
【山雲】 東山魁夷 唐招提寺障壁画
「山雲」は、高山から白川郷を経て向かった天生峠で見た光景です。(東山魁夷)
雨が止み、渓から舞い上がる霧が変幻する天生峠。素晴らしい光景に、画伯は遭遇します。
「その光景は、何ともいえないほど神秘的で、一気に、心が捉えられました。
と同時に、どこからともなく、「ここを描け」という声が聞こえました。」(と後の画伯の話)
「日本に到着した時には、既に、視力を失っていた鑑真和尚。
是非、鑑真和尚に見て頂きたいと思った日本の美しい「山」の光景、それが「山雲」です。」(とも話す画伯)
『山雲』は・・
鑑真和上の「不屈の精神」と東山画伯の「真摯な生き方」とが見事に共鳴し合って完成された、「心」の結晶の作品。と云われているそうです。
昨日のブログに記載させて頂いたとおり・・
唐招提寺:律宗の総本山の創始者・鑑真和上の御影堂の襖に描かれた・・東山魁夷画伯の障壁画を見てきました。
日本画家の中でも・・
東山魁夷画伯と平山郁夫画伯が大好きです

追っかけをしています。両者の、あちこちの、美術館訪問です。
昨日は・・
鑑真命日。年に一度の、鑑真和上の唐招提寺御影堂の開堂日。つまり、東山魁夷画伯の御影堂障壁画の見学日。でもありました。
『追っかけ』の名誉に掛けても、御影堂障壁画を見に行ったというわけでございます。
年に1度のチャンス。忘れることなく、毎年、訪れたい。
見る私の心が、どのような成長を遂げているかも楽しみ。見る目も変わるはずです。
唐招提寺の隣は・・
薬師寺。
薬師寺といえば・・
平山郁夫画伯の『薬師寺大唐西域大壁画』←こちらも見てまいりました。何度目かの訪問です。
唐招提寺と薬師寺。
東山魁夷画伯と平山郁夫画伯。二人の巨匠・画伯。
同日に、大好きな二人の画伯の絵に出合った昨日です。両者の違いがよく分かりました

昭和45年(1970年)
東山画伯は、唐招提寺の森本孝順長老から、障壁画の揮毫を頼まれる。
画伯は、そのテーマ決定に、熟慮に熟慮を重ねました。
画伯が決めたテーマは、鑑真和上が見ることの出来なかった、「日本の美しい山と海」。
それ以後、日本各地にスケッチの旅に出掛けました。スケッチの数は200を超えました。
昭和55年(1980年)
10年の歳月をかけ・・唐招提寺の障壁画は完成されました。
『海』

画伯は、今回は、本州北端の竜飛崎からスタート。
そして日本海沿いに南下し、各地で良い海景を見つけてはスケッチを重ねました。
『山霊湧雲』

『山霊湧雲』を描く心境を・・東山魁夷画伯は、詩にした。
「峠の道を、いま私は登って行く。
雨が上がり、霧が湧き昇ってくる。
山々は紺青の渋い色調に統一され、
遠くには灰色にぼかしこまれて
おぼろげな輪郭を示している。
谷を蔽い、峠をかすめて漂い流れる霧。
怪奇な様相となって枝を広げる近景の樹々。
見る見るうちに全ては空漠とした「無」の中に没し去る。
淡色の濃淡による墨絵のような 夢幻と神秘の諧調。
突然、思いがけない空間に、
山頂だけがくっきり青く浮かび上がる。」
『黄山雨過』

「鑑真和上の故郷を描く」ことを、第二期障壁画作成のテーマに決めた画伯。
昭和51年、52年、53年と3回中国を訪れる。
『黄山』への旅は、3回目の訪中で実現。
72の峰が連なっている黄山の群れ立つ石峰を目の当たりににした画伯。
「感嘆の連続だった。」「神が残した空想の世界のように映った。」と画伯。
鑑真和上の・・
宣教と日本を思う『慈愛の心』
東山魁夷の・・
鑑真和上を尊敬し敬愛する気持ちから、目が見えない鑑真が見えることを信じて、鑑真が見たいであろう日本と故郷・中国の景色を描く『慈愛の心』
二つの『慈愛の心』が合体する『唐招提寺障壁画』
「鑑真和上の「不屈の精神」と東山画伯の「真摯な生き方」とが見事に共鳴し合って完成された、「心」の結晶の作品。と云われている。」のが納得できます。
二人の・・1240年ほどを隔てて・・『通い合う心』の話です。すばらしい。
二人の心を思い巡らしながら・・
緑濃く、静寂の唐招提寺を歩いていると・・私の目から涙


鑑真和上と東山魁夷の、心の交流の真実さと美しさに、感動する。 涙


長くなったので・・平山郁夫画伯の『薬師寺大唐西域大壁画』は、明日。
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今日(7日)のトライアスロン練習
ラン

早朝・・着替えて家をでれば・・雨

出足を折られました。雨がやんだ午後。走る気持ちになれません。
水泳

15mの小プール。10本の輪ゴムを腕にはめ・・往復すると1本の輪ゴムを左手から右手に移動。
往復回数を間違えません。昔からの私の方法。今日も40往復。一回も立つことなく連続。30m×40回=1,2km
自転車

坂を”うん!うん!”と私


”わたしゃ!トライアスロンの練習中!”とは言えないしね。馬鹿みたいに見えてるでしょうね



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