家の中から

殆ど外出していない日々が続くが、そのような中で外界の情報を色々
見ていると、マスクせずに外出する人間はテロリストと変わらぬという
旨の暴論が一部にあり慄然とする。この状況下におけるマスク着用は
マナーであって、望ましいというレベルではあるが義務ではない。
喩えるならば、結婚式に私服で出席する程度のものと捉えていたので
あるが、ともかくネットの中の一部の神経質な人間が大声で叫んでいた
だけだったと思いたい。

個人的な考えとして、人間が残酷になれるのは『守るものがあるという
大義を持っている時』であって、今回で言えば"愛するもの（家族など）を
守るために云々"というのがそれに類するが、その場合危害をもたらし得る
存在を遠ざけるために、通常ではしないような極端な力を行使してしまう
ように思える。
守るために行動を起こすというのは間違いでも何でもなく、正当であるが、
往々にしてやり過ぎになる人が一定数いる。
曰く『殺意を向けられたら、そいつは殺して良い』くらいの極端な思想の
持ち主がいるということで、防衛のためのやむに已まれぬ暴力は是認
されるということを拡大解釈し過ぎている。

そうならないためにも物事の本質をしっかり把握し、目的と手段を弁える
ということを常に胸に置きつつ行動せねばならぬ。

海原を行くが如く

外出は深夜にコンビニへの買い出しの時のみ、という環境で、コンビニ店員
以外の他人と遭遇することなど殆どなくなったのではないかと思いきや、
大体コンビニに行くと何人かの他のお客が入ってくる。皆同じような考えなのか、
それくらいの頻度でコンビニには客が出入りするものなのか、その辺りは
分からないが、存外完全に他人と遭遇しないようにするのは難しいものだと感じた。

かような生活になって久しく、野菜が恋しくて仕方がない。そして曜日の感覚も
日に日に曖昧になっていく。まるで船に乗っているかのような心地である。
毎週金曜にカレーを食べるというのは元は海軍の習慣で、曜日の感覚を忘れない
ためにあるらしいが、正にその効能を信じて同じようなことをやっている。

備蓄していたレトルトカレーが尽きたので、そろそろ補充せねばならないが、
せっかくなので、今まで食べてこなかったものを選びたい。こんな生活を
していても、計算してみると普段の生活における出費よりもわずかに安く上がって
いるので、多少であれば贅沢も良かろう。

細きも太きも

最近の女の子の絵を見るに、昔と比べてふとましくなったと言うか、むっちり系が
増えた感がある。以前にも書いたが、胸も大きいに越したことはないと言わんばかりに
もはやヤケクソと思える程に盛られがちである。
グラビアアイドルや、アニメや漫画のヒロインの絵における体型的な嗜好の変化は
受け手の層の年齢の変化によるものなのか、世の中の景気の影響によるものなのか、
あるいはそれ以外の原因に拠るものなのか、つぶさに調べている訳ではないので
詳しくは分からないが、個人的には世の中に豊かさが失われてきた時に、これらの
存在が盛り傾向になると推測している。

個人的には華奢な子が好みなので、この風潮に対しては少々品を欠くと思ってはいるが、
色々大きかったり太かったりする子も描いている分には楽しいので、今の世の中の
流れにケチをつける気は特にない。
少年のような女の子や女の子のような少年についても、描いている分には楽しい。
基本的には思いつくありとあらゆるキャラクターを描くことは、嗜好などを抜きにして
どれも楽しいので、どんどん新しい扉を開けてくれるような、そんな存在を楽しみに
してやまない。部屋に籠っているような環境であれば尚更である。

当たり前が珍しい

プラモを作っていて、ふと普段よりも腹の減り方が緩やかになる事に気付く。
他にもゲームとかで往々にして集中の妨げになる尿意についても、比較的
緩やかにやってくるように思えた。ゲーム、と言うかモンハンは時折作り手の
わがままに振り回されるような所があり、そういった処で『冷める』のであるが、
プラモは基本的に全て自分の思うようにやれるし、当然自分の技術がそのまま出る。
失敗も下手くそも全て己のせいであるので、集中の質が違うのかも知れない。

