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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●FDK、水素貯蔵タンク用高容量AB2型水素吸蔵合金を開発

2025-08-05 09:43:51 |    ★水素ニュース★
 FDKは、水素エネルギー社会の実現に向けた水素貯蔵タンク用の新材料として、高容量AB2型水素吸蔵合金を新たに開発した。

 同社は1991年から34年にわたり、セキュリティ・車載・医療・家電など様々な用途向けに、「幅広い温度範囲で使用できる」、「充電して繰り返し使用できる」、「リサイクル性が高い」、「安全性が高い」といった特長を有するニッケル水素電池を製造・販売しているが、ニッケル水素電池の負極に使用される水素吸蔵合金は、一定量の水素を貯蔵する体積が、液体水素に比べ約1/2、高圧水素ガスに比べ約1/7になり、圧倒的な体積効率を有している。

 また、常温常圧に近い状態で水素を安定して貯蔵できるため、来るべき水素社会を支える重要製品として注目されている。
 
 2024年に、水素吸蔵合金の開発・製造を行なう包頭富士電気化学有限公司(BAOTOU FDK CO., LTD.)がグループ会社として加わり、同社とともに長年培ってきた電池用水素吸蔵合金の技術開発力で、水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の開発を進めてきた。

 現在、電池用途で主流であるAB5型水素吸蔵合金は、活性化の容易性や反応速度の速さ、リサイクルの容易性に優れる反面、重量当たりの水素貯蔵量が少ないため、より多くの貯蔵量が望まれるタンク用途には適していない。

 さらに、AB5型以外の水素貯蔵量に優れる水素吸蔵合金は、使用中に水素放出圧力が大きく低下するものや、活性化プロセスが煩雑なものなど、使い勝手に問題があった。
 
 これらのニーズと問題に対応するために、同社は水素貯蔵タンク用として使い勝手の良い高容量AB2型水素吸蔵合金を開発した。
 
 今回開発した「AB2型水素吸蔵合金」は、以下の特長を備えている。

 ・水素貯蔵量の体積効率が液体水素の約2倍、高圧水素ガスの約7倍
 ・重量当たりの水素貯蔵量がAB5型比で約20%向上
 ・安定性に優れた水素放出圧力
 ・使い勝手に配慮した活性化プロセス
 ・日本の高圧ガス保安法適用外となる1MPa未満の低平衡圧仕様、および海外向けの1MPa以上の高平衡圧仕様のどちらにも対応可能
 
 これらにより、「貯蔵量の少なさ」や「活性化の煩雑さ」といった問題を解消できるため、水素ステーション向け燃料電池向けなど幅広い水素貯蔵タンクに対応可能。

 同製品は、2025年7月より一部需要家向けにサンプル提供を開始し、2025年10月以降の量産出荷を予定している。<FDK>
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●科学技術ニュース●JFEエンジニアリング、世界初 都市ガス専焼と同一出力で水素混焼率最大45%を達成

2025-06-04 10:17:17 |    ★水素ニュース★
 JFEエンジニアリングは、このたび、2024年より販売中の水素混焼ガスエンジンコージェネレーション設備JFE-MWM/Hシリーズ(Hシリーズ)をバージョンアップし、水素混焼率を最大45vol%まで大幅に引き上げることに成功した。
 
 同社は、従来から販売していた400~800kWクラスの都市ガス専焼高効率ガスエンジンコージェネレーションシステム(JFE-MWMシリーズ)を水素混焼用に改造、都市ガス13A専焼時と同一出力で同レベルの発電効率を達成し、2024年5月にJFE-MWM/Hシリーズ(水素混焼率最大25vol%)として販売を開始した。

 その後も水素混焼率を引き上げる実証試験を継続し、このたび、45vol%でも都市ガス13A専焼と同一出力、同レベルの発電効率を達成した。

 都市ガス13A専焼と同一出力を保っての水素混焼率45vol%の達成は、世界初。

 さらに、水素混焼においては混焼率の引き上げと、発電効率維持・窒素酸化物(NOx)低減の両立が難しいとされているが、Hシリーズでは、発電効率を維持したままNOx排出基準の上乗せ規制値(条例・指導要綱、等)の200ppm(O₂=0%)以下を満足する性能を実現している。

