GW前半に登った恵那山の記事をアップしました。
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先週の恵那山に続き、今週も日帰り登山。絶好の登山日和でした。
名古屋から中津川で中央道を降り、妻籠を通り過ぎ南木曽温泉の先で蘭(あららぎ)キャンプ場の
看板で左に曲がり山奥へと入っていきます。キャンプ場を過ぎ、まもなくで避難小屋のある林道終
点に着きます。
駐車場は避難小屋前に8台程度、そこから100mほど下ったところに10台程度あります。
私の着いた7時30分では上の駐車場は既に満車になっていました。
登山口の避難小屋
準備を整えて歩き始めます。避難小屋には登山者ノートが設置してあるので名前を記入しました。
すぐ先で東屋方面の看板に導かれて右へ曲がるとしばらくは遊歩道のように良く整備された道を
歩きます。
東屋方面は右
東屋の先で再び林道に合流し、10分ほど林道を歩くと「金時の産湯の池(伝説)」の看板が建って
います。金太郎といえば箱根の金時山だとばかり思っていましたが、金太郎の伝説は日本全国に
あるのかもしれません。
すぐに「南木曽岳2.2キロ」と書かれた看板が現れ、ここからがようやく本格的な山道となります。
林道から山道へ
あざやかな新緑に心踊り、緩やかで歩き易い山道を気持ちよく歩くと登り専用コースと下り専用
コースの分岐まであっという間です。
林道に入ってすぐのあたり
蘭方面から南木曽岳に登る場合、ここから登りも下りも一方通行となります。登山道が一方通行だ
なんて富士山の富士吉田口や槍の穂先、剣岳カニのタテバイ・カニのヨコバイ位しか私は知りませ
んが、恐らく登りも下りもこの先は急勾配が続くので渋滞を避けるためにこのようなシステムに
なっているのではないかと思われます。
登りと下りの分岐
この山は植林がされておらず、ヒノキを始めとする自然林が見事です。
分岐の先ですぐに「金時の洞窟」と呼ばれる岩小屋があります。そしてこの辺りから勾配が一気に
険しさを増し、登山道には梯子が多くなります。途中では休憩できる場所が少ないので少し開けた
場所があれば是非休んでおくと良いでしょう。
ずっと樹林帯なので今日の強い日差しを避けることができたのは良かったです。
長い梯子
途中の看板にこの先に2箇所の鎖場があると書いてあります。ひとつ目の鎖場は確かに鎖はあり
ますけれど・・・といった程度で鎖に頼らなくても問題なく登れます。
ひとつ目の鎖場
その先のふたつ目の鎖場は、かつて鎖場であったけれど登山道の崩落で迂回路となる木道がつ
けられていたため、こちらもまったく問題なし。鎖場であった方も登れないことはない状態でした。
左が旧鎖場、右が木道
鎖場の先から振り返ると先週登った恵那山が綺麗に見えました。
恵那山(鎖場の先で)
まだまだ梯子や急な登りは続きますが、ふと頭上を見上げると「頂上まであと530m」と書かれた
小さなプレートが目に入ります。
すぐに「かぶと岩」の看板が建てられていますが、どれがかぶと岩なのか良く分かりませんでした。
かぶと岩 の看板
ここから山頂はあっという間です。山頂は樹林の中でまったく展望がなく山頂標識だけがひっそり
と建っています。写真だけ撮って先へ進むとすぐに見晴台の分岐が現れます。展望「台」ではあり
ませんが、ここからは御嶽と乗鞍、そして目を凝らすと北アルプスがかすかに見えます。
今日の行程の中で初めて開けた展望に気分が高揚し、少し早いですが昼食としました。
南木曽岳山頂
展望台からの御岳山
日陰で吹きぬける風が心地よく、じっとしていると少し肌寒いくらいです。
20分ほど十分に眺めを堪能してから避難小屋のある方向へ向かいます。少し標高が下がるため
ますます眺めは期待できないだろうと思いながら足を進めると、そこには意外な光景が広がって
いました。避難小屋の手前から小屋と雪をたっぷり被った中央アルプスが、春の日に照らされて
眩しいばかりに横たわっています。
まさかこんな素晴らしい眺めが広がるとは予想していなかったので感動もひとしおです。
避難小屋と中央アルプス
感動した眺め
