万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

無意味な日韓フォーラムの共同声明

2013年08月25日 10時34分28秒 | アジア
日韓フォーラム、首脳会談促す共同議長声明発表(読売新聞) - goo ニュース
 昨日ソウルで開催された日韓フォーラムでは、頓に悪化した日韓関係の改善を目指すべく、村山談話や日韓共同宣言の意義を再確認すべきとの共同声明を発表したそうです。しかしながら、村山談話と日韓共同宣言そのものが対立の争点でもあるのですから、この共同声明は、無意味なのではないかと思うのです。

 村山談話については、そもそも、日本国の朝鮮半島統治を”植民地支配と侵略”と認識しているところに間違いがあります。日本国は、1910年の併合条約を以って大韓帝国を併合しましたが、この条約は、国際的にも承認されております。また、日本国は、朝鮮半島に対して、防衛、インフラ整備等の殖産興業事業、治安の維持など、基本的な統治機能を提供しており、経済的な搾取や隷属化を敷いたわけではありませんでした。政治的権利に関しても、日本国内に居住する朝鮮籍の人々に対しては参政権が付与されており、朝鮮人の帝国議会議員も誕生していたのです。こうした形態は、”植民地と侵略”と表現することには疑問があります。現在の国際社会の原則からしますと、民族自決権を損なったことのみが、問題となりますが、1910年という時代を考えますと、致し方ない面があります(民族自決権が、国際社会の原則として具体的に意識されるようになるのは、1918年のウィルソン大統領の「平和14か条」以降…)。
 また、未来志向で合意したとする日韓共同宣言も、韓国の”前近代化政策”と”過去の賠償問題の蒸し返し”によって、なし崩しになっております。韓国の司法は、近代司法制度の原則を否定していますし、しかも、韓国が日本国に対して”過去の直視”を要求した結果、日本国民の多くが、韓国による日本に対する非道な加害行為を知るところとなりました。今や、両国間の感情的な対立は、修復不可能な段階に達しています(本来、加害側の韓国が、日本人に対して怒るのは筋違いなのですが…)。

 村山談話に戻れと主張しても、日本国内では、逆に反感が強まるばかりとなりますし、日韓共同宣言を尊重せよと説得しても、韓国人の国民性を考えれば、韓国側が、不当な対日要求を引き下げるとは思えません。日韓基本フィーラムのメンバーは、表面を取り繕うような弥縫策では解決できない段階に来ていることこそ、認識すべきと思うのです。

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コメント (4)
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