暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

淡路島・初風炉の茶事-1

2014年05月13日 | 思い出の茶事  京都編
               京都・等持院にて(・・・写真がないので)

5月9日、、淡路島のT氏より初風炉の茶事へお招き頂きました。
昨年12月に続いて二度目ですが、もう一度風炉の時期に伺いたい・・・
というリクエストに応えてくださったのでした。
・・・それで責任上、その場で正客のお役を受けることになり(汗!)、
相客はOさま、Sさま、Kさま、K氏でした。

待合に達磨大師の水墨画が掛けられていました。
無駄のない衣の筆さばきの妙、こちらを向いている眼光が鋭く、
立っている達磨大師です。
「惺・・? う~ん、どなたの御作かしら?」
名前が読み取れなかったので、後の楽しみとしました。

明時代の赤絵汲出しで、甘茶を戴きました。
ご亭主は真言宗寺院の若住職です。
本堂にお詣りすると花まつりの設えがあり、お釈迦様に甘茶をお掛けしました
・・・こちらの花まつりは月遅れだそうです。

前回とは違う広間へ席入すると、八畳でも棚を使用せず、
古釜と風炉だけが空間を占め、シンプルで清々しい初風炉の設えです。

挨拶の後、達磨画についてお尋ねすると、
なんと!松花堂昭乗の画でした。
4月に八幡市松花堂庭園の「史跡 松花堂」を訪ねたばかりだったので、
とても嬉しく、侘び茶の原点のような草庵茶室を思い出しました。

              
                     松花堂昭乗(さん・・・だと思う)
本床のお軸は
「一華開五葉」
一休禅師を思い出させるような、迫力のある爽快な書は、
黄檗宗万福寺五世・高泉性とん(こうせんしょうとん)の書でした。

「一華開五葉(いっか ごようを ひらく)
 結果自然成(けっかしぜんになる)」
印度より中国に禅を伝えた「達磨大師」が、
弟子の慧可に自分の教えを伝えるために与えた伝法の偈の一節で、
「心華が開けば(仏性に目覚めると)やがて自然に仏果菩提の実を結ぶ」
ということでしょうか。
待合でお逢いした達磨大師の眼光鋭いお顔が脳裏に浮かびます。

              
                   京都市蹴上浄水場のつつじ

でも、ご亭主は穏やかに門外漢の私たちにも解り易くお話を進め、
手づくりの懐石を運び出してくださいました。

一文字は少々アルデンテでしたが、
私たちは高野山から朝届けられたという、絶妙な胡麻豆腐、真蒸の煮物碗、
しっかりしたお味の白和え、トマトの冷菜、淡路島特産のコノコなどに
舌鼓を打ちながら、見事に完食しました(御馳走様でした・・・)。
                                   

           淡路島・初風炉の茶事-2へつづく

             

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