万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国は植民地主義と闘ったことがなかった

2013年08月15日 15時43分08秒 | アジア
「アジアへの反省」触れず=戦没者追悼式で首相式辞―68回目の終戦記念日(時事通信) - goo ニュース
 本日、終戦から68年目の記念日を迎え、日本武道館でも、政府主催の戦没者追悼式典が開かれました。追悼式での安倍首相の式辞において、”アジアへの反省”がなかったことが注目を集めているようですが、先の戦争が、アジア諸国に植民地解放の機会を与えたことは、否定し難い事実です。

 靖国神社参拝にも反対している中国のことですから、この式辞にも不満なことでしょう。ところで、中国の歴史を振り返りますと、植民地解放のリーダーとなった経験がないのです。自国の植民地化に対しては抵抗を示し、共産主義拡大のために軍事介入したことはあるものの、他のアジア諸国の植民地支配に対して、その解放のために武器を手にした歴史がないのです。否、東南アジア諸国では、華僑の人々が、宗主国側に寄り添い、”中間管理職”の立場で現地の人々の支配に協力していました。大東亜共栄圏構想に対する批判はあるものの、唯一、日本国は、戦争の大義に”植民地解放”を掲げ、真正面から欧米諸国に戦いを挑んだのです。戦いには敗れたものの、日本占領下において実施された現地軍の創設や軍事訓練によって、アジア諸国は、戦後、自らの力で植民地解放を勝ち取ります(インドネシアでは、現地に残り、独立戦争に参加した日本兵も存在した…)。アジア諸国の自由と独立のために戦うことがなかった中国は、自らの歴史観に基づいて”侵略戦争”と書かれた一枚のレッテルを張り、日本国を糾弾しているのです。しかしながら、中国は、アジアのために血を流したことはあるのでしょうか(今では、自らチベットやウイグルを植民地化している…)。

 遠く日本を離れ、大義を実現するために、アジアに散った日本の益荒男達。戦争に勝利したとはいえ、植民地を失った欧米諸国、そして、植民地解放に積極的な役割を果たせなかった中国にとりましては、先の戦争は、否定すべき、忌々しい記憶に過ぎないことでしょう(もっとも、戦後、国際社会が、主権平等と民族自決を基調とした現在の国民国家体系にたどり着いたことは、幸いであると思う…)。諸外国から”罪人”扱いされていればこそ、せめて日本国だけは、先の大戦に尊い命を捧げられた方々の御霊を悼んで、祈り続けなければならないと思うのです。

 戦没者を悼んで…

  父母を 思ひて異郷に 果てるとも 今宵は御霊も 大和に還らむ


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コメント (4)
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