 また、Hシリーズが有する特長及び機能は、水素混焼率を45vol%に引き上げても維持する。

 具体的には、Hシリーズは従来の都市ガス13A専焼機を簡易なレトロフィットにより水素混焼化した機種のため、都市ガス13A専焼機として導入した場合でも、将来的に水素混焼仕様に改造することが可能。

 また、ガスエンジンに都市ガス・水素の混合気を供給する都市ガス-水素混合装置も混焼率アップに対応している。

 運用面では、「水素混焼モード」と「都市ガス専焼モード」の2つの運転モードを搭載し、また停電時における都市ガス専焼での自立運転が可能。<JFEエンジニアリング>
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●科学技術ニュース●三菱ふそうトラック・バス、岩谷産業とサブクール液化水素(sLH2)充填技術の 共同研究開発について基本合意書を締結

2025-05-28 09:40:53 |    ★水素ニュース★
 三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、岩谷産業と液化水素を利用した水素燃料商用車向けの水素充填技術の研究開発に関する基本合意書を締結した。

 両社は、新たな液化水素の充填方法であるサブクール液化水素(subcooled liquid hydrogen: sLH2)充填技術に関する研究開発を共同で行う。

 sLH2充填は、圧縮水素ガスと比較して、水素燃料のより高い貯蔵密度、より長い航続距離、充填時間の短縮化、より低い運用コスト、より高いエネルギー効率といった面で優位性を持つ。

 岩谷産業とMFTBCは、sLH2充填に関する技術、規制及び商用化に関する共同研究を行い、sLH2充填技術の日本での確立に向けて取り組みを進める。

 長距離輸送を中心に重量物運搬を行う商用車のカーボンニュートラル化を実現する上で、水素燃料は重要な手段であると見られている。水素は従来、圧縮ガスとして車内に貯蔵する形で用いられている。 <三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)>

<協業内容>

液化水素充填に関する技術開発及び技術提携
液化水素に関する規制および認証に関する調査
充填インフラに関するビジネス関連事項の調査
充填インフラや水素燃料車両の普及に関するマーケティング活動

<sLH2充填について:>

 液化水素をポンプで加圧しながら車両に搭載された液化水素タンクに充填することで、液化水素タンク内のボイルオフガス(蒸発した水素ガス)が再液化され、ボイルオフガスを排出する必要がなく、急速に充填を行う液化水素の新しい充填技術。sLH2充填技術の利用により、水素ステーションで圧縮水素ガスを利用する工程で通常必要となる設備の多くを省略できるため、水素ステーションの投資コストを削減できる。また、水素を利用する際に加圧する圧力がとても低いため、水素の圧縮工程で消費されるエネルギーも大幅に削減できるメリットがあり、水素ステーションの運用コストも削減できる。 sLH2 充填技術は、ダイムラートラックとドイツのリンデ・エンジニアリング(Linde Engineering)によって共同開発され、この技術はISO規格化に向けて、関係者間で議論されている。
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●科学技術ニュース●NIMS、グリーン水素製造の新たな鍵:電極触媒の真価を見える化する新手法提示

2025-05-14 09:31:59 |    ★水素ニュース★
 物質・材料研究機構(NIMS)は、電極界面における局所的な酸性度(pH)変化を高精度で観測し、その変化が電極触媒活性(特に酸素発生反応)に及ぼす影響を正確に評価する計測手法を提示した。

 これにより、異なる酸性度条件下で得られた触媒活性データを統一的な基準で比較でき、水電解装置の効率化や二酸化炭素(CO2)排出削減を通じて持続可能なエネルギー社会の実現に貢献することが期待される。

 再生可能エネルギー由来の電力で水を分解して得られる「グリーン水素」は、CO2を出発物質とする化学工業品の生産など、持続可能な化学物質生成技術の中核として注目を集めている。

 2024年には水電解装置の設備投資額が50億米ドルに達する見通しで、今後さらなる需要増が見込まれる。

 従来の触媒材料には、高価で資源制約のある白金族元素が使われており、鉄や亜鉛など汎用元素を活用した安価で高性能な触媒材料を創出することが供給拡大には急務。

 一方、触媒の性能は電極界面近傍での酸性度に大きく影響を受けることが知られているが、局所的な酸性度の測定方法が確立しておらず、その機構は十分に解明されていない。

 特に、中性条件下での触媒反応は、水電解のみならず、CO2還元によるメタノール合成や窒素還元によるアンモニア合成など、多岐にわたる電解反応に有利だが、中性条件では電極界面近傍の酸性度が大きく変動するため、電極界面での局所的な酸性度変化を正確に把握し、その知見に基づく計測・評価手法の確立が求められている。