先ほどの昼食はやはりこちらで食べるべきだったと少々後悔しながら眺めの良い石の上に腰を
下ろし、改めて休憩をしました。ここは周囲の展望が開け本当に気持ちの良い場所です。
どこからこんなに大勢の人が登ってきたのかと思うほどの人々が思い思いに眺めを楽しんでいま
す。サンサンと太陽が当たっているので、風が吹いても寒くありません。
十分に展望を楽しんだら下山コースで下山を開始します。
100mほど下ったところにかつて使われていたと思われる避難小屋があります。すぐ隣には水場
もありますが水量が少なく、ここで水を汲むのはちょっと勇気が必要です。(あまり清潔感がなく、
飲めそうではなかった。)小屋も半分崩れかけておりなんだか寂しげでした。
旧避難小屋辺りから山頂方面
新しい避難小屋方面
旧避難小屋から僅かに登った所で摩利支天との分岐があります。摩利支天へは2~3分程度なの
で寄ってみると、登ってきた尾根や山頂、これから下山する尾根がよく見えます。
摩利支天
登ってきた尾根
下っていく尾根(手前の尾根)
さて、ここから先は急な下りが続きます。結構足に堪えます。今にも折れてしまいそうな梯子に慎重
に足を乗せながら我慢強くくだるとようやく登山道との分岐に到着しました。
思いのほか時間が掛かり疲れました。
長いくだり
あとは緩やかな登山道と林道を下れば無事駐車場です。
予想していなかった素敵な展望に巡り合えてとっても満足でした。
雲ひとつない絶好の登山日和となった今年のゴールデンウィーク前半。
日帰りでかねてから気になっていた恵那山を登ってきました。
始めは神坂峠からのピストンを予定していましたが、現地へ着いてみると
広河原登山口より約1キロ手前で林道が通行止めになっていたため、仕方
なく林道を20分ほど歩き広河原登山口より山頂へ登り、神坂峠へ下って再
び林道を歩いて戻ってくることにしました。
下山してからの1時間を超える林道歩きには辟易しましたが、結果的にこの
コースは正解でした。
登山口
林道終点に車を停めて、歩き出します。
10分ほど歩いてから車の中に地図を忘れてきたことを思い出し、慌てて戻り
ました。こういう不注意が事故を招くことに繋がらないよう気をつけなくてはい
けません。
林道終点
気を取り直して歩き出し、トンネルをくぐるとそのすぐ先に広河原登山口があ
りました。なるべく早い時間に山頂まで登っておきたかったので広河原から山
頂を目指すことにしました。
私の持っていた昭文社の山と高原地図には神坂峠からの登山道しか記入さ
れていませんでした。
分岐の看板には山頂まで3~4時間と書いてありました。
広河原登山口
いきなりの急登をジグザグとこなすと、甲斐駒ケ岳黒戸尾根下部を思わせる
熊笹が広がり、さらに急な坂をひと登りすると登山道にも雪が見え始めます。
最初はこんな感じ
随所に目印があります
展望が開けるあたり(多分1800m位)までくると完全な雪道となりますが、
雪はやわらかくつぼ足でも十分登れます。
まだまだ雪はたっぷり
斜度は急ですが楽に登れます
徐々に標高が上がり、背後には伊那谷を挟んで南アルプスが長々と横たわって
います。思わず歓声を上げてしまうような絶景です。雪の急な斜面をしばらく登
ると傾斜が緩やかになり、やがて山頂に着きました。
広河原登山口から1時間半でした。
山頂には可愛らしい手作りの山頂標識が建てられており、写真を撮りますが、
ここは展望がありません。小さな展望台がありますが、ここに登っても眺めはあ
まり変わりません。
恵那山頂
少しだけ休憩してから避難小屋へ向かいます。5分ほどで避難小屋へ到着。
すぐ近くに立派なトイレもあり、中も非常にきれいな小屋です。
避難小屋
立派なトイレ
避難小屋内部
下りとなる神坂峠までの道が分かるかどうか少し不安がありましたが、随所に
ちゃんとピンクの印が付けられており迷うことはまったくありませんでした。
小屋から5分ほどで展望の良い祠のような所へ出ました。金沢から来たという
2人組の若者が神坂峠から登ってきており、食事を摂っていました。
「山頂はここですか?」と聞かれたので「山頂はもう少し先ですよ。」と教えてあ
