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●科学技術ニュース●東北大学と産総研、従来比20倍速を実現した高速な空気の流れをリアルタイム計測を実現し変化する流体に呼応するアクティブ制御に期待

2022-09-21 09:35:20 |    情報工学
 東北大学 大学院工学研究科の野々村 拓 准教授、産業技術総合研究所 省エネルギー研究部門の中井 公美 研究員(元 東北大学 特任助教)らの研究グループは、感度の高い観測点の最適な組み合わせを選択して、計測する手法「疎点解析粒子画像流速計測法(スパースプロセッシングPIV)」を実証するため、リアルタイム高速度カメラを組み込んだ風洞実験装置を製作し、従来の「粒子画像流速計測法(PIV)」では不可能であった高速な流体の流れのリアルタイム計測に成功した。

 2000ヘルツ(Hz)での流体の流れのリアルタイム計測の成功は世界初。

 空気や水などの流体の流れの速度場の計測は、現象の理解やその制御のために重要。特に流体の中でリアルタイムに何が生じているかを把握し、制御することが期待されている。流体の流速の計測によく用いられる方法として、流速の面情報が得られる粒子画像流速計測法(PIV)がある。しかし、画像解析技術を基にした計測方法のため、高速な空気の流れでは画像解析に多くの時間がとられ、リアルタイム計測ができなかった。

 この課題を解決するため、同研究グループは、2021年に「低次元モデル」と「センサー位置最適化技術」を組み入れた疎点解析粒子画像流速計測法(スパースプロセッシングPIV)を提案しているが、この度、リアルタイム高速度カメラを組み込んだ風洞実験装置を製作し、実際にリアルタイム計測が可能であることを実証した。

 この技術には汎用性があり、画像解析などを伴う解析時間がかかる計測手法に対して低次元モデルと最適化を組み合わせることで解析するデータ量を減らして処理時間を短縮できることから、流体力学にとどまらずさまざまな分野でのリアルタイム計測とそれに基づく制御が可能になると期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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