“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「首都直下 南海トラフ地震に備えよ」(鎌田浩毅著/SBクリエイティブ)

2024-06-04 09:33:43 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:首都直下 南海トラフ地震に備えよ

著者:鎌田浩毅

発行:SBクリエイティブ(新書)

 高い確率で発生されるといわれる首都直下地震。2024年元日に起こった能登半島地震により首都直下地震、そして連動して起こる大災害の警戒が強まっている。同書は、内陸地震が増えているという新事実、新たに危惧される震源域、活動が活発になっている火山、能登半島の地下に集中する「ひずみ」で急務を要する直下型地震の対策など最新の知見から、日本国民が知るべきリスクと、予想される災害のシナリオ、被害想定、そして命を守るためになにをすべきかを簡潔に網羅した警鐘の書。【目次】序章 能登半島地震からわかったこと 1章 地震の活動期に入った日本列島 2章 想定以上の大災害となる首都直下地震 3章 「西日本大震災」という時限爆弾 4章 南海トラフ巨大地震が誘発する富士山噴火 5章 災害、異常気象で世界はどう変わっていくのか 6章 「これからの大災害」に不安を感じないために 7章 科学で災害はコントロールできるのか 終章 地球や自然とどうつきあうか
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「6ヶ月で構築する 個人情報保護マネジメントシステム実施ハンドブック<第3版>」(NPO法人 日本システム監査人協会監修/同文館出版)

2024-06-04 09:32:57 |    情報工学



<新刊情報>



書名:6ヶ月で構築する 個人情報保護マネジメントシステム実施ハンドブック<第3版>

監修:NPO法人 日本システム監査人協会 

発行:同文館出版

 プライバシーマーク取得・更新のための、個人情報保護の運用実務をやさしく解説。個人情報保護改正や、JIS Q15001:2023に対応して改訂。規定・様式のひな型も付属。【目次】序章 個人情報保護マネジメントシステムとは 第1章 JIS Q 15001:2023 規格本文 第2章 個人情報保護に関する管理策
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●科学技術ニュース●NIMS、イオン性の液体表面で幹細胞の培養に成功し医療に貢献する細胞資源の培養効率を大幅引き上げ

2024-06-04 09:32:31 |    生物・医学
 物質・材料研究機構(NIMS)は「イオン液体」とよばれる液体の表面で、再生医療でも広く利用されるヒト間葉系幹細胞を培養する技術を確立した。

 従来はプラスチック皿で行われてきた有用細胞資源の培養効率を大幅に引き上げることが可能になると同時に、培養時に排出されるプラスチックごみの削減につながることが期待される。

 イオン液体は蒸発しないため、環境に拡散していかない。これまでは使い捨てにされてきたプラスチック皿と異なり、細胞培養後に回収、洗浄、加熱/乾燥による滅菌まで可能で、環境に優しいリユーザブルな“液体”細胞培養基材に展開される重要な一歩となる。

 通常、再生医療等に適用可能な(幹)細胞の培養、増殖にはプラスチック皿のような固体の平面が用いられる。

 これに対して水と混ざり合わない油のような液体の表面で細胞が培養できれば、その液体をドレッシングのように培養水溶液中に分散させて、培養効率(体積当たりの有効な培養表面積)を大幅に引き上げられるため、古くから研究が進んできた。

 これは増え続けるプラスチックゴミを削減できるばかりか、液体の特徴を活かしたろ過による細胞の分離・回収や、培養プロセスの完全オートメーション化などの技術革新が望めるが、その一方で、これまで研究に用いられてきたフッ素系液体は細胞毒性こそ低いものの、プラスチック皿より高価であり、なおかつその自然環境下における低い化学的分解性が「永遠の化学物質」「PFAS問題」としてクローズアップされており、細胞培養技術の進化に対する代償として、その高コスト化と高環境負荷が懸念されていた。

 今回、同研究チームは、水と混ざり合わず、なおかつ細胞毒性が極めて低いイオン液体を見いだし、その表面でヒト間葉系幹細胞を培養することに成功した。

 イオン液体はプラスとマイナスのイオンのみからなる液体だが「液体なのに蒸発しない、沸騰しない」ことが大きな特徴。細胞培養に用いた液体を洗浄、加熱、乾燥、滅菌することで、使い捨てることなく再利用することが可能になる。

 さらに同研究グループでは、イオン液体のイオンの組み合わせによって、液体表面に吸着するタンパク質の吸着状態が大きく変化し、そのことが優れた液体足場の形成に重要なことをつきとめた。

 今後、同研究チームは、イオン液体表面の幹細胞の分化状態を制御する技術の確立を目指すとともに、分散培養による有用な幹細胞資源の培養効率引き上げ、プラスチックごみを出さない培養プロセスの代替をにらみ、細胞培養に適切なイオン液体の洗浄、滅菌プロセスの開発を進めていく。

 同研究は、高分子・バイオ材料研究センターの上木岳士主任研究員と中西淳グループリーダーらのグループによる成果で、日本学術振興会 科学研究費助成事業(23H02030 (研究代表: 上木岳士), 22H00596, 23K17481(研究代表: 中西淳))の支援を受けて進められた。<物質・材料研究機構(NIMS)>
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●科学技術ニュース●日立とグーグルクラウド、生成AIでの戦略的アライアンスを締結

2024-06-04 09:31:53 |    人工知能(AI)
 日立製作所とGoogle Cloudは、生成AIによる企業のイノベーションと生産性向上を加速するため、複数年にわたる戦略的アライアンスを締結した。

 具体的には、日立は、Google Cloudの生成AIモデル「Gemini」やAIプラットフォーム「Vertex AI」、その他のクラウド技術を活用し、企業の課題解決を支援する新たな組織を設立するほか、Google Cloudの AIを採用し、自社の製品やサービスを強化する。

 同提携を通じて、日立は、デジタル事業の中核であるLumadaのさらなる成長を加速するとともに、全社の業務効率化や生産性向上を推進する。

 同提携において、両社はGoogle Cloudのテクノロジーを新規および既存の顧客に迅速に提供するため、デジタルエンジニアリングのリーダーであり日立の子会社のGlobalLogicの中にHitachi Google Cloud Business UnitとGoogle Cloud Center of Excellenceを設立する。

 また、日立の「Gen AI Professional」の育成プログラムの一環として、Google Cloudの生成AI関連技術に関する研修をプログラムに取り入れる。

 同取り組みを通じて、両社は、新設する組織における専門性とマネージドサービス力を強化し、大企業がAIを活用した運用方法を根本的に改善するために必要なサポートを提供していく。

 そのほか、同提携では、以下の新たな取り組みを実施する。①ソフトウェアのモダナイゼーションと顧客サービス強化を実現する新たな生成AIソリューションの開発・提供②オンプレミス環境とクラウド環境で実現する、安全・安心な生成AIソリューションの利用環境③Go-to-marketに向けた共同施策④デジタル人財育成の強化<日立製作所>
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