げました。
まだ山登りを始めて間もない感じでしたが非常に感じの良い若者で、是非これ
からも山登りを続けて欲しいと思いました。
尾根が右へ曲がる所で左へ下る登山道もある、というような標識が立っていま
したが、私の持っていた2002年版昭文社地図には何も書いてなかったのでど
こへ繋がっているのかは分かりません。
雪がしっかり積もった急な斜面をぐんぐん下ります。時々転びそうになり、慌てて
木につかまります。この急登を登るのは結構辛そうです。
急な下り
天狗ナギと呼ばれてい
る手前で左手が開け御岳山が綺麗に見えたので昼食を摂るために腰を降ろし
て20分ほど休憩しました。
素晴らしい眺め
天狗ナギの先でこのコース一番の急な斜面、登る時は木の根っこに掴まって身体
を持ち上げなければならないほどの難所がありました。
この先は雪がまばらになり、斜度も少し緩くなったことから随分歩きやすくなりました。
大判山の辺りは、何となく荒々しい景色で北アルプスのバリエーションを歩いている
ようなアルペンチックな雰囲気でした。
アルペンチックな雰囲気
大判山辺りから恵那山を望む
ウバナギと呼ばれている周辺は北側の斜面が大きく崩れ落ちています。そのうち尾
根が削られてしまいそうです。
ウバナギ
神坂峠までは、簡単に着くと思っていましたが意外と時間が掛かってしまい、足がだ
るくなってきました。
ようやく鳥越峠に到着しました。
鳥越峠
山頂からの標高差は600m程のはずですが随分下ったような気がしました。
鳥越峠から緩やかに登り、小さなアップダウンを繰り返すと、やっと神坂峠と林道
(看板にはヘブンそのはらと書いてある)への分岐に着きました。
分岐
ここは富士見台方面の視界が開けて景色が良く、非常に素晴らしい所でした。
いつか富士見台へも歩いてみたいと思いました。
富士見台方面
わずかの下りで林道に出ました。ここからは退屈な林道を1時間以上かけてひたすら
下り、広河原登山口のところでちょうど山頂付近であった金沢の2人組若者と再び
会って挨拶を交わしました。彼らは私と逆周りで広河原コースを下ってきたようです。
長かった林道歩きがようやく終わり駐車場へ戻りました。
恵那山は山としては起伏に富んだコースで登り応えもあり良い山でした。
山頂からの展望が無いのがちょっと残念でした。
次回は冬に神坂峠から登ってみたいと思います。
登山口周辺のヘブンスそのはらでは花桃が見頃を向かえ大勢の人が訪れていました。
綺麗だった。
これだけでも行く価値が十分にあると思いました。
花桃が満開
登山口周辺の桜
コース ダイナランドスキー場βリフト降り場~大日ヶ岳山頂
叺谷(かますたに)・北西斜面 を滑降
メンバー 単独
2月に悪天候のため山頂までもたどり着くことができなかった大日ヶ岳に
再チャレンジしてきました。
つい先日までは強い冬型の気圧配置で毎日寒い日が続いていましたが、3
月に入ってから急激に暖かくなり、一気に春めいてきました。
このあたりの雪がいつ無くなってしまうか心配していましたが、まだまだ
雪はたっぷりありました。
名古屋の自宅を6時に出発し、8時前にスキー場へ到着。空はどこまでも
青く雲ひとつありません。絶好の山スキー日和です。
準備を整えてから、はやる気持ちを抑えてリフト乗り場へ。前回と同じ
βリフト下り場から高鷲スノーパークのゴンドラ下り場まで20分軽く足
慣らしでシールを利かせて登ります。
早くも暑くなってきました。
さて、今回はちゃんとレストハウス左の柵をくぐりゲレンデの外へ。
正面の赤い網を通り抜けます
雪はかなり硬く最初のトラバース斜面は、不安定な歩きを強いられました。
樹林を抜けると最初の急斜面。これを登ると一旦下ります。右手には何と
も魅力的な急斜面が広がっています。
この斜面は下部で叺谷へと繋がっているようです。
下山時はこの美味しい斜面の上部を滑ることにします。
下った先から2つ目の急斜面を登ると前回の最終到達地点です。
前回の最終到達点手前から後方を振り返る
前回は視界ゼロでしたが、なんとそこから僅か50m程先が、大日ヶ岳の
山頂でした。こんなに近いんだったらあと少しがんばれば前回も山頂まで
