銅鑼を5つ打って後座の席入をお知らせしました。
後座は花所望から始まりました。
茶事の前日、花屋さん(花長フローリスト)へ寄ると珍しくお休みでした。
お盆で忙しかったのだからお休みはもっともですが、
「河原撫子」を当てにしていたので・・・ガックリ。
でもまだ余裕があり、我が家の木槿を使おう・・・と。
毎朝、咲いている庭の木槿が・・・
ところが、翌朝、木槿が1つも咲いていません。
もう慌てて、お隣の庵主様にSOSしました。
「・・・宗旦木槿と祇園守りを一枝ずつ分けていただけませんか?」
すると、
「ちょっと待っておくれやす・・・」
しばらく待っていると、両手にあまるほど花を抱えて
「丁度、二度咲きの花が咲いていたので、お茶事に使っておくれやす」
「えっ!こんなにたくさん・・・あっ、ありがとうございます!」
それで急遽、花所望とし、お客さま3人に活けて頂きました。
Aさまが祇園守りを手にすると、中央の尺八へ。
Sさまは釣り花入に挑戦、いろいろ迷いながら楽しんでいましたが、
ブルーの久多菊(北山友禅菊とも)、白シモツケ、突抜き忍冬を入れました。
この釣り花入は白洲正子さん愛用の写しです。
Kさまは有馬籠に、矢筈ススキをダイナミックに使い、花トラノオ、久多菊、
白リンドウ、小海老草、祇園守りを入れました。
茶道口から床前へ廻ると、庵主様が丹精した花たちがイキイキと活けられて、
茶室は秋の風情でいっぱいです。
「撫子」の花言葉は、「純愛、無邪気、貞節、思慕、女性の美」など、
女性的なイメージですが、他に「大胆、才能、快活」もあるそうです。
3人のお客さまには「才能、大胆、活発」がお似合いのようにも、
また「純愛、無邪気、貞節」もぴったりのようにも思われて、
しばし花の話題が飛び交いました。
そして、花の力で心なごみ、元気をもらった気がします。
釜の煮えがついてきたので、茶入を水指前に置き、
花台を引いて茶道口で挨拶し、戸を閉めました。
心を引き締め、いよいよ濃茶です。
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