WALKER’S 

歩く男の日日

北の国から

2024-05-22 | 日記

 北海道の知り合いのお遍路さんから葉書が届いた。この春のトリプルお遍路のねぎらいの便り。最後に「笑顔いっぱいです」という言葉があった。これ以上の誉め言葉はありません、本当にありがたいことだと感じ入りました。お遍路を始めて何年か経ったときに人を笑顔にする歩きができたらなあと、だいそれたことを考えたことがある。四国を何回か巡ると自分の歩きに何らかの意味を持たせたくなる。そういう欲があるうちはまだまだお遍路として半人前以下だと判ってくるのは赤札を持つようになってからだろうか。銀札の先輩お遍路さんから欲を持つのは何も悪いことではないよとアドバイスを受けたことがある。でも欲深くなってはいけないと事あるごとに自分を戒める。その境をどのあたりに置くかは難しいところ。
 この4~5年は出会った人たちの笑顔を見ることが何よりうれしく楽しいことだと感じるようになっている。1日40kmも歩くのはそういう笑顔に出会うためだとはっきり意識するようにもなった。ぼくの歩きそのものだけでは笑顔は作れないにしてもそれ以外のことでは何人かの笑顔を見ることができる。こういう体験ができるのは本当に四国だけ。スペインでは絶対に無理だと思う、トラブルに立ち向かってそれを楽しめるくらいの人でないとカミーノは難しい。焼山寺で知り合った奈良のご夫婦が今3回目のスペインを歩いているけれど、ほんとにすごいと思う。誘われたりするけれど到底まねできない。コミュニケーションがとれないとどうにもならないし笑顔を生むどころか逆に沈んでいきそうでしかない。
 四国では楽をすることしか考えていない。そのために宿の予約は全部四国に入る前に済ませてしまう。宿の心配があると無邪気に歩きに専念することなどできない。自分が心から楽しんでいないと人を笑顔にすることなどできない。多くの笑顔に出会うために余裕をもって楽に歩かねばならない。

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