たどり着けたのに。とちょっと残念でしたが、あの悪天候では例え山頂に
着いたとしてもそこが山頂だとは分からなかったでしょう。
前回の最終到達点からの山頂(帰りに撮影)
山頂標識は、雪面から頭だけを僅かに出していました。
山頂標識
あまりにもあっけなく着いてしまいました。
高鷲スノーパークのトップから40分ほどでした。
周囲はぐるり360度の大展望です。正面には白山。右回りに北アルプス、
八ヶ岳?、御嶽山、名前が分からない美濃の山々。
他の登山者や山スキーヤー、ボーダーと同じように暫くは写真を撮ったり
景色を楽しんだりしました。
白山をバックに
北アルプス方面
さて、これからどうしましょう。シールをはがしながら他のスキーヤを観
察しますが、なかなか滑り出さないので、とりあえず叺谷を滑ることにし
ます。
初めての場所で少し緊張しました。
右手の谷が叺谷
半分まで滑り降りて山頂を振り返る
雪は少し重いですが滑るのに支障はありません。6月始めの富士山と同じ
くらいの雪質でした。
転ばないように慎重に、谷が狭まる辺りまで滑り降りました。
最初の斜面(雪庇の右側からドロップイン)
シールを付けて登り返します。登り返しに40分近く掛かりました。気温
が高かったこともあり、大汗をかきました。
再びシールをはがし、次は北西の斜面へと滑り降りました。この斜面は
カール状で、徐々に斜面が狭くなっているので、滑れるところまで目いっぱ
い滑りました。叺谷よりこちらの方が快適でした。
滑り降りた所で休憩。
休憩中
今日は、こんなに天気が良いのに日焼け止めを塗ってくるのを忘れてしまった
ため、顔がヒリヒリしてきました。
相変わらず抜けるような青空が広がっていてとても気持ちが良いです。
20分ほど休憩して再び山頂を目指して登り返します。
今度は20分ほどで山頂に到着。
山頂につく頃から風が強くなり、止まっていると寒いのですぐに下りることに
しました。
登ってきた時に目をつけた叺谷へと続く西側の斜面を気合を入れて滑ります。
叺谷へと続く斜面
正面の一番高い所から真っ直ぐブッシュの辺りまで滑り
左手の雪庇手前まで登り返し
あまり調子に乗ってしまうと登り返すのが大変なので適当な所で止まります。
シールを付けてから右手の尾根に向け僅かに登り、後は来た尾根を辿りあっと
いう間にゲレンデへと合流しました。
今回は天気も良く、雪質もまあまあでとても満足できました。
滑るコースの距離が短いので次回は、叺谷を滑り降りられるようにしたいと思
います。
コース ダイナランドスキー場βリフト降り場~前大日ヶ岳辺りまで
メンバー 単独
もう少し山スキーの練習をしたい。それにはひとりでも行ける場所を探さなくてはいけないと
思っていたところ岳人で山スキーの特集をしていました。そのなかに美濃のダイナランドス
キー場から大日ヶ岳山頂まで登り北斜面等を滑るコースが紹介されていたので行ってみま
した。
この日の現地の天気予報は午前中が晴れ、午後は雪となっていました。あまり天気が悪い
ようなら鈴鹿の竜ヶ岳に行こうというサブプランを考えていました。
朝、自宅を出ると名古屋でも雪が降っています。無理せず安全を期すなら竜ヶ岳へ行くべき
だと思いましたが今年の鈴鹿は雪が少ないようなので行っても面白くなさそう。
と言う訳で30分くらい悩みましたが、現地の天気予報は相変わらず午前中が晴れとなって
いるので、取り敢えず山頂まででもいいやと考えて予定通り大日ヶ岳へ出発しました。
途中、東海北陸道の2箇所で事故渋滞により予定より2時間近く遅れて10時20分にダイナ
ランドスキー場に到着しました。ずっと雪が降り続いていますが視界はそれ程悪くありません。
リフト1回券を購入し、スキーセンター2階で登山届けを提出。
βリフト乗り場までちょっと距離がありますが既にシールを付けているのでそのまま歩いてい
きまいた。
βリフト降り場からまっすぐ高鷲スキー場方面へ緩やかなスキーコースを登っていきます。
15分ほどで高鷲スキー場ゴンドラリフト降り場に到着しました。
さて、ここから山頂はどうやって行ったらよいのでしょう?
