4月29日に灑雪庵にて「京都の春を惜しむ茶会」をいたしました。
当ブログ「暁庵の茶事クロスロード」が100万頁を達成した記念茶会で、
応募してくださった方々を灑雪庵へお招きしました。
100万頁達成はとても嬉しいことですが、
酒呑みが何でも口実にして酒を呑むように、茶会を催す口実でもあります。
昨年の秋の茶会がとても楽しかったので・・・。
お忙しい中を東京都からSさまとMさま、京都市からTYさま、福井県からFさま、
枚方市からKさまが参加してくださり、心から感謝しております。
ところが、茶会1週間前に転んで(もうドジ!)、お岩さん状態は脱しましたが、
左ほおの擦り傷があざのような塊になりました。
当日までに何とか治りますように・・・鏡を見ながら祈る毎日でしたが、
朝起きると、最後の親指大の塊が取れていたのです。
「ヤッター! 」
腫れはありましたが、すっきりした心地にて臨むことができました。
待合にすっきりと「杜若」(栖鳳画)
当日は予報通りの雨、
・・にもかかわらず、全員が素敵な着物でいらっしゃいました。
これだけでもう大感激で、嬉しくご挨拶を交わしました。
灑雪庵・秋の茶会に続いて参席してくださった方、
横浜・長屋門公園ひな祭り茶会以来の懐かしいお顔、
黒紋付き袴姿で初めて馳せ参じくださった若武者、
京都で初めてお友達になったTYさまもいらしてくださって、
ずっ~と話していたいような・・・。
床のお軸は「無事」、生駒山・宝山寺実道和尚の筆です。
・・・今日は「ぶじ」を「ふじ(藤)」と読んで、
紫色の藤が一房、掛けられている・・・と。
香盆を運び出し、Mさまにお香をお願いしました。
香炉の火相はとても微妙なので心配していると、好い薫りが漂ってきて一安心。
香銘は「惜春」、はや去ってしまう京の春を惜しむ気持ちを託します。
「ふじ」のお軸を中央に、4つの花入に思い思いの花をいけて頂きました。
花は近所の花長フローリストさんで揃えたものです。
Sさまは、白い撫子、アスチルベ(升麻に似たピンクの花)、ハランを
白ガラスの花入(スェーデン・Kosta Boda製)へ。
Fさまは、利休草、レースフラワー、雪起し(クリスマスローズ)を
ガラス花入(中尾羊古作、銘「もの想い」)へ。
TYさまは、宝鐸草 (ほうちゃくそう)、ベルテッセン、都忘れを
小鹿田(おんた)焼の白釉花入へ。
Kさまは、アザミ、宝鐸草、都わすれ、ハランを賀茂川籠(又みょう斎好)へ。
自然光のなか、清雅な春野の雰囲気が漂いました。
一人一人心をこめて生けられた花もまた春を惜しんでいるようです。
初炭手前では早く煮えがつくように考えて、炭を置きました。
香合は赤絵宝珠香合、京焼の岡本為治作です。
香は山田松香木店の「玄妙」、最近知り、好きになりました。
主菓子をお出しし、いよいよ濃茶一服差し上げます。
京都の春を惜しむ茶会-2へつづく