自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

「百歳の力」  ⑦ 「手なずけられないものに惹かれる」

2015-09-11 05:55:37 | 図書メモ




P.144 最初は、自分の中で線を描いている。
   ところができるものは、毎回、ちがう。

   自分の意思に沿った線ではあるけど、つねに、どこか裏切られている。

   そしてそこに自分自身の初めての発見がある。一本一本の線が一期一会です。


   思いどおりにいかない、それがおもしろいんです。いつでも賭けなんです。

   だからやめられないんですね、やっぱり。



P.145 明日のことはわからない。

   明日のことどころか、一分一秒のちの自分がわからない。

   (中略)人間っていうのは、つねに明日のことはわからないんですよ。

   それで生きているんです。それが、やはり人生っていうものなんです。


   そういう人生を芸術的に表しているのが、墨の芸術ですよ。


   (中略)油絵の具は、描く人の調子などに対して、反映することは少ない。

   忠実な材料ですよ。


   墨はいつも裏切ります。

   日々刻々と変わるお天気やこちらの気持ちに、非常に敏感に反応する。

   私などにちっとも手なずけられない。冷たいんですね。いつだって。


P.146 あるときは、思いもかけないぐらい、墨は美しい表情を出すんです。

   自分でも、こんなにうっとりする線が引けるとは思わなかった、

   っていうものを授けるんです。ときどき、私を超える。


   こんなに美しいものを描ける力があったんだって、自分でびっくりする。

   惚れ直すことができるんです。墨には、それくらい幅があるんですよ。


   だけど、やっぱり、その線は、私の中にあるものなんですね。

   墨は、敏感すぎるくらい敏感だから、描いているときに派生している

   私の気分を拾うことがあるんです。


   それというのも、墨は粒子が細かいんです。あまりに細かくて軽いから

   磨って水にあたると、どういう動きになるかなんていうのは、

   ぜんぜん予測がつかないんです。


ただただ書き写しているのは、盗作じゃないの?と言われそうですが、
ただただ、これらの言葉を残しておきたいだけなんです。

昔は読書ノートなどというモノにせっせと感想文やメモを書いていました。
でも、紙のノートは数年もすると、埃だらけになるし、どこに何を書いたのか
探し出すのは至難の業です。

その点、ブログに書いておくと、キーワードですぐに検索できるので、
便利至極です。年と月が分かれば、何十冊もある日記手帳の中から、
その日のメモを探し出せます。

今、桃紅さんの言葉に惹かれるのは、
桃紅さんの墨に対する思い入れ、情熱が、
私の音楽に対する想いと共通する点を見出すからです。

同じ曲を何度も歌い、毎日似たような感じで歌いとばしているのに、
ある日、ふと、「えっ? この曲ってこういう音だったの??」と感じる……
そんな発見が、面白くて、毎日毎日同じ曲を飽きもせず歌っている私。

とても図々しい比較で、鼻白む向きもあるかと思いますが、
レベルの差を越えて、このように芸術を楽しもうという気持ちは
誰にでもある、と信じたい…… 信じます!
コメント
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