ゴンドラ下り場奥の建物の左手から行けばいいのです。
(登る時は分からずに、下山した時に気づきました・・・。)
大日ヶ岳までは登山道があるので私はてっきり途中のどこかに登山口を示す看板があるも
のと思っていましたがありません。仕方なくゴンドラ降り場から、尾根に向かって急な斜面を
真っ直ぐ登り始めました。11時でした。
天気は非常に悪く、激しく雪が降っていますが山頂まで1時間半と見積もって何とか到着で
きそうです。
斜度が40度位あるため膝の辺りまで埋まってしまい、なかなか前に進めません。いきなり
こんなラッセルではとても山頂まで到着できないように感じてしまいました。
トレースはまったくありません。
こんな天気が悪い日にどちらかと言うとマイナーな雪山へ入る人などいないのでしょう。
こんな天気が悪い時に雪山へ入ってはいかんね。
登り始めた場所から高鷲スキー場ゴンドラ下り場を見る
尾根に登ったところで山頂の方角を地図で確認。
ラッセルはいくぶん和らぎましたがそれでもファットでない私の板ではトップが潜ってしまい1歩
進むたびに膝を持ち上げないといけません。
暫く行くと右手にはっきりとしたトレースが見えました。
おおっ!
ラッセルするのを楽しみに来たはずなのに、つい助かったと思ってしまいました。正直、この天気
ではひとりでどこまで行けるか不安だったのでほっとしました。トレースは太く相当な人数が登って
いる感じです。
トレースと合流した辺りで
(これより先はスキー場外と書いてありますが、ここまでがゲレンデとはとても思えない。)
最初の急登手前でスノーシューの4人組が休憩していました。ちょっと話を聞いてみると登山教室
やらスノーボードやら登山者やら20人以上は登っていきましたとのことでした。
視界が悪く遠くまで見えませんが、樹林帯を抜けた先の結構急な登りを、トレースが斜面を真っ直
ぐ登っていきます。それから、ちょっとしたピークで右のほうへ向きを変え緩やかに下っていきます。
視界は50m程です。下った後、平ぺったくなった尾根は緩やかに左へ向きを変えます。
前方から男女2人組がゆっくり滑り降りてきます。
吹きさらしで風が強くなってきました。少し平らになったところで15人くらいのスノーシューの団体
が下山を始めるのに出会いました。トレースの主です。
樹林帯を抜けたあたり・・・
この先、僅かにスキーのトレースが尾根を登っていきますが視界はますます悪くなり、心もとなくな
りました。10分くらい登り、どうやら2つ目の(前大日岳と思われる)ピークに着いた時、風がビュン
ビュンと吹きつけ、完全にホワイトアウトになってしまいました。
もうこれ以上登るのは危険です。
12時20分、すぐさま下りる決心をしました。
視界は10メートルもありませんでした。シールを外してしまうとスピードが出てトレースを見失う心
配があったため、シールを付けたまま忠実にトレースを辿りました。
スノーシューの団体さんのトレースを見つけ、ほっと一安心。
ちょうど鞍部の所で少し視界が回復していました。
そのままひとつめのピークまで登り、シールを外しました。
ここまで来ればもう安心。そう思って滑り始めたものの相変わらず悪い視界にコースを左へ外しそ
うになり焦りましたが、一瞬見通しがきいたときにスキー場の建物が見えたので危うく難を逃れま
した。
最後の斜面を振り返る(視界はかなり回復)
樹林帯を僅かに滑ると高鷲スキー場トップの建物の裏手に出ました。
やれやれ。
そっか、登る時も無理にあんな急斜面を上らずにここから行けばもっと楽だったんだと気づきまし
た。
あとは混雑するスキー場のゲレンデを滑り降りて一気に駐車場まで下りました。
今日はあまりにも天気が悪すぎました。次回は抜けるような青空が広がる日に来てみたいと思い
ます。
えっ?今回はやけにアップが早いなって?
