“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「物理学者、機械学習を使う」(橋本幸士編/)

2020-01-31 09:28:13 |    人工知能(AI)

 

<新刊情報>

 

書名:物理学者、機械学習を使う~機械学習・深層学習の物理学への応用~
 
編者:橋本幸士

著者:橋本幸士、大槻東巳、真野智裕、斎藤弘樹、藤田浩之、安藤康伸、永井佑紀、青木健一、藤田達大、小林玉青、大関真之、久良尚任 、福嶋健二、村瀬功一、船井正太郎、柏 浩司、富谷昭夫

発行:朝倉書店 

 機械学習を使って物理学で何ができるのか。物性,統計物理,量子情報,素粒子・宇宙の4部構成。<内容>機械学習,深層学習が物理に何を起こそうとしているか/波動関数の解析/量子アニーリング/中性子星と核物質/超弦理論/他

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●科学技術ニュース●NIMS、硫化水素や一酸化窒素をジワジワと放出する固体材料を開発

2020-01-31 09:27:32 |    化学

 物質・材料研究機構 (NIMS)は、大気に触れると、硫化水素や一酸化窒素などのガスをジワジワと放出する固体材料を開発した。

 これらのガスは、低濃度では抗炎症や血管拡張など有用な生理活性があるが、濃度制御や保存が難しく、医療応用は限定的であった。安全・簡便にガスを放出できる本材料によって、ガスの医療応用が促進すると期待される。

 硫化水素や一酸化窒素は高濃度では有毒だが、低濃度では抗酸化・抗炎症・血管拡張・インスリン分泌調節など有用な生理活性があり、体内でも微量に生成されて生体機能の制御に用いられている。

 近年、これらのガスを用いた医療が注目されていて、例えば、低濃度の一酸化窒素の吸入により肺血管が拡張し、いくつかの重篤呼吸障害 (新生児遷延性肺高血圧症や急性呼吸窮迫症候群) が改善できる。

 また、硫化水素を含む温泉が皮膚や循環器に効能があることは古くから知られていて、健康長寿医療への応用も期待される。(「物質・材料研究機構」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「物体系と物質系の特許発明と技術」(影山光太郎著/経済産業調査会)

2020-01-31 09:27:07 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:物体系と物質系の特許発明と技術~発明の解明とし方のための外観・性質からの分類~

著者:影山光太郎

発行:経済産業調査会

 同書では、物体系、物質系の分類、また、これを構成するエッセンスである「物体の組み合わせ、形状、構造、物質の物理的性質、化学的性質、物性の変化」の6つの要因を基礎として、技術・発明・特許を分析。物質系の本質を示す物(性)の変化現象についても、その利用の視点から概要を考察。そして、発明の特定、権利化、共同発明者の認定・寄与割合、構成要件分説説(進歩性、クレーム解釈)、PBPクレーム、利用関係などの特許法上の問題の解明を行っている。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「創造性はどこからくるか」(阿部慶賀著/共立出版)

2020-01-30 09:38:00 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:創造性はどこからくるか~潜在処理,外的資源,身体性から考える~

編者:日本認知科学会

著者:阿部慶賀

発行:共立出版(越境する認知科学 全13巻 【2】巻)

 「創造性」というと、優れた人間が発揮する才能と思われがちだ。しかし近年の認知科学研究は、創造性は個人の才能ではなく、他者との協同や外化など、偏在する外部資源との相互作用なくしては成り立たないことを明らかにしてきた。一方、創造的思考を支える心的メカニズムの研究からは、アイデアの「生みの苦しみ」は単なる停滞ではないことや潜在的に洞察の準備が進んでいることも明らかにしつつある。こうした知見を背景に、創造性はそれに特化したメカニズムや処理機構を前提としなくとも説明できる、ということが研究者間で合意を得つつある。そこで同書では、すでに知見が蓄積されている創造性の内的処理や外的資源の紹介に加え、身体がアイデア生成や発見に貢献する可能性についても言及し、これまでの「個人内に局在する」創造性観から「誰もが備え,どこにでも遍在する」創造性観への飛躍を試みる。 

