自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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老方上手 10  仏教の教え

2021-03-12 06:02:29 | 推薦図書


仏教に関して、これまで漠然と、「変だなぁ~」と私が思ってきた疑問が
この本に解説されていたので、長くなりますが、書き写しておきます。

p.229 仏教のお葬式で行われていること

   まず没後作僧(もつごさそう)というものを行う。
   (理由は)私たちは、日ごろから仏教徒ではない人が多いので、
   「没したあと、僧になる」、すなわち仏弟子になること。

   はじめから仏弟子として意思表示をして、戒名をいただいていれば
   いいのですが、日本人の多くは、死んだあとすぐに授戒し、
   仏弟子になった証拠として名前をいただきます。

   キリスト教でいえばクリスチャンネーム、仏教では戒名(法名)、
   ブディストネームです。そして仏弟子になってあの世に送り出される。

   それをやるのは仏教の僧侶です。導師ともいわれプロとして、 
   使者に対して「この世に未練を持つのではないですよ」とさとして、
   十万億土の極楽浄土に送り出します。

p.230 ですから、お坊さんが失敗でもしなければ、
   ほんらいお盆になんか死者が帰ってくるはずがない

   仏教が入ってくる前の日本古来の民間信仰の中に、
   「霊肉分離」という考え方があります。
   霊魂と肉体は別のものだという考え方です。

   (中略)(慈しんできた人間が亡くなったとき)哀惜の情と、
   肉体の死後変化(腐敗)に対する嫌悪感が同時に起こります。
   この二律背反の感情を昔の人たちは(中略)どう決着をつけたかというと

   (子供の死の場合)愛しい我が子の魂はその穢れた身体から抜け出て
   魂は、海の近くの人だったら海の彼方に行き、山の近くの人だったら
   山の上のほうに上っていきます。
p.231 そのように考えて決着をつけようとしました。

   そして、死者は比較的生者の近くにいて、盆・正月のようなときには
   戻ってくると考えたわけです。

   正月は1年のはじまりです。それから、農作業のはじまりと終わりのとき、
   仏教でいうと彼岸ですが、そういうときに生者の近くに戻ってくるのだと
   考えました。室町時代には盆踊りが広まりましたが、
   これは生者と死者が集まって踊るものでした。

   そういう民間信仰のようなものが昔からあったところに、仏教が伝わり、
   ときの為政者(天皇とか貴族、やがては武士)に広まり、一般庶民にも

   霊肉分離の考え方でいくと、
   霊魂は遺体から抜け出るが、死んで間もない霊魂はまだ荒ぶれた不安定なもの
   であり、それを子孫が何年も、何年も供養することによって、
   その死者の霊魂は鎮まって、やがては子孫を守ってくれるような祖霊に
   昇華していくとされ、これを祖霊信仰といいます。
   仏教が入ってくる前からあった日本の民間信仰です。

   仏教にそのような考え方はなく、仏教の僧侶が、一般民衆に布教するさいに、
   もともとあった日本古来の考え方に仏教的な意味づけをして
   仏教行事化したのです。
   
p.232 インドで生まれた仏教は四十九日(中陰)までしか想定されていない。
   何回忌、何回忌というその後の回忌法要はありません。
   戒名もありません。

   北上して、中国で三回忌までできます。
   それが韓国を通って日本に来て、三十三回忌、五十回忌、百回忌が
   執り行われるようになります。

   (中略)(日本のお坊さんは)本来の仏教にないことを、しているので、
   (=プロとして導師を務め、この世に未練は残してはいけないと、
    ちゃんと旅支度をさせてあの世に送り出しているのに、お盆には
    戻ってくるので盆供養をしなければいけないという、
   つじつまのあわないことが起こっています
   
   民俗学者の柳田邦男の著述
   「仏教では葬儀をすることで死者の霊は十万億土の遠い極楽へ
   送り出したと考えている。したがって、本来ならば死者の霊は生者の
   近くにいるはずがない。僧侶は仏教の教え通りに念仏、供養の功徳によって
   必ず極楽に行くということを請け負っておきながら、なお毎年、毎年、
   この世に戻ってきて、棚経を読んでもらわぬと浮かばれぬように
   思わせようとした

私自身は、「今は亡き両親や、お世話になった恩師、ペットたちの霊が
常に見守ってくれている。有難い。」と思い、
昔はあまり口に出さなかった感謝の気持ちをお彼岸やお墓参りのときに祈ります。
まさに「日本の民間信仰」です。

何を信じ、行動するかは各自の自由ですが、理論体系が破綻している習慣に
振り回されて大金を使い、後で後悔している人もたくさんみているので、
このような本で、勉強するのは非常に良いことだと思います。




   
コメント
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