ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

釜無川~鋸岳~甲斐駒が岳~鳳凰三山~夜叉神峠(その3)

2008年09月14日 | 自分

9月13日(その2)

いよいよ難所へ突入です。
第1高点からは第2高点がすぐ間近に見えますが果たしてあそこまで
無事にたどり着けるかどうか非常に不安が募ります。

急な坂を下り10分ほどで小ギャップへ。
事前に調べたとおり今は下りも登りも立派な鎖が付いていますが、ここで
懸垂下降をするために来たのでこれには頼らずに支点にロープをセットします。
思ったよりも怖くはありませんでした。
7~8メートルほどで小ギャップの底に着き、ロープを回収します。
天候がどんどん悪くなり登り返しが途中までしか見えません。

登りにも立派な鎖がかけてありますがこれに頼らなくても手がかり、足がかりが
豊富なので問題はありません。ここまで来る人にはこんな鎖は必要ないかと
思います。

登った先はナイフリッジが左右に走っていてこれを乗り越えます。
乗り越えると右前方の稜線上にロープが掛けられているのが見えました。
「あすこへ行くのか。」
とそのロープを目指して草と低木交じりの斜面を強引に上がっていきます。
うーん、どうも正規のルートではないなぁ。と思い始めた矢先に5mほど下から
声が聞こえてきました。私とは逆ルートでこれから第1高点へ向かう単独行の
男性がこっちですよと案内してくれました。
(帰ってから調べてみると私が間違って目指したロープは積雪期のルートの
ようです。)

正しいルートはナイフリッジを乗り越えた後5m程下にくだって先に伸びる
バンドを進みます。20mくらいで鹿窓が見えます。
おー、とうとうここまで来ました。
何枚も写真を撮り鹿窓をくぐります。
鹿窓をくぐった先はガスが一面に立ち込めて視界が悪く、私にとっては地獄の
ようにも見える光景
が広がっていました。

ほんの少し下ったところにあるシュリンゲを支点として懸垂の用意をします。
ここにも20m以上はあろうかという立派な長い鎖が掛けられていますいますが
これにも目をくれずに自力で下ります。

ここで失敗。いい加減にロープを投げたために途中で絡まってしまい準備に
手間どってしまいました。そして下降します。
50mのロープで目一杯(25m)降りました。
ロープを回収する時に上から小石が落ちてくるので岩場のくぼみに隠れて
手繰り寄せました。ロープを引っ張る度に、上からビュンビュン石が降って
きます。

ここからが本当の難所です。
まずはルンゼに沿って5mほど下ります。それから右手の草地に見える分かり
易い踏跡
を進みます。すぐに折り返すようにしてルンゼに戻るとルンゼ中央に
赤ペンキで矢印がしてあります。
その先の草地には大ギャップ方面に向かって踏跡があります。安藤さんや
Sudoさんのレポにあった写真と同じです。
鹿窓のルンゼを渡り草地の踏跡に沿って歩いていくと大ギャップが見えてきます。
その直前、はるか50m程下方に赤いペンキマークを発見しました。

あれっ?と思いながらも大ギャップの右岸まで行ってみました。このまま
大ギャップを横断すれば行けそうな感じがしましたが、対岸の様子も良く分から
ないくらいガスが出ていたのでちょっと不安を感じ、迷った挙句鹿窓ルンゼの
赤ペンキまで戻ることにしました。
戻ってみると果たして鹿窓ルンゼをさらに下降するように付けられている
赤ペンキを発見しました。

結局、安藤さんたちの通過したトラバースバンドからはさらに30~40m程、
鹿窓ルンゼと大ギャップの合流点まで下り、そこから大ギャップを
20mほど登り返したところに「第1高点へ」と書かれた木標を見つけルートが
間違っていないことを確信しました。
ようやく危険地帯を通過し、思わずガッツポーズが出ました。
草付、樹林帯の急登を20分ほど登り第2高点へ到着です。

ガスで展望は全くありませんが、難所の無事通過を祝って何枚も写真を
撮りました。
あとは中川乗越に下るだけです。
とても急な下りで、最後は足場の悪いガレ場となり、何度もつまづきながら
中川乗越に無事降り立ちました。

明日は天気が良くないようなので今日のうちにこの先の六号石室まで行って
しまおうかと思いましたが今日は十分がんばったので無理することなくここに
テントを張ることにしました。

熊の穴沢を詰め上げた所にある中川乗越は数張分のテントを張るスペース
あり、私の他には単独行の男性がテントを張っていました。

夕食は定番のチラシ寿司を食べ、すぐに眠りに就きました。