暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

暁庵の茶道教室の初釜 in 2017 ・・・(1)

2017年01月21日 | 暁庵の裏千家茶道教室


       シンプルな正月飾りが素敵でした・・・          

1月18日(水)は暁庵の裏千家茶道教室の2回目の初釜でした。
昨年は我が家でしたが、今年は横浜市中区の茶席「K」にて茶事形式で行いました。
今まで茶席を使用した初釜を何度か経験していますが、主催者としては初めてです。
掃除は勿論のこと、正月用の床飾りや茶道具、懐石、抹茶、菓子まで用意されていて、なんて楽ちんなのでしょう・・・!
それでも、茶事なので問答ができないのは如何なものかと、亭主役のN氏が愛蔵品をいくつかお持ち出ししてくださって、社中一同、楽しみにしていました。

席入は11時です。
我が晴れ着ですが、地紋のある藤色に扇面模様の色留袖、銀箔に葵祭の牛車行列を刺繍した帯、いずれも母の形見です(書いておかないとすぐ忘れるので、お付き合いください)。
一張羅の晴れ着をまとい、9時に車で出発したのですが渋滞もあり、9時50分にやっと到着。
一足先に到着していたFさんに心配をお掛けしたみたい・・・。



半東役のYさんが福島県いわき市から到着、社中全員も揃って待合へ入られたようです。
濡れ釜、島台茶碗のあたため方などを水屋で指示してから待合へ合流しました。
皆さま、素敵な晴れ着をお召しで、お正月らしい華やいだ雰囲気に包まれています。
この平和でかけがえのない幸せなひと時に、一瞬、胸がキュンとなりました。

初釜の茶事は初稽古でもあるので、なるべくお役を交代してやって頂きました。
初座では、正客暁庵、次客Aさん、三客Uさん、四客Tさん、五客Kさん、詰Fさん、亭主N氏、半東Yさん。
後座では、正客がFさん、詰N氏、濃茶は暁庵が務め、後炭はYさん、薄茶はYさんとKさんです。

板木が6回しっかり打たれ、茶事のスタートです。
白湯の代わりに梅干と結び昆布の入った福茶を頂きました。
待合の掛物はおめでたい「宝珠」画と「寿」賛の色紙、宗興と読めましたが・・・。
腰掛待合で筧の水音を聞きながら待っていると、袴姿に着替えた亭主N氏の迎え付けです。



頃合いを計って蹲踞を使い、広間(八畳)へ席入しようとすると、お釜が掛かっていません・・・
「お釜が掛かっていませんよ」
襖を閉め、しばし待ってから席入すると、床荘がシンプルで素敵でした。
青々とした「結び柳」と千歳盆に炭飾り、そしてN氏お持ち出しの掛物。
初日の出、海の上に蓬莱山があり、亀が泳ぎ、数羽の鶴が飛んでいて、お正月にふさわしい雄大な景色が画かれていました。
後ほど、「娘の結納の時に掛けて以来です」と伺って、N氏の教室や社中への親心のようなものを感じ、
「今年もいろいろお世話になります・・・」と深く感謝です。
作者を伺ってもうびっくり! (ナイショです・・・)

釜は芦屋の写しでしょうか、松の文様、鬼面の鐶付、味わいのある蓋、とても惹かれるお釜でした。
しっかり濡らしてくださった釜肌のなんと美しく、存在感を主張していることか!
久しぶりに味わう茶事の醍醐味の濡れ釜でした。


    暁庵の茶道教室の初釜 in 2017 ・・・(2)へつづく

         
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