1月25日はS先生の東京教室の初釜でした。
東京教室の皆様と共に、この日を鶴首の思いで待っていました。
床には見事な結び柳と、「梅 雪裏春」のお軸が大徳寺棒に掛けられています。
大徳寺第512世・法谷浩明師の書です。
皆で読むのに四苦八苦でしたが、「うめ せつりのはる」とS先生に伺って、
まだ雪は降っていないけれど、折しも稽古場の外には春を思わせる陽光の中、白梅が咲き、紅梅が真っ盛りです。
その梅に雪が積もった情景が目の前に広がってくるようでした・・・。
花はツクバネと白玉椿です。
新年のご挨拶を交わした後、すぐにS先生の濃茶の初点となりました。
毎年、初釜のために茶道具と主菓子を関西から運んできてくださって、
社中一同、これが初釜の二番目の楽しみなのです。
一番目はもちろん、S先生のお点前です。
そして、三番目は・・・後ほど。
最初に主菓子「菱はなびら餅」(末廣製)を頂きました。
京都から運んで来てくださった先生に感謝し、柔らかな白い羽二重餅にピンク色が美しく映え、袱紗ゴボウ、とろとろの白味噌餡に感激しながら頂戴しました。
点前座には、真塗の及台子に染付八角の皆具、中棗が置かれていました。
障子を閉め、少し室内を暗くして、落ち着いた雰囲気の中、台子濃茶点前が始まりました。
皆、固唾をのんで先生のお点前を見詰めています。
先日の教室の初釜での台子点前を思い出し、途中から先生と一緒にお点前をしているような、不思議な気分を味わいながら拝見しました。
ぷ~んと茶香が満ち、一碗目が出されました。
すると半東IB氏が袴捌きも爽やかに濃茶を正客Kさんに運びました。
Kさんが一口頂くと
「御服加減はいかがでしょうか?」
「大変美味しゅうございます」
お二人の問答の間に半東IB氏は水屋に温めて準備していた二碗目の茶碗を持ち出し、道具畳に置きました。
挨拶を終えられた先生がその茶碗を取り込み、再び点前を続けます。
こうして、三碗目まで点てられたのですが、点前座のS先生と半東IBさんの呼吸がぴったりで、もううっとり見惚れていました。
私は二碗目の古萩茶碗で頂きました。
程よい濃さでしっかりと練られた濃茶は飲みやすく、たっぷりとまろやかなお味の濃茶を吸い切りました。
濃茶は、たしか尾道の今川玉春園の「白寿」だったと思います(お二人の呼吸や所作に夢中で・・・)。
茶碗、茶入、茶杓は先生のお持ち出しです。(つづく)
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