暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

炉を塞ぐ

2020年05月07日 | 暁庵の裏千家茶道教室

  (満開のジャスミンのアーチ・・・雨上がりの朝の庭にて)

 

5月6日に炉を塞ぐことにしました。

それで、にわかに忙しくなってきました。

ただ炉を塞ぐだけでなく、このような時だからこそ

「セレモニーをして、今まで無事にお茶ができたことに感謝しよう」と思い立ちました。

真台子を設え、最初に真之炭手前、真之行台子で濃茶一服を点てようと思いました。

お客さまは? ・・・・悩みましたが、ご近所のYさまと社中を代表してKTさまにお声掛けしました。

 

 

お声掛けしたものの真之炭手前は1年以上、もしかしたら2年以上かしら?修練した記憶がないので、急ぎ稽古をしました。

いくつか怪しい箇所(順番、羽箒の掃き方など)もありましたが、意外なことに身体が覚えていて、怪しい箇所を納得できるまで確認しながら良い稽古ができました。それに、要所ではS先生のご注意の声が聞こえてくるようでした・・・。

真之行台子は4月のS先生のお稽古でご指導をお願いしていた科目でした。

コロナウイルスのため中止になりましたが、こちらは社中のお稽古を見ているので、炭手前よりはスムースだったように思います。

課題は足腰が2つの点前に耐えれるかどうか・・・にあります。だいぶ筋力が着いてきたのですが、両手に茶道具を持って立ったり座ったりが今一つ自信がありません。でも、今は精一杯頑張りたいと思っています。

 

 (お軸は「無心帰大道」を掛けました)

 

当日(6日)になり、雷が鳴ったり、急な雨が降ったりのお天気でしたが、お二人がマスクをしてステキな着物で来てくださいました。  

暁庵は濃いめの紫色の無地紋付の着物、いろいろな更紗が縫い込まれ模様になっている丸帯を締めました。丸帯は母の形見です。袱紗は赤、古帛紗は恩師N先生に頂いた富貴長命文緞子にしました。

2ヶ月ぶりに着物を着、身なりを調えると気持ちも引き締まり、全身全霊でお茶モードに突入です。

先ず待合でご挨拶をした後に、茶室へお入りいただきました。

窓を開けたので、庭から満開のジャスミンの芳香が漂ってきて、敷香(黒方)より薫っていたかもしれません(でも、マスク使用なので・・・ネ)。

床の掛物は「無心帰大道」(前大徳 少林寺明堂和尚筆)です。このお軸を掛けると、心を正し、これからも茶の道を一生懸命歩いていこうという勇気が湧いてきます。

すぐに真之炭手前(奥伝なので詳しく書けません・・・)、終わると待合へ戻り、そちらで主菓子を3人で頂きました。真之行台子なので菓子7種を縁高でお出ししました(後ほど詳しく?書く予定です)。

 

 

再び、茶室へ戻っていただき、真之行台子点前で濃茶を差し上げました。炭手前が終わったばかりですが、湯がすぐに沸いて炉や釜の方も気が焦っていたのかもしれません。

濃茶は金輪(丸久小山園詰)です。

各服(茶碗、茶巾を変えて)とし、2椀目を天目茶碗に古帛紗を添えてお出ししましたが、奥伝で各服点は難しいです・・・反省としては、各服の2服目は点前が終了したのち、水屋からお運びした方が点前が乱れず、真之行台子の良い意味での緊張感が保たれる・・・と思いました。これもやってみてわかることで好い経験でした。

・・・こうして、炉を塞ぐセレモニーが終了しました。

暁庵にとっては、「お茶が好き、お茶のある人生ってなんて!素晴らしいのだろう・・・」と改めて考え、お越しくださったお二人に感謝申し上げるセレモニーでした。

 

  (初夏を告げる卯の花が満開です・・・散歩の途中で)

緊急事態宣言ですが、「特定警戒都道府県」(我が神奈川県も入っています)では5月31日まで延長となり、自粛の日々は続きます。

今後のお茶のあり様などを少しは考えながら・・・また静かに過ごすことにしましょう。

          その日は のち  (夜に雷のため一時停電)

 

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