにしたい・・・と思ったのです。

 

5月31日(火)朝6時に横浜の我が家を出発。東名、新東名、伊勢湾岸道路、新名神、淡路島道路を走り抜け、15時には第1番札所霊山寺(りょうぜんじ)へ到着しました。

無理をせず休憩を多く取ったので9時間かかりましたが、高速道路はとても快適でした。暁庵も2時間くらい途中で運転を交代しましたが、私が運転するとツレはかえって疲れるみたい・・・です。

1番札所霊山寺で足りない遍路グッズを購入し、お遍路さん定番の白衣、白ズボン、輪袈裟、15年前に買った古い菅傘、それと階段や坂道で大活躍する金剛杖を手にすると、「さあ、これから元気に四国一周するぞ」と気合が入ります。

本堂と大師堂で般若心経を唱えてお詣りしました。この日は2番札所・極楽寺と3番札所金泉寺を回ってから、宿をお願いした6番札所安楽寺へ17時頃に到着しました。

 

(温泉山安楽寺・・・温泉があり、心身の疲れが癒されます)

   (茅葺大屋根の安楽寺本堂)

安楽寺は十数年前の歩き遍路の思い出があるお寺です。献茶のお茶を飲んでいただいた副住職(当時)にお目にかかりたかったのですが、お会いできませんでした。

当時とはいろいろ違っていて、薬師如来が祀られている本堂奥に性霊殿というお堂が出来ていて、そこでとてもユニークな体験をしました。

それは宿坊に泊まるお遍路だけが参加できる夜のお勤めで、「くす供養」という他言無用の祈りの行が行われていました。「くす供養」って何かしら? 初めて聞く言葉でしたが、くすは「楠」のことでした。他言無用なのでこれ以上は書けませんが、機会があったらぜひ宿坊に泊まって参籠してくださいまし。

 

   (安楽寺にそびえる大きな楠)

 

「くす供養」に参籠し、それまで漠然としていた四国遍路の目的がはっきり見えて来たのでした。

これから進むべき茶の道のお導きを弘法大師さまへひたすら祈りながら札所を回わりました。(つづく)

 

        再び車で四国遍路へ・・・次につづく