今日(8月2日)は旧暦の7月7日、七夕の日です。
旧暦の七夕に合わせて茶事をしたい・・・と思いながら、
真夏の茶事を敬遠してなかなかできませんでした。
素敵なご縁に導かれて、7月30日に正午の茶事をしました。
7月30日に決まった時、迷わず七夕の茶事と決め、
古歌を愛でながら、御茶一服差し上げたく・・・とご案内しました。
ひととせに一夜限りの七夕の
逢いみん秋の限りなきかな (紀貫之)
茶事の趣向を考えるのは亭主の楽しみですが、
主人の故郷(愛媛県西予市)の七夕のように笹飾りをしたいと思いました。
愛媛県内子町の七夕かざり
京都ではどこへ行ったら笹が手に入るのかわかりませんで、
近所の花長さんへ相談すると
「幼稚園などでは7月7日に七夕をするので今は笹が市場に出ません。
でも心当たりがあるので聞いてみましょう。少しお待ちください」
数日後、笹が入手できると電話が入り、一安心です(いつもありがとう)。
当日、お二人のお客さまがいらっしゃいました。
冷たい麦茶とおしぼりで道中の暑さをねぎらいます。
待合にもう一つの「七夕かざり」の軸を掛けました。
京都で入手した明治初期の木版画を表装し、嬉しい初使いです。
玄関の「灑雪庵」の額
ご挨拶では、南坊流をお習いしている先生方をお招きできた喜びを
お伝えし、不思議なご縁に皆で感じ入りました。
のちほど薄茶でお点前を披露していただく予定です。
本席の床は「滝 直下三千丈」、紫野黄梅院・太玄和尚筆です。
力強い字に水量多い雄大な滝を思い浮かべます。
尾瀬 三条の滝
唐の詩人・李白の「廬山の瀑布を望む」という大好きな詩を
滔々と詠みあげるつもりが・・・なんと!2行目が出て来ません。
(何度か読んでいたので覚えていると思い込み・・・稽古が足りん!)
しどろもどろで・・・少し思いだして、「滝 直下三千丈」のあとに
「銀河横九天(ぎんが くてんによこたう)」が続き、
対句になっていると申し上げました(どっと汗)。
望廬山瀑布 李白
日照香爐生紫煙
遙看瀑布挂前川
飛流直下三千尺
疑是銀河落九天
(読み下し)
廬山の瀑布を望む
日は 香爐を 照らし 紫煙 生ず
遙かに看る 瀑布の 前川に 挂くるを
飛流 直下 三千尺
疑ふらくは 是れ 銀河の 九天より 落つるかと
旧暦の七夕の茶事-2へつづく