(縁高に杉箸と黒文字を添えてお出ししました)
「炉を塞ぐセレモーニー」で真之行台子のお点前をしました。
縁高に菓子7種を入れ、杉箸と黒文字を添えてお出ししましたが、主菓子や菓子作法がよくわからず、いろいろ疑問が多いです。
四ヶ伝は3種、行之行台子は5種、真之行台子は7種の菓子をお出しします。点前の格の違いを菓子の数で表わしていて、上のお点前ほど菓子が多くなっています。
菓子を複数入れる場合、なぜか饅頭(特に薯蕷饅頭、蒸し物)が一番格が高く、饅頭と水菓子(果物)から入れます。水菓子(果物)は、茶の菓子として最初に用いられたので、必ず入れることになっているそうです。その他に棹物、金団、練切、焼き菓子(カステラなど)、蒸し菓子(蒸し羊羹など)、餅(桜餅など)を用います。
なかなか普段のお稽古ではお出しできませんが、許状式や行事の時に複数の菓子をお出し出来たら・・・と思います。
(「炉を塞ぐセレモニー」の菓子7種)
「炉を塞ぐセレモニー」の菓子7種は、「燕子花」(練切)、「令和」(薯蕷饅頭)、「おもかげ」(棹物)、煮物3種(こんにゃく、人参、干瓢)、イチゴ(水菓子)です。こんにゃくはピリ辛にし胡麻をまぶし、人参はグラッセ風、干瓢は結びにしました。
昔、真之茶事をお稽古した時に菓子の他にゴボウ、椎茸などの煮物が入っていました。甘い菓子ばかりでは・・・と大いに納得し、以後、当方ではそのようにしています。
杉箸と黒文字について忘れないように書いておきます・・・。
縁高に菓子が複数(3,5,7種)入っている時、杉箸と黒文字の2本で取っていただきます。食べ終わった後の作法として、杉箸は折って縁高に入れますが、黒文字はそのまま持ち帰るとお習いしました(裏千家流)。
このことについて深く考えたこともなかったのですが、先日、杉箸と黒文字の取り扱いの違いについて思いがけないお話を伺いました。
禅宗では修行僧が使用する個人の食器(応量器、持鉢(じはつ)または自鉢(じはつ)という)があり、食事の際には毎回これを使用します。
杉箸は食器とみなされ、自分専用なので(個人に属するので)、他の人が使わないように折って返します。一方、黒文字は口内を清める楊枝(ようじ)として使うので、汚いものとして自分で持ち帰るとのことでした。
黒文字は茶事の記念として大切に持ち帰る・・・というような麗しいお話ではないそうです。まさに目から鱗・・・もうびっくり!でした。