 同研究では、安定性と評価性に優れたイリジウム酸化物をモデル触媒として採用し、回転リング-ディスク電極法を用いて中性条件下における局所酸性度変動を精密に計測した。

 その結果、局所酸性度変化の微視的機構を明らかにし、それが酸素発生反応の活性に大きく影響を与えることを示した。さらに、得られた知見に基づき「局所酸性度補正手法」を示し、これにより異なる条件下での触媒活性を同一基準で正確に比較できることを実証した。

 また、これまで困難であった電極界面反応場の詳細な解析が可能となり、局所的な反応環境を的確に反映した新たな評価基盤が確立された。

 この成果は、高価な白金族元素に依存しない次世代型電極触媒の評価と設計を加速する。また、水電解にとどまらず、CO2還元や窒素還元など中性条件が有利な電解反応への応用も期待される。

 これにより、グリーン水素製造や持続可能な化学産業の高度化に向けた具体的な貢献が見込まれる。

 同研究は、JSTの「GteX(革新的GX技術創出事業)JPMJGX23H2」の支援を受け、NIMS 電気化学エネルギー変換チームのMiao Wang NIMSポスドク研究員と坂牛 健 チームリーダーが主導して行われた。<物質・材料研究機構(NIMS)>
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●科学技術ニュース●森村SOFCテクノロジー、小型・高効率のモノジェネレーションSOFCシステムを開発

2025-05-09 09:55:28 |    ★水素ニュース★
 森村SOFCテクノロジー(愛知県小牧市)は、このたび、小型で高効率の「モノジェネレーションSOFC(固体酸化物形燃
料電池)システム」を開発した。

 来るべき水素社会の到来を見据え、水素を混合させての運転にも対応しており、今後、水素混合での実証運転を進める。
 
 森村SOFC テクノロジーは、燃料電池の中でも発電効率が高いSOFCに着目し、家庭用、業務・産業用向けに平板型セルスタックの開発に取り組み、2021年には業務・産業用燃料電池システム向けの量産を開始している。

 このたび、業務・産業用向けに培ったセルスタックの軽量・小型化と高出力密度の両立による低コスト化技術を他市場へ展開すべく、家庭用燃料電池市場や可搬式燃料電池市場などへの拡大を狙った、セルスタックを格納するモジュールと最終製品であるシステムを開発した。

 プロパンガスなどの多様な燃料に対応できることを活かし、オフグリッドや災害、緊急時対応向けの活用も期待できる。

 同機は、従来の家庭用燃料電池とは異なり、モノジェネレーションの燃料電池システムとして開発した。

 高発電効率(業界トップクラスの発電効率65%を実現)を突き詰めた省エネ・CO2 削減に貢献できるデバイスであり、モノジェネレーションに特化することでシステムの大幅な小型・軽量化が可能となる。

 壁面への設置が実現できることにより、狭小地や集合住宅などのスペースの限られた家屋に対する設置自由度の向上、さらには施工の簡素化による低コスト化が期待される。

 また、同機は来るべき水素社会への適合を視野に入れ、都市ガスなどの既存燃料のみならず、水素を混合させての運転にも対応しており、今後の実証運転を通し、地球環境の維持に貢献する発電機としての可能性を確認する。

 森村SOFCテクノロジーは、ノリタケ(株)、TOTO(株)、日本ガイシ(株)、日本特殊陶業(株)の森村グループ4社により2019年に設立された合弁会社。2021年には森村商事(株)の出資により、森村グループ5社の合弁会社となった。家庭用および業務・産業用のSOFC(固体酸化物形燃料電池)のセルスタック、モジュールおよびシステムの研究・開発・製造・販売
を通じて、脱炭素社会に貢献できるエネルギーシステムの普及拡大を進めることを目指す。 <日本特殊陶>
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●科学技術ニュース●日揮、米アモジー社の分解触媒を利用し大規模アンモニア分解による水素製造の技術開発を加速

2025-05-01 10:40:51 |    ★水素ニュース★
 日揮ホールディングス(日揮HD)は、大規模アンモニア分解による水素製造の技術開発に向け、米国スタートアップ企業であるアモジー社とアモジー社の触媒活用に関する基本合意書(MOU)を締結した。

