会見があると発表された時から「辞任会見か」と言われて、直前にはNHKが「辞意を固める」と報道したことで確定的となった安倍総理の会見。健康不安を理由にした辞任発表でした。前回の時と同じ難病の潰瘍性大腸炎だけに、このコロナ禍の折にこのまま政権トップの座にいることは難しいという判断は当然でしょう。ゆっくり休養した方が良いです。7年8か月の歴代最長の長期政権はあっけなく幕を閉じることになりました。
もっとも辞任は遅きに失したという感もします。モリカケ、桜疑惑の頃に本来なら辞任しても良かったと思います。あれだけ信用を失うような身内の不祥事や疑惑を立て続けに起こしながら政権に居座り続けた挙句に、コロナ禍に見舞われ東京五輪延期です。体調を崩すのも無理はありません。心身ともにボロボロになって辞めることになり、後継者も選ばず育てず。大抵長期政権というのはその間に後継者を育てておくものですが、一切そういうこともしなかったのですから、9月に予定されている自民党総裁選は混迷の極みになりそうです。
安倍長期政権の評価はこれから様々なメディアや論者がすることになるのでしょう。僕はトータルでは落第点だと考えていますが、いろいろな評価軸がありますし、長期政権ゆえの安定感というのは評価されてしかるべきでしょう。ただ安倍政権に決定的に欠けていた誠実さと公正さだけは、次の政権に求めたいと思います。これだけ嘘ばかりついていると感じさせた政権は過去に見たことがありません。
とりあえず今はとてつもなく国の舵取りが難しい状況です。何かとトラブルの火種になるトランプが再選するかどうかはわかりませんが、中国、ロシア、韓国、北朝鮮という隣国の指導者たちも厄介な人物ばかり。コロナは収まらず経済は落ち込み続け、日本はどんどん貧乏になっています。財政、環境、教育、医療、年金、格差、少子化、どれを取っても難題ばかりです。果たして自民党に次のリーダーに相応しい人物はいるのでしょうか。