ゑの巣

ここでは管理人個人の日々の妄言、妄想、創作などを世に晒しています。ごゆるりと。

煮るか焼くか

2012年09月02日 23時46分49秒 | Weblog
夜中に微かにショリショリという音が。厳密にはサリサリとチャリチャリの
間の音であるが、ともかく元は小豆洗いではない。この気配はGの字である。
床に散乱した空き缶が、誘引物質となっていながら、探知の役割も
同時に果たしているのである。実際、これによって発見の機会はかなり
増した。寄って来ているだけなのかも知れないが。

そしてその空き缶が捕獲トラップとしても機能する事になるとは、さすがに
思わなかった。
果たしてGの字の生け捕りに成功してしまった。白状すると、少し嬉しい。
さて、体よく捕獲したはいいが、問題はそのあとの処分である。
ほぼ反射的に缶の口へ消毒用アルコールをスプレーしたが、その後
缶を密閉してから、成すすべが思い当たらなくなった。

普通に放置でもいいが、無用の苦痛を与える事は主義に反する。
そもそも奴に対しての恨みなどは無く、目に映るのが不快だから始末する
という不快害虫と人とのどうしようもないルールに遵うべきなのだ。
つまり取るべき道は、広い場所で解放し、すぐさま踏み潰すというのが
妥当と判断された。
そこまで考えながらも、結局は次の日にやれば良かろうという事で、
放置したまま眠りについた。捕獲した缶はカリカリとうるさいので、
玄関に置いた。

朝になり、捕獲したものを改めると、反応がない。振ってみると、物体の
存在は確認できたので、おそらく酸欠かアルコールの為にあっさり逝って
しまったのだろうと思われる。人に置き換えれば、ウオッカを満たした
風呂のある密室に閉じ込められたようなものなのだから、考えてみれば
無事で済むわけがない。取り立てて後悔はないが、差し当たっては
この缶の後始末をどうしたものか。

そして気のせいか、まだ小豆洗いが去っていないような…。
コメント
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