明日雪が降りますよ・・・。
先月の阿弥陀南稜と赤岳南峰リッジをアップしました。
記録はこちらから。
阿弥陀岳南稜・赤岳南峰リッジ 1/3
阿弥陀岳南稜・赤岳南峰リッジ 2/3
阿弥陀岳南稜・赤岳南峰リッジ 3/3
安藤さんの記録はこちら。
コース 平湯キャンプ場駐車場~四ヶ岳山頂手前(森林限界手前まで)
メンバー カッキー、きむひろ、ハイジ、へべ、タク、ヨッシー、ぼちぼち
今年も山スキーの季節がやってきました。
いつものメンバーでいつもの平湯へ向かいます。
カッキー、きむひろ、へべ、ヨッシーの4人は前日から現地に入っていましたが大雪のため
平湯スキー場でお茶を濁したとか。名古屋でも夕方から雪が降り始め、これは現地まで相
当時間が掛かると予想して22時20分に自宅を出発しました。これは正解。
美濃加茂~関、荘川~飛騨清見間でが雪によると思われる事故のため通行止めになって
いました。
岐阜県に入ってからずっと激しい雪が降り続き、非常に神経を使います。
通常だと2時間半もあれば平湯まで到着しますが今日は4時間も掛かりました。
しばし仮眠をして5時過ぎに起床。
夜中に到着した時は激しい雪でしたが朝起きた時は雪が止んでいました。
駐車場で全員が合流し、明るくなった6時半過ぎに出発しました。
最初は樹林帯の中を緩やかに登っていきます。東屋の屋根に積もった雪の量を見る限り、
昨日1日で70~80cmくらい積もったようです。
一晩で降り積もった雪
ハイジさん
スタートから激しいラッセルに先が思いやられます。
野生のサルがこちらを見ています。(冗談です)
我らがかっきーです
やがて左手の狭いルンゼに向かいますが雪崩の危険性があるためルンゼ左手の斜面を
登ります。今までの緩やかな登りから一転、斜度が増したため頻繁に先頭を交代しながら
じわじわと高度を上げます。
私も1度、先頭をラッセルしましたが辛くてすぐに交代してもらいました。
最初の急登(下から)
最初の急登(上から)
一旦尾根に上がり、尾根を右手に進みます。暫くは緩やかで顕著な尾根です。再び右手の
急な斜面に向かっていきます。
この辺りで京都から来たという男女2人組みが追いついてきました。
斜面が緩やかになり左へ進んだ先で、一旦左手に降り、渡渉します。
渡渉点
このあたり何箇所も雪面が口を開け、川の流れが見えています。
渡った先が一番きつい登り。先頭を行くヨッシーもさすがにこの斜面はてこずっているようです。
そういえば昨年もここをとても苦労して登ったことを思い出しました。
結局、小腹を満たすことが出来るほど十分な休憩時間がありました。
渡渉したあとの急登(渋滞中)
この先はひたすら尾根沿いを登っていきます。人数が多いので早目に先頭を替わります。
私も今日は今までにないくらい調子が良く、ジグを切るのも随分慣れてきた感じがします。
途中の比較的ゆるい斜面では長いこと先頭を歩きました。
森林限界間近
途中で何度か休憩を挟みながらかなり上まで登っていくと木々の間から焼岳方面が綺麗に
見えます。思わず歓声が上がります。
朝から空を覆っていた暑い雲の間から薄日が差し、それがかえって幻想的な景色を創り出
しています。
焼岳方面
ああー、こんな素晴らしい景色を見ることができるなんてやっぱり雪山は良いなと思いました。
さらにしばらく行くとそろそろ森林限界が近づいてきます。今日も昨年同様、風が強いので山
頂までは行かず森林限界を超える辺りで終了となりました。
終了地点
シールをはがしながらほんの少しだけ休憩をします。私はこのシールを張ったりはがしたりす
る作業がとても苦手です。もう少し簡単な方法がないものでしょうか。
さて、お楽しみ滑降の時間がやってきました。
登ってきたすぐ左手の斜面は斜度が30度くらいのよだれが出そうなフカフカのパウダーです。
雪崩の心配はまったくなさそうです。我慢できなくなった人から次々と歓声を上げながら滑り
降りていきました。私は控えめに最後の方からスタート。
いつもなら登りきった後は、体力を使い果たしており、足がパンパンでいうことをききませんが
今日はそれ程疲れがなく、非常に気持ちよく滑ることができました。
やっほぉ~!
私も思わず叫び声を上げてしまいます。最初のふた滑りくらいは本当に気持ちの良い斜面でし
た。その後は概ね登ってきたトレースに沿って、適当に止まりながら、適当に写真を撮りながら
滑っていきます。
雪質は上々!数少ない私の山スキー歴の中でもダントツの快適さです。
昨日降った新雪がフカフカで、私の細身の板では少しターンがしづらいというのはありますが
それでもこんな快適な山スキーを体験してしまったら、登りの苦労も吹っ飛びます。
因みに他のメンバーの板はほとんどがファットな板へと変わっておりびっくりです。
徐々に高度を下げ、樹林の間を縫うようにそれぞれが滑ります。
途中で大休止を入れて、さらに滑り続けます。
渡渉した先は一旦登りになるため、面倒でもシールを付けなくてはなりません。
登りで苦労した最後の急斜面は想像以上に雪が重くてちょっと残念でした。
後はなだらかな斜面をダラダラと下って駐車場へ到着しました。
楽しかった!
