(庭の灯籠と井戸・・・貴重な1枚)
(つづき)
風炉になると、準備が大変!
灰を細かな篩でふるい、風炉に底土器を置き、灰を入れ、五徳を据えます。
釜を選び、釣り合いを見てから、心を正して初めての灰形をつくります
・・・そんなことを思いながら、初炭手前を拝見しました。
小振りの風炉は大樋焼五代・勘兵衛造、
釜は越前芦屋の霰真形釜、霰の先端が摩耗し、
文様(桔梗)の一部が抜けていて、時代を経た味わいに魅せられます。
越前芦屋釜は室町から桃山に盛んに造られたそうですが、
この釜の湯で御茶を頂くのですから、古釜好きの血が騒ぐというものです。
半年ぶりの風炉初炭手前が新鮮でした。
ご亭主はさらさらと点前を進め、炭を置いていきます。
香合を拝見すると、四方錫縁の漆器で江戸時代の作とか、
蓋表に迫力ある波頭と蛇籠の蒔絵がありました。
お香は白檀でしょうか・・・はつなつの爽やかな薫りです。
お菓子が運ばれました。
手付の菱形重の内にも波文様があり、うず潮で名高い鳴門海峡がすぐ近くです。
菓子銘は「落し文」、海峡を渡った徳島市の富士屋製です。
黒餡を白餡で包み、緑色の葉にくるまれて虫の卵らしきものが1つ・・・。
美味しく頂戴し、腰掛待合へ中立しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/77/afafd0d56a1eca73c414de9ddd4c3864.jpg)
(京都市・今熊野神社の大楠)
クスノキでしょうか、
隣りの神社に聳えたつ大木を背景に緑の庭が広がっています。
若葉から紅葉している楓があり、Sさまが「野村モミジ」と教えてくれました。
七つ打たれた銅鑼の響きに心を寄せ、後座の席入です。
床にシマアシと白の華鬘草(鯛釣り草とも)がすっきりと生けられ、
花入が魅力的でした。
形は扁古のようでもあり、ガラス、それとも陶器かしら?
あとでイギリスの女流陶芸家・ルーシーリーの作品と知りました。
暗い中に杢目が水面の輪のように現われて来る敷板も魔法のよう、
不思議なサプライズのある空間でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/4e/bf23f84954789d429566ba56fe5f8fb1.jpg)
(御神木・・・今熊野神社大楠)
茶碗が運ばれ、濃茶点前が始まりました。
水指は瀬戸一重口、不識を思わせる、どっしりとゆるぎない佇まい、
初茶事の際に購入したという思い出の水指でした・・・。
茶杓が大きく、茶入の蓋に持たせかけて置かれました。
茶碗に茶杓を渡し、三杓掬いだし無しで、茶入をまわして茶が入ります。
十分に練られた濃茶を美味しく頂戴しましたが、
5名分には茶の量が少ないように思い、少々遠慮を・・・。
茶銘は奥西緑芳園「慶雲」です。
濃茶の茶碗は黒楽、
長次郎を思わせる茶碗でしたが、宗味窯とのこと。
お尋ねすると、長次郎の死後、工房を引き継ぎ、守っていた楽焼の
職人たち(田中宗味を含む)の作を総じて宗味窯というそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/4f/3be172ec9f89d97cc879846d9aff2034.jpg)
(京都市・大田神社の杜若)
拝見をお願いし、もうびっくり!でした。
茶入は古瀬戸肩衝、仕覆は金剛金襴です。
茶杓は、ほっそりした茶入と対照的で大きく、初めて見る形でした。
白竹でしょうか、舟の櫂を思わせる荒々しい形に削られています。
とてもインパクトがあり、超モダンにも見える茶杓でした。
これだけ大きいと、掬いだし無しもうなづけます。
茶杓銘は「幾千代」(ええっ!これが・・・)
光格天皇が削った茶杓「幾千代」を玄々斎が写しを何本か削ったそうで、
そのうちの一本、もちろん本歌です。
のちほど玄々斎自筆の筒(竹を二つに割って、中に墨書)も見せて頂きました。
4月のS先生の稽古で和巾があり、茶杓「幾千代」も話題に出ていたので、
とても嬉しい実物とのお出会いでした(ご亭主さま、アリガトウ!)。
幾千代にこの茶事を忘れることはないでしょう・・・。
淡路島・初風炉の茶事-3へつづく 1へ戻る
(つづき)
風炉になると、準備が大変!