あと、長らく二次元の、PCでの色塗りに慣れていたためか、三次元のものに
色を塗ることが大変な手間に感じられた。筆塗りで円柱をくまなく塗るためには、
何回筆を上下させねばならぬのか。
３～4回程度で行けると思いきや、その程度だと塗り残しが出てしまうから、
円柱状のパーツをむらなく塗るというのは意外に至難の業であった。特に透明度が
高く淡い色だとほぼ無理で、エアブラシがにわかに欲しくなる。
とは言え、エアブラシを使ったところで円柱をくまなく塗るには筆と同じ回数手を
動かさねばならぬであろうから、あまり変わらない可能性がある。

筆塗りって初歩的なようでいて実は難易度が激烈に高い気がする。特に最近は
エアブラシの使用を前提にしたかのようなプラモ用塗料が多く、瓶から直接筆塗り
しようとすると濃過ぎ、溶剤で薄めるとムラが出やすくなる上に泡立ちやすくなったり、
何とも使い勝手が悪い。昔から定番としてよく使われるプラモ用塗料（Mrカラー）は
偉大だったのだな、としみじみ感じる。

地固め

部屋にはプラモが比喩抜きで山を成しているので、自宅待機もまるで気にならず
気が付けば日が暮れるまでヤスリ仕事をしている。
思えば、プラモにおいて、パーツの接着前にはパーティングライン消し、バリ取り、
ゲート処理を行って、接着後は合わせ目消し、段差均し、下地処理という、地獄のような
地道な作業が横たわっている。ここからさらに塗装（の地塗り）という流れなのだから、
いかにハードルの高い趣味かというのが伺い知れる。

とは言え、気にしないのであれば適当にこなしても良い工程でもあり、小学生くらい
の頃まではパーティングラインは消さず、ゲートもニッパーで切ったまま、合わせ目なども
全く消さない、それどころか紙やすりや棒ヤスリをどこで使うのかまるで知らないという
ような有様であった。ただ、それでも完成には至っているので未完成品を徒に積み上げる
のに比べれば天と地との開きがある。
年を取り知識を得て、こういった下地作業をある程度やらないと気が済まなくなって
しまっているのは、果たして良いことなのか、悪いことなのか。

そして塗装に際して、要となる色の塗料がないことに気が付いて、Amazonで注文をと
思い探してみたら、品切れ状態になっており、同様の時間の使い方をしている人の多さに
感慨深い心地になる。不要不急の品なので発送を止めているという可能性もあるが。

終日ヤスリ仕事をやっていると心が仏に近づくようにすら思え、これはちょっとした
精神修養として成立し得る、と思ったが、いかんせん煩悩が多い身空ではすぐに他の
ものに手が伸びて行ってしまう。
さて、自宅待機が解けるまでに何体完成にまで漕ぎ着けられるか。

個々の楽しみ

意識して夜型の生活を改善しようとしても、ちょっと夜更かしするだけで
すぐに戻ってしまうという、おそらく身に夜型生活が染みついているのでは
なかろうかと感じる今日この頃。自宅待機なので諸々許されているのが幸いであるが。

そのような中、世間で広まりつつあるという『Zoom飲み』なるものを行った。
個人的にはこの手のツールやイベントにはとんと疎いのであるが、こういう催しが
大好きな友人がいるので、本当に有難い。
銘々スマホを介してウェブ会議よろしく酒を飲みながら話をするものであるが、
前日までに買いだめていた酒が早々に尽きてしまうほどに盛り上がり、しかし
居酒屋とは違い食べ物は隙を見て自前で用意しなければならないために
いきおいすきっ腹での飲みとなるために周りも早く、参加者の数人はかなり酔いが
回った状態であった。
しかし、思った以上にツールの使い勝手も良く、こういう形の飲み会もアリだと
感じた次第である。

話は変わるが、かように部屋に閉じこもるような生活が続く中で、来年冬くらいの
出生率が急激に上がったりしないかと思われてならない。
これを機に少子化が少し緩和されたり…はしないか。

○○大明神

絶賛自宅待機中の身空であるが、窓から外を眺めると存外に人の往来が多く、
しかも単独行動ではない人がそれなりにいるような状態で、自宅待機令は夢だった
のではあるまいかと、メールを再確認する今日この頃。
自宅に引きこもるのはさして苦にならないが、そろそろ野菜と果物が恋しくなって
きたので、どうしたものかと考える。

方々で令和の世になったことに疑問符を付けたくなるような、人々の時代錯誤的
行動が取り沙汰されているが、『アマビエ』なる妖怪を描いて疫神を退けようとする
動きに関しては、誰も損をせず、文化的に興味深いこともあって"有り"だと感じる。