今回はシールでの登り、特にジグを切って登ることがいつもよりスムーズにできた事が思わぬ
収穫でした。
また次回!!
阿弥陀岳南稜・赤岳南峰リッジ
日 程 2013年 1月12日(土)~14日(月)
コース 1/12 舟山十字路~立場山~青ナギの先 (テント泊)
1/13 幕場~阿弥陀岳山頂~文三郎分岐~赤岳南峰リッジ~赤岳山頂~文三郎道~行者小屋 テント泊
1/14 行者小屋~美濃戸口~舟山十字路
メンバー 安藤さん、川原
1月14日(月)雪
4時半に起床。サラサラとテントに降り積もる雪の音が聞こえます。今日は阿弥陀岳北稜の
予定ですが、朝から本格的な雪のため断念し、美濃戸へ下山する事にしました。
荷物をまとめて7時30分に出発。アイゼンは外しました。
南沢下山中
雪の降り続く中、休み無く歩き続けて、8時50分に美濃戸山荘、9時30分に美濃戸口へ到
着しました。
美濃戸口
ここへ荷物をデポし、テクテクと舟山十字路まで。
目指せ舟山十字路!
途中ちょっとしたトラブルもありましたが11時30分に無事車へ到着しました。
雪で車が埋まってしまい動かなくなるのでは?と心配していましたが無事に動きました。
車はこんな感じ
その後はもみの木で温泉と食事を済ませてから、茅野駅で安藤さんと別れました。
この日は関東から甲信にかけて7年ぶりの大雪となり、予想とおり中央道が不通となって
いました。
飯田までは混雑する下道を走り、名古屋へ帰り着くのに6時間も掛かってしまいました。
要ロープワーク、要経験を痛感されられた3日間でした。
安藤さん、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
阿弥陀岳南稜・赤岳南峰リッジ
日 程 2013年 1月12日(土)~14日(月)
コース 1/12 舟山十字路~立場山~青ナギの先 (テント泊)
1/13 幕場~阿弥陀岳山頂~文三郎分岐~赤岳南峰リッジ~赤岳山頂~文三郎道~行者小屋 テント泊
1/14 行者小屋~美濃戸口~舟山十字路
メンバー 安藤さん、川原
1月13日(日)
晴れ朝4時30分に起床。朝食はインスタントラーメンに昨夜の野菜の残りを入れて食べ
ました。
用意を済ませ、明るくなるのを待ってから出発しました。
今日もよい天気になりそうです。
ひと登りでP1。その先P2との間の平坦地には6人グループがテントを張っていて、まさに
出発するところでした。
尾根上の道を少し登るとP2。ここからはP3の岩壁が眼前に迫りなかなかの迫力です。
P3手前
P3手前より登ってきた尾根を振り返る
細かなアップダウンを経てP3の基部から左手にトラバースした後、斜面に沿って緩やかに
下るとP3ガリーの取り付きです。
ここにはいくつものリングボトルが打たれており、それらがワイヤーで繋がっているため確保
視点には事欠きません。
P3ガリー取り付き
先行パーティーが全員登り終えてから安藤さんが登り始めました。
ガリーは取付から少し先で左へカーブしているため私の立つ場所からは上のほうの様子が
確認できませんが、聞こえてくる先行パーティーのコールからどうやら渋滞しているようです。
そしてようやく私の番。
出だしは岩と氷で手の位置、足の置き位置が難しいですが3m程登ってしまえば後はバイ
ルとアイゼンがしっかり効いて不安を感じることはありませんでした。
P3ガリー下部
途中でガリーの上部まで見渡せるようになります。このあたりの左側に、一昨年の夏に来た
時は気づかなかったリングの支点を発見しました。
手足を使いさくさくと登り、安藤さんの待つ中間支点へ到着。
中間支店手前より下部
P3支点より上部
2P目も当然安藤さんが先に登ります。同じような斜面を10m程登り、正面の岩場を避けて
左手に一段上がった所にあるボルトでランナーを取りさらに上へロープを伸ばしていきます。
途中の潅木でピッチを切りましたが、セカンドの私はしっかりと確保されているので、ここも
不安を感じることなく快適に登れました。
2ピッチ目終了点の安藤さん
2P目の終了点が狭かったので、安藤さんの指示によりそのまま私が先行し、稜線まで上が