 同MOU締結により、日揮HDが推進する大規模アンモニア分解技術開発の加速と、水素製造コスト低減などの効果を期待している。

 日揮HDは、2023年より、クボタ、大陽日酸と共同でNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」の一環で、年産10万トンの大規模な水素製造事業への参入を視野に、アンモニアを熱分解し水素を得る技術開発を推進している。

 同技術開発における日揮HDの主な役割は、全体プロセス設計・開発や、分解炉の設計・開発。

 アンモニア分解システム全体の効率向上においては、アンモニア分解触媒が重要な要素技術のひとつ。

 アモジー社の低ルテニウム含有触媒は、ルテニウム量が少なく低い反応温度でアンモニアを水素などに分解することが可能なため、全体システムの効率化および水素製造コスト低減に寄与することが見込まれる。

 また、日揮HDとアモジー社との関係構築は、水素・アンモニアおよびCCUS分野における技術提案力などの強化に向けて、日揮HDが2024年に出資した英国ベンチャーキャピタルファンド「AP Ventures Fund Ⅲ」が契機となった。

 日揮HDは、同事業における技術実証プラントにおいて、2025年度内に実証プラントのFEED(基本設計)を実施し、アモジー社の低ルテニウム含有触媒を活用する予定で、高効率でCAPEX(初期投資額)を抑えた水素製造技術の実現を目指す。<日揮>
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●科学技術ニュース●東海理化、2030年以降の水素燃料活用を目指して熱処理炉の燃焼で使用する都市ガスの水素化を実現

2025-03-21 09:57:06 |    ★水素ニュース★
 東海理化は、カーボンニュートラル実現を目指す取組みの一つとして、熱処理を行う量産機での水素燃焼技術の実証試験を完了し、この結果、熱処理炉の燃焼で使用する都市ガスを水素に置き換えることを可能にした。

 同社は2021年に「カーボンニュートラル戦略2030」を策定し、CO2削減の様々な取組みを推進している。生産戦略では温室効果ガスの代替化、既存生産技術の改善、革新生産技術の開発導入、再生可能エネルギーの利用拡大により工場CO2を2030年までに60%以上削減(2013年度比)していく。

 水素活用については、2022年9月より、東邦ガスグループの協力を通じて、熱処理の試験炉においてエネルギーの水素化を実証試験してきた。

 2023年12月には品質確認を完了し、今回、豊田工場の熱処理を行う量産機での実証実験を行った。

 実証実験では、豊田工場で生産されるシートベルトリトラクタ部品の熱処理工程で、焼入れ炉の都市ガス用バーナを水素・都市ガス兼用バーナへ置き換え、実際に水素を燃焼して生産を行い、水素への代替にて品質に問題ないことが確認できている。

 今後は継続して、熱処理以外の鋳造ラインなどで、エネルギーの水素化を検討していく。

 そして、水素社会が到来するとされる2030年以降に水素を率先して使用することで、カーボンニュートラルの実現に貢献しする。 <東海理化>
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●科学技術ニュース●トヨタ、「新型燃料電池システム」(第3世代FCシステム)を開発

2025-03-12 09:33:31 |    ★水素ニュース★
 トヨタ自動車は、新型燃料電池システム(第3世代FCシステム)を開発した。

 カーボンニュートラルの実現を目指す中で、トヨタは水素を重要なエネルギーと位置づけ、さまざまな業界のパートナーとも取り組みを進めてきた。今後、水素社会の実現に向けた動きを加速させるためには、燃料電池のさらなる進化が必要であると考えている。

 今回新たに開発したシステムは、特に水素社会をけん引する商用分野のニーズに応えられるよう、ディーゼルエンジンに並ぶ耐久性を実現した。

 加えて、燃費をはじめとしたさまざまな性能向上と低コスト化を目指した。

 従来の乗用車に加え、大型商用車にもラインアップを拡大し、2026年以降、日本や欧州、北米、中国などの市場に投入する予定。

 トヨタは、2014年に燃料電池自動車(FCEV)「MIRAI」を発売し、30か国以上の地域に約28,000台販売してきた。

 加えて2019年からは、FCシステムの供給を開始し、バスや鉄道、定置式発電機などにおいて、グローバルに100社以上のユーザーに2,700基を超えるFCシステムを供給してきた。日本では、東京都や福島県を中心に、多くのパートナーとともに商用分野の社会実装に向けた取り組みを進めている。新たなFCシステムは、こうしたユーザーの声や実証で得られた知見、長年蓄積した技術をもとに開発された。