絵を描いたり、シンプルな護符を自前で用意して疫神を退けようとするこれらの
行動は、調べてみるとかなり昔から、多くのバリエーションを伴って為されており、
『目に見えない脅威』に対して、潜在的な感情がより強く喚起されたのではなかろうか
と考えると、大変に興味深い。
そして、往々にしてこういった行動を繰り返すと、さまざまな伝承がまぜこぜになり、
別のまた新たな神格が誕生したりする。件のアマビエも元は『アマビコ』だったとする
説もあるが、今回もこうして話が広まっていく過程で伝言ゲーム的に原型を留めなく
なるという可能性はある。

かような状況下で疑似科学や不確かな情報に踊らされる人が一定数いる中、
本当に"神頼み"を行う人があまり取り沙汰されないのは、少々意外と感じる。
現代人の感覚として宗教＝胡散臭いという式が成り立っているせいであろうか。
しかし、疑似科学やおまじないに縋る心理は、神への信仰（宗教）とそこまで
大差ないと、当の本人たちは気が付いているのだろうか。
そして、信仰やおまじないにしても基本的に作法というものは存在するので、
その辺も気を配りつつ、正しい知識を持って冷静に望みたい。

穴があく

そうなればいいなと思っていたものが、実際に実現してしまうと却って困惑する
という、長期の自宅待機が言い渡された今、そんな感覚をまさに味わっている。

幸いにして自宅で出来ることは有り余るほどであるのだが、生来の怠け癖と
物事を後に後にと押し込む癖が染みついた身空では、どこまで有意義にその期間を
過ごせるのか正直自信がない。ひとまず会社および社会的には他人との接触を
主とした感染リスクを最小限に留めるというのを目的に据えているため、最小限の
外出を順守していれば最低ラインは維持出来ていると言えなくもない。

しかしながら、自分の身の回りのみならず、方々でスケジュールに穴があきまくっている
状況で、完全に一月余りが失われた状態になってしまっている。
そんな状況でもあるので、なるべく個人としても失われた期間とならないよう、何かしら
有意義に過ごす手立てを見出さねばならぬ。無論、この家の中で出来ることに限定で。

迷うだけにしたい

色々と急激に移り変わる世間の様相に、上も下も、右も左も混乱を極めている
かのような状態であるが、モラルとリテラシーを持って乗り切っていきたい。

そんな最近は、物を買うにも混みがちなスーパーやドラッグストアはなるべく避け、
深夜のコンビニで賄うようにしている。近所のコンビニは飛沫感染対策としてか、
レジに透明ビニールのカーテンが下りていて、よく考えるものだと感心する一方、
絵に描いたようなディストピア感に『おいおいマジかよ…』という気持ちも沸いてくる。

なお、予想はしていたものの、やはりどうしても心がささくれていくので、何か楽しい
気持ちになるようなものをコンビニには重点的に置いてもらいたいと願ってやまない。
暇だからって『モンハン』をやると余計に心がささくれて、本当に色々な所に良くないので、
少なくとも娯楽に関してはストレスの少ないものを意図的に選択していく必要がある
と感じた次第である。

財布は緩みがち

一万円を超えて、ついに大台か…と思ったのがまるでつい最近のことの
ように思える、昨今値上げ著しい完成品フィギュアであるが、気が付けばもう
三万円の域にまで達しつつあった。
買うものを厳選するようになったこともあり、先月は新規で買ったものは無かった
が、やはり欲しいものは欲しく、買う数を減らしたところで値上げ幅の方が大きく、
突き詰めて計算するまでもなくマイナス収支となり、頭を悩ませる。

定期的に発生していた趣味のための支出に、神羅万象チョコがかつては存在して
おり、その分が使えるのではないかとも思ったが、神羅万象で浮くのは年間
精々5～6万円程度、つまり月換算で5千円以下であり、フィギュア購入にあたっては
通常版を限定版にする程度の額にしかならない。

改めてフィギュアが金持ちの趣味であることと、神羅万象がお得な趣味であったことを
思い知らされる結果となった。溜めていても仕方なく、このご時世外出、ましてや旅行など
出来ない状態なので、使っておくのも悪くはないのかも知れないが、元に戻った時に
その金銭感覚のままでいるとひどい目に遭いそうなので、趣味への投資は程々と
することにする。