出すためにやっている

一部の世間で何かと話題になっているリメイク版『ドラクエ3』の戦士の
デザイン変更であるが、コンテンツの解像度が上がった昨今、これまでに
布かれた法規制の網にかかりやすくなるという現実を示す一方、もう少し
何とかならなかったのかと思われてならない。

制約はデザインにおいて地面のようなもの。なければ良いというものではなく、
これによってデザインは骨を得て肉を持つものであるから、変にごまかしたり
日和っているばかりでは貧弱になっていく一方で、しまいには影も形も重みも
失いかねない。
絵描きを名乗る以上、安全な場所も安穏の時もなく、常に戦場にある心地で、
持てる知恵、力、人脈を注いで事に当たらねばならないと考える。
今現在ある様々なデザインにおけるマスターピースも、先達の血のにじむような
戦いの末に生まれたものであって、これはもはや歴史の営みと言って良い。

どんな制約にも穴はある。なければ人の生活はままならず、窒息するからである。
そんな穴を知恵と力でかきわけて、そこで己のパトスをとことんなまでに尖らせ、
炸裂させるのである。　折角描ける能力とそれを発揮できる場を与えられたのに、
そこでお出ししたものがこれなのか。これじゃないだろう？