FDKは、水素エネルギー社会の実現に向けた水素貯蔵タンク用の新材料として、高容量AB2型水素吸蔵合金を新たに開発した。
同社は1991年から34年にわたり、セキュリティ・車載・医療・家電など様々な用途向けに、「幅広い温度範囲で使用できる」、「充電して繰り返し使用できる」、「リサイクル性が高い」、「安全性が高い」といった特長を有するニッケル水素電池を製造・販売しているが、ニッケル水素電池の負極に使用される水素吸蔵合金は、一定量の水素を貯蔵する体積が、液体水素に比べ約1/2、高圧水素ガスに比べ約1/7になり、圧倒的な体積効率を有している。
また、常温常圧に近い状態で水素を安定して貯蔵できるため、来るべき水素社会を支える重要製品として注目されている。
2024年に、水素吸蔵合金の開発・製造を行なう包頭富士電気化学有限公司(BAOTOU FDK CO., LTD.)がグループ会社として加わり、同社とともに長年培ってきた電池用水素吸蔵合金の技術開発力で、水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の開発を進めてきた。
現在、電池用途で主流であるAB5型水素吸蔵合金は、活性化の容易性や反応速度の速さ、リサイクルの容易性に優れる反面、重量当たりの水素貯蔵量が少ないため、より多くの貯蔵量が望まれるタンク用途には適していない。
さらに、AB5型以外の水素貯蔵量に優れる水素吸蔵合金は、使用中に水素放出圧力が大きく低下するものや、活性化プロセスが煩雑なものなど、使い勝手に問題があった。
これらのニーズと問題に対応するために、同社は水素貯蔵タンク用として使い勝手の良い高容量AB2型水素吸蔵合金を開発した。
今回開発した「AB2型水素吸蔵合金」は、以下の特長を備えている。
・水素貯蔵量の体積効率が液体水素の約2倍、高圧水素ガスの約7倍
・重量当たりの水素貯蔵量がAB5型比で約20%向上
・安定性に優れた水素放出圧力
・使い勝手に配慮した活性化プロセス
・日本の高圧ガス保安法適用外となる1MPa未満の低平衡圧仕様、および海外向けの1MPa以上の高平衡圧仕様のどちらにも対応可能
これらにより、「貯蔵量の少なさ」や「活性化の煩雑さ」といった問題を解消できるため、水素ステーション向け燃料電池向けなど幅広い水素貯蔵タンクに対応可能。
同製品は、2025年7月より一部需要家向けにサンプル提供を開始し、2025年10月以降の量産出荷を予定している。<FDK>
同社は1991年から34年にわたり、セキュリティ・車載・医療・家電など様々な用途向けに、「幅広い温度範囲で使用できる」、「充電して繰り返し使用できる」、「リサイクル性が高い」、「安全性が高い」といった特長を有するニッケル水素電池を製造・販売しているが、ニッケル水素電池の負極に使用される水素吸蔵合金は、一定量の水素を貯蔵する体積が、液体水素に比べ約1/2、高圧水素ガスに比べ約1/7になり、圧倒的な体積効率を有している。
また、常温常圧に近い状態で水素を安定して貯蔵できるため、来るべき水素社会を支える重要製品として注目されている。
2024年に、水素吸蔵合金の開発・製造を行なう包頭富士電気化学有限公司(BAOTOU FDK CO., LTD.)がグループ会社として加わり、同社とともに長年培ってきた電池用水素吸蔵合金の技術開発力で、水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の開発を進めてきた。
現在、電池用途で主流であるAB5型水素吸蔵合金は、活性化の容易性や反応速度の速さ、リサイクルの容易性に優れる反面、重量当たりの水素貯蔵量が少ないため、より多くの貯蔵量が望まれるタンク用途には適していない。
さらに、AB5型以外の水素貯蔵量に優れる水素吸蔵合金は、使用中に水素放出圧力が大きく低下するものや、活性化プロセスが煩雑なものなど、使い勝手に問題があった。
これらのニーズと問題に対応するために、同社は水素貯蔵タンク用として使い勝手の良い高容量AB2型水素吸蔵合金を開発した。
今回開発した「AB2型水素吸蔵合金」は、以下の特長を備えている。
・水素貯蔵量の体積効率が液体水素の約2倍、高圧水素ガスの約7倍
・重量当たりの水素貯蔵量がAB5型比で約20%向上
・安定性に優れた水素放出圧力
・使い勝手に配慮した活性化プロセス
・日本の高圧ガス保安法適用外となる1MPa未満の低平衡圧仕様、および海外向けの1MPa以上の高平衡圧仕様のどちらにも対応可能
これらにより、「貯蔵量の少なさ」や「活性化の煩雑さ」といった問題を解消できるため、水素ステーション向け燃料電池向けなど幅広い水素貯蔵タンクに対応可能。
同製品は、2025年7月より一部需要家向けにサンプル提供を開始し、2025年10月以降の量産出荷を予定している。<FDK>