暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

再び車で四国遍路へ・・・仙遊寺宿坊に泊まる

2022年06月19日 | 再び車で四国遍路

 (仙遊寺宿坊(今治市玉川町別所)からの朝の眺望・・・遠く「しまなみ海道」の橋が見えます)

 

今回の四国遍路ではなるべく宿坊に泊まって、朝または夜のお勤めに参加したいと思いました。

・・・が、1日目に安楽寺宿坊に泊まった後はなかなか思うようにいきません。

コロナウイルスの影響でお遍路さんが少なくなったこともあり、宿坊をやめてしまったり、休んでいる札所が増えたようです。それで11泊中3泊だけが宿坊でした。6番安楽寺(1日目)、58番仙遊寺(8日目)、75番善通寺(10日目)ですが、いずれも泊まって大正解でした。

 

   (作礼山仙遊寺の山門・・・ここから寺までひと登りあります)

    (仙遊寺山門前の石仏たち・・・静寂そのものです)

58番仙遊寺。お勧めの温泉があり、寺への遍路道が険しくも味わい深く、山上の寺からの景色が刻々と変化して息を呑むように美しい札所です。

泊まるのは2回目ですが、コンビニで夕食と朝食用の食べ物を購入し素泊まり(4千円)でお願いしました。広い宿坊は前回(十数年前)の賑わいとは異なり、私たち以外には男性一人だけの宿泊でした。

約束の17時に到着すると、「お風呂の用意が出来ていますので、どうぞお入りください」

ヌルヌルした温泉の肌触りが心地よく、ゆっくり浸かっていると、疲れがうそのようにとれていきます。

食堂でコンビニ弁当を食べながら、埼玉県から車で四国遍路へ来たという男性と1時間ほど交流したのも良い思い出になりました。

   (仙遊寺の本堂・・・早朝から団体さんがお詣りしています)

 (本堂の千手観音さま、竜宮の童女が届けたという伝説があります)

 

翌朝6時からお勤めがあり、5時過ぎに目を覚ますとホトトギスの鳴声(しのび音?)が聞こえてきました。

本堂の入り口でご住職が出迎えてくださいました。

「ご住職さまですか? このたびはお世話になっております。暁庵でございます」とご挨拶をしたら、「このような挨拶をされたのは初めてです」と言われ、十数年前に宿泊したこと、たしか奥様が朝のお勤めをされたことををお話しすると、「・・・そうでしたか。実は家内は8年前に旅立ちました・・・」

しばし、奥様のことを話され、いろいろな思いを胸に奥様の骨を身に着けて四国遍路へ出たそうです。

「色即是空 空即是色・・・」般若心経を皆で唱えながら、すべては変わりゆくのだ・・・という真理。変わってゆくものが即ち現実(物質的存在)なのだ・・・。それを受け入れて、なお生きていく心のありようをご住職は身をもって素直に語ってくださいました。

これこそとても有難い法話だと思い、仙遊寺宿坊に泊まった甲斐がありました。

 

   (右の引出黒茶碗が素晴らしい出来で、ご住職も嬉しそう・・・)

ご住職は最近登り窯を造り陶芸を始めたそうで、お茶をしていると言ったら最新の作品を見せて頂き、これも好き思い出です。

 

     (仙遊寺の大師堂、心願成就をお願いしました)

17時到着でお詣りできなかったので、翌朝ゆっくり大師堂をお詣りしました。

これからは観光モードに変わり、愛媛県今治市から徳島県へ車を走らせ、「大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)」「祖谷(いや)のかずら橋」を目指しました。(つづく)

 

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