 第3世代FCシステムの主な特長は、①耐久性能の向上(当社比2倍)。ディーゼルエンジン同等とし、メンテナンスフリーを実現②燃費性能の向上(当社比1.2倍)。航続距離を約20%向上③セル設計、製造プロセスの革新によるコストの大幅削減④ラインアップ拡大。

 第3世代FCシステムでは、乗用車向け、汎用向け(定置式発電機、鉄道、船舶等)に加え、大型商用車にも搭載できる。乗用車向けでは、燃費性能の改善により航続距離が向上することで、長距離も安心して運転できるようになった。大型商用車向けでは、ディーゼルエンジン並みの耐久性や高出力を実現し、小型化することで、より容易にさまざまな商用車に搭載できる。<トヨタ>
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●科学技術ニュース●日立パワー、天然ガス専焼のガスコージェネレーションシステムに追設可能な水素混焼ユニットを開発し実証試験を開始

2025-02-26 09:42:08 |    ★水素ニュース★
 日立パワーソリューションズは、発電出力500kW~1,300kWの中小規模のガスコージェネレーションシステムへ容易に追設可能な水素混焼ユニットを開発し、水素混焼運転の実証試験を開始した。

 このたび開発した水素混焼ユニットは、天然ガス専焼のガスコージェネレーションシステムに追加設置することで、20vol%までの水素との混焼運転を可能にする。さらに、コンパクトで、ガスコージェネレーションシステムに大幅な改造を加えることなく容易に設置できる点が特長。

 同社製のガスコージェネレーションシステムに同水素混焼ユニットを取り付けることで、水素を20vol%混焼した場合、天然ガス専焼と比較し、年間260トンのCO2の削減が可能になる。

 実証試験では、2025年2月から3月まで、同社大沼工場に設置している500kWガスコージェネレーションシステムに、開発した水素混焼ユニットを取り付け、水素混焼率20vol%での運転の安定性、水素混焼時におけるシステム効率と適切な制御の追従性および応答性を検証する。

 実証試験での有効性確認後、同社製ガスコージェネレーションシステムを所有しているユーザーおよび新規のユーザーを対象として、2025年4月の発売をめざす。<日立製作所>
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●科学技術ニュース●コマツ、世界初、水素エンジン搭載大型ダンプトラックの実証実験を開始

2025-02-25 09:31:28 |    ★水素ニュース★
 コマツは、鉱山機械の主力機種である大型ダンプトラックHD785(最大積載量 約92トン)に水素専焼エンジンを搭載したコンセプトマシンを開発し、このたび茨城工場(茨城県ひたちなか市)にて実証実験を開始した。

 大型ダンプトラックに水素エンジンを搭載するのは世界初の試み。
 
 実証実験を通じて、水素エンジンの活用に向けた知見の蓄積を進め、未来の”水素建機”の開発に繋げる。

 コマツは従来より、カーボンニュートラルの実現に向けて新たな動力源の開発や活用を進めている。

 水素エンジンについても選択肢の一つとして注目する中、大型トラック向けの水素エンジン開発や導入を専門とする、独スタートアップ企業KEYOU GmbH(KEYOU社)の技術力に着目した。

 今回のコンセプトマシンにはコマツとKEYOU社が共同開発した水素エンジンと水素タンクシステムを搭載している。

 水素タンクは運転席横のプラットフォーム上に搭載し、水素搭載量の最大化を実現した。また、運転席横の視界性を確保するため、キャブ内外にカメラやモニターを新たに設置している。

 実証実験では、走行性能や連続稼働時間、燃費などのデータ収集と、高圧水素ガスの使用に際する安全確保策を確認する。

 水素エンジンを建設機械に搭載する場合、バッテリーや水素燃料電池と異なり、ディーゼルエンジン車のコンポーネントの多くをそのまま活用できるため、コストを抑えられるメリットがある。

 また車両から排出されるCO2を実質ゼロにできるため、鉱山のユザーからは現場のカーボンニュートラル実現に向けた動力源の選択肢の一つとして導入を希望する声も寄せられてる。

 安全管理や水素供給のためのインフラ整備などの課題もあるが、業界団体や関係者と連携して解決を図っていく。<コマツ>
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