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★バイオニュース★理研など、「第二世代」バイオディーゼル燃料合成の触媒を開発

2020-01-30 09:37:32 |    ★バイオニュース★

 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターグリーンナノ触媒研究チームの山田陽一チームリーダー、自然科学研究機構分子科学研究所の魚住泰広教授、中部大学の樫村京一郎講師、東京工業大学の和田雄二教授、九州大学の藤川茂紀准教授らの共同研究グループは、従来の均一系・不均一系触媒よりも高活性(少量の触媒量で高収率)で再利用性の高い固定化触媒[を開発し、それを用いて「第二世代バイオディーゼル燃料」をカーボンニュートラル・省資源・省エネで合成することに成功した。

 同研究成果は、第二世代バイオディーゼル燃料の効率的な製造プロセス、さらには医薬品合成、有機半導体などの有用物質合成の開発に貢献すると期待できる。

 今回、同研究グループは、シリコンナノ構造体にロジウムナノ粒子を固定化した触媒(SiNA-Rh)を開発した。このSiNA-Rhを既存の触媒の30~100分の一である1/2000モル当量(0.05モル%)用いて、原料のバイオマス由来の遊離脂肪酸を水素雰囲気下、マイクロ波照射により温度を200℃に保ちながら還元反応を行ったところ、対応する炭化水素が90%以上の高収率で得られた。

 照射したマイクロ波は40W程度であり、省エネ化が実現できた。さらに、実験を繰り返した結果、SiNA-Rhは高活性のまま20回の再利用が可能であることが分かった。

 同研究により、植物の二酸化炭素固定で生成したバイオマスを原料として、再生可能エネルギーから製造されつつある水素を用いて、マイクロ波による省エネ条件下、第二世代バイオディーゼル燃料と石油原料の一酸化炭素を生産することが可能になった。

 例えば、パーム油などの油脂は、収穫後速やかに搾油しないと分解が始まることから、マレーシアやインドネシアには、油脂分解により大量に生じた遊離脂肪酸が未使用のまま残っているといわれている。同手法を用いれば、この遊離脂肪酸が一つの工程でバイオエネルギーに変換できるため、その応用につながると期待できる。(「理化学研究所」ウェブサイトより)

 

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●科学技術ニュース●東京工業大学など、光照射のみでメタンの二酸化炭素改質反応を起こすことに成功

2020-01-30 09:37:05 |    化学

 東京工業大学物質理工学院材料系の庄司州作博士後期課程3年と宮内雅浩教授、物質・材料研究機構の阿部 英樹主席研究員、高知工科大学の藤田武志教授、九州大学大学院工学研究院の松村 晶教授、静岡大学の福原長寿教授らの共同研究グループは、低温でメタンの二酸化炭素改質反応、ドライリフォーミングを起こすことができる光触媒材料の開発に成功した。

 ロジウムとチタン酸ストロンチウムからなる複合光触媒を開発し、光照射のみでドライリフォーミングを達成した。加熱を必要としないため、燃料の消費が大幅に抑えられるとともに、ヒーターなどによる加熱による触媒の劣化が起こらず長期間安定的に反応を継続することができ、地球温暖化ガスを有効利用できる方策として期待される。

 ドライリフォーミングは温室効果ガスのメタンと二酸化炭素を有用な化学原料に変換できる魅力的な反応だが、800度以上の加熱が必要で、かつ加熱による触媒凝集並びに炭素析出による劣化の問題から、実用化には至ってない。

 同研究では、光触媒として紫外線応答型のチタン酸ストロンチウムを使っているが、実用化に向けては太陽光の主成分を成す可視光の利用が重要。一方で、同研究では酸素イオンが媒体となるエネルギー製造型反応の機構を初めて見いだし、今後この新しい反応機構をもとに、可視光を吸収できる光触媒材料に展開することも可能。