灰を細かな篩でふるい、風炉に底土器を置き、灰を入れ、五徳を据えます。
釜を選び、釣り合いを見てから、心を正して初めての灰形をつくります
・・・そんなことを思いながら、初炭手前を拝見しました。
小振りの風炉は大樋焼五代・勘兵衛造、
釜は越前芦屋の霰真形釜、霰の先端が摩耗し、
文様(桔梗)の一部が抜けていて、時代を経た味わいに魅せられます。
越前芦屋釜は室町から桃山に盛んに造られたそうですが、
この釜の湯で御茶を頂くのですから、古釜好きの血が騒ぐというものです。
半年ぶりの風炉初炭手前が新鮮でした。
ご亭主はさらさらと点前を進め、炭を置いていきます。
香合を拝見すると、四方錫縁の漆器で江戸時代の作とか、
蓋表に迫力ある波頭と蛇籠の蒔絵がありました。
お香は白檀でしょうか・・・はつなつの爽やかな薫りです。
お菓子が運ばれました。
手付の菱形重の内にも波文様があり、うず潮で名高い鳴門海峡がすぐ近くです。
菓子銘は「落し文」、海峡を渡った徳島市の富士屋製です。
黒餡を白餡で包み、緑色の葉にくるまれて虫の卵らしきものが1つ・・・。
美味しく頂戴し、腰掛待合へ中立しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/77/afafd0d56a1eca73c414de9ddd4c3864.jpg)
(京都市・今熊野神社の大楠)
クスノキでしょうか、
隣りの神社に聳えたつ大木を背景に緑の庭が広がっています。
若葉から紅葉している楓があり、Sさまが「野村モミジ」と教えてくれました。
七つ打たれた銅鑼の響きに心を寄せ、後座の席入です。
床にシマアシと白の華鬘草(鯛釣り草とも)がすっきりと生けられ、
花入が魅力的でした。
形は扁古のようでもあり、ガラス、それとも陶器かしら?
あとでイギリスの女流陶芸家・ルーシーリーの作品と知りました。
暗い中に杢目が水面の輪のように現われて来る敷板も魔法のよう、
不思議なサプライズのある空間でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/4e/bf23f84954789d429566ba56fe5f8fb1.jpg)
(御神木・・・今熊野神社大楠)
茶碗が運ばれ、濃茶点前が始まりました。
水指は瀬戸一重口、不識を思わせる、どっしりとゆるぎない佇まい、
初茶事の際に購入したという思い出の水指でした・・・。
茶杓が大きく、茶入の蓋に持たせかけて置かれました。
茶碗に茶杓を渡し、三杓掬いだし無しで、茶入をまわして茶が入ります。
十分に練られた濃茶を美味しく頂戴しましたが、
5名分には茶の量が少ないように思い、少々遠慮を・・・。
茶銘は奥西緑芳園「慶雲」です。
濃茶の茶碗は黒楽、
長次郎を思わせる茶碗でしたが、宗味窯とのこと。
お尋ねすると、長次郎の死後、工房を引き継ぎ、守っていた楽焼の
職人たち(田中宗味を含む)の作を総じて宗味窯というそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/4f/3be172ec9f89d97cc879846d9aff2034.jpg)
(京都市・大田神社の杜若)
拝見をお願いし、もうびっくり!でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyob_hat.gif)
茶入は古瀬戸肩衝、仕覆は金剛金襴です。
茶杓は、ほっそりした茶入と対照的で大きく、初めて見る形でした。
白竹でしょうか、舟の櫂を思わせる荒々しい形に削られています。
とてもインパクトがあり、超モダンにも見える茶杓でした。
これだけ大きいと、掬いだし無しもうなづけます。
茶杓銘は「幾千代」(ええっ!これが・・・)
光格天皇が削った茶杓「幾千代」を玄々斎が写しを何本か削ったそうで、
そのうちの一本、もちろん本歌です。
のちほど玄々斎自筆の筒(竹を二つに割って、中に墨書)も見せて頂きました。
4月のS先生の稽古で和巾があり、茶杓「幾千代」も話題に出ていたので、
とても嬉しい実物とのお出会いでした(ご亭主さま、アリガトウ!)。
幾千代にこの茶事を忘れることはないでしょう・・・。
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