りました。肩がらみで安藤さんを迎えてガリーは終了しました。
尾根で安藤さんを迎えます
ここから頂上はすぐ目と鼻の先ですが、頂上直下に少しいやらしい箇所があるためそのまま
コンテで行くことにしました。
山頂は目と鼻の先
山頂直下はほんの1歩だけ落ちたら大変な事になりそうなところがありますが、そこを越えて
しまえば後はまったく問題なし。
手足をガシガシと使い阿弥陀岳の山頂の一角に到着しました。
山頂手前
やりました!長い間の夢がこれでひとつ叶いました。
日は快晴で山頂からはいつも以上に360度の大展望を楽しめます。
浅間山、北八ヶ岳に始まり目の前の赤岳、富士山に甲斐駒ケ岳千丈岳、御岳山、美ヶ原、北
アルプスまで本当によく見えます。
南稜
阿弥陀岳山頂からの赤岳
富士山
北八方面
南アルプス
北アルプス
今日はこのあと赤岳南峰リッジにも登る予定なので、写真だけ撮り終えるとすぐに出発です。
阿弥陀岳からの下りは非常に神経を使います。登るよりはるかに難しく慎重に、慎重に下りま
した。
阿弥陀岳からの下り
阿弥陀岳の下り
中岳辺りからの阿弥陀岳
安藤さん(後方に赤岳)
阿弥陀北稜
文三郎分岐からの阿弥陀岳
鞍部から中岳を越え、文三郎の分岐の分岐までの登り返しがとても長く感じられました。
文三郎の分岐にザックをデポし、ロープだけを持って行者小屋方面に100mほど下った最初
の曲がり角の少し手前の辺りで登山道を外れ、山頂方面に向かっていきます。
登山道から外れます
幅の広い急斜面を注意深く登り、やや左手方向にルンゼが現れたところの岩角にセルフビレ
イを取りここでロープを結びました。
幅広の斜面を山頂へ
ロープを結びます
ルンゼと左手のリッジ、どちらも登れるようですが安藤さんはルンゼの左寄りをさくさくと登って
いきました。
1ピッチ目
ここで大失敗!安藤さんからロープをバランスよく束ねておかないと途中で絡まるよと言われ
ていたにも関わらず、その通りになってしまいロープを送ることができなくなってしまいました。
大声でストップのコールをし、慌ててロープを解きました。冷や汗をかきました。
安藤さん、申し訳ありません。
こんなゆるい斜面だから問題ないものの、もっとシビアな斜面だったら大変な事になるところで
した。
60mのロープをいっぱいに伸ばしそこでピッチを切ったようです。
滑落したらただでは済まされないような斜面ですが、雪が安定しているのでバイルも良く刺さり、
まったく問題なく登ることができました。
ルンゼ上部
安藤さんのところまで行くと、そのまま頂上まで抜けるよう指示があり、幾分緩やかになった斜面
を上へ上へと登ると目の前に山頂が現れました。
安藤さんは私がロープを引き上げるのが間に合わないくらいのスピードで上がってきました。
南峰リッジも無事に完登できました。
赤岳山頂からの阿弥陀岳
赤岳山頂からも素晴らしい眺めを堪能することができました。あとは今日のテント場である行者
小屋まで下るだけです。ザックをデポした文三郎の分岐まではあっという間に着きましたが、ここ
から先がとても長く感じられました。
15時に行者小屋へ到着。今日の行動時間は8時間ほどで、荷もそれ程重くないはずなのにと
ても疲れました。やはり緊張して体に力が入っていたようです。
多くのテントが並ぶ中、我々は小屋に近い場所にテントを張りました。
やがて小屋番さんがテント代の徴収に来ました。テント代が1人1,000円になっているのに驚き
ました。それだけ長いことここでテントを張っていないという事です。
(行者小屋は、冬季は閉鎖されていますが、週末だけは赤岳鉱泉から出張しているのだと言って
いました。)
食事を摂って、17時過ぎには寝てしまいました。
中国人と思われる4人グループが遅くまで騒々しくしていたのが少し気になりました。
寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めたりトイレに行ったりしました。日付が変わるころ、ちらちら
と雪が降り出し、明日の天気を心配しながら眠りました。