 同研究成果が、天然ガスやシェールガスの有効利用につながるとともに、温室効果ガス低減に貢献できると期待される。また、低温で合成ガスを製造することができるため、既往の工業的手法と組み合わせることでガソリン製造などの施設の大幅な簡略化と効率化が望める。(「科学技術振興機構」ウェブサイトより)

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●科学技術・理工学書<新刊情報>●「みんなのPHP」(石田絢一(uzulla)、石山宏幸、遠藤太徳、他著/技術評論社)

2020-01-30 09:36:22 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:みんなのPHP~現場で役立つ最新ノウハウ!~

著者:石田絢一(uzulla)、石山宏幸、遠藤太徳、他多数

発行:技術評論社 

 PHP開発の現場で役立つノウハウを、最新の動向を踏まえてわかりやすく解説。PHP開発環境の構築、PHP 7以降で導入された新たな文法の解説とそれらを活用するためのポイント、パッケージ管理システムComposerの使いこなし術、多様なインフラ上で動作するPHP実行環境の整理、ユニットテストやCI/CD導入ノウハウ、人気のフレームワークLaravelの活用ポイントなど、PHPをもっと使いこなすための情報満載。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「高校世界史でわかる 科学史の核心」(小山慶太著/NHK出版)

2020-01-29 09:27:15 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:高校世界史でわかる 科学史の核心   

著舎:小山慶太 

発行:NHK出版(NHK新書)

 ニュートンが大科学者たり得たのはなぜ? どうしてフランス革命時に諸科学が勃興した? 量子力学は歴史の偶然で生まれた? 国家の野心と研究者の探求が重なるところに、歴史の転機は訪れる。近現代史を陰で動かした諸科学の営みとそのダイナミズムを、文理の壁を超えてやさしく語る、あたらしい科学史入門。

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●科学技術ニュース●NICT、住友電工とオプトクエスト、38コア・3モードの光ファイバ伝送で、容量と周波数利用効率の世界記録を達成

2020-01-29 09:26:49 |    通信工学

 情報通信研究機構(NICT)ネットワークシステム研究所と住友電気工業、オプトクエストは、38コア・3モードファイバを用い毎秒10.66ペタビット伝送実験に成功し、周波数利用効率1158.7ビット/秒/Hzを達成した。

 この結果は、容量と周波数利用効率共に、これまでの記録(容量:毎秒10.16ペタビット、周波数利用効率:1099.9ビット/秒/Hz)を超え、世界記録になる。

 同実験では、38コア全てに3モードを収容し、伝送品質向上のためにモード間の光伝搬遅延を低く抑えた光ファイバを開発、各コアの特性に応じ256QAM又は64QAM変調を用い、大容量を実現した。

 同実験システムを利用すると、1本の光ファイバで既存の光ファイバの100本分以上の容量を伝送することが可能となり、データセンター等における短距離大容量伝送システムの光ファイバ配線を大幅に減らすことが期待できる。

本実験の結果は、第43回光ファイバ通信国際会議(OFC2020、3月8日(日)~12日(木))に採択されました。本成果については、同会議にて発表します。(「NICT」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電磁気学とベクトル解析」(吉田善章著/共立出版)

2020-01-29 09:26:09 |    電気・電子工学

 

<新刊情報>

 

書名:電磁気学とベクトル解析

編者:谷島賢二

著者:吉田善章

発行:共立出版(数学と物理の交差点 全9巻 【2】巻)

 同書では、電磁気学において物理学と数学がどのように絡み合っているのかを理解することを目標とし、物理学、幾何学、解析学という三つの視点から、ベクトル場、カレント、時空、メトリックといった概念が、それぞれの視点からどのようにテーマ化されるのかを説明していく。様々な電磁現象を理解し応用するという目的のもとに、数学の諸概念の実践的な意味を理解することで、物理と数学の強いつながり、ひいては自然の根本原理の理解へと誘われるであろう。

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