goo blog サービス終了のお知らせ 

“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●ソフトバンク、AIエージェント間の安全・安心な連携を実現するプロトタイプ開発に成功

2025-08-01 09:47:26 |    人工知能(AI)
 ソフトバンクは、AI(人工知能)エージェント同士が企業や組織ごとに異なるデータの取り扱いルールや管理基準の下においても、安全かつ柔軟な連携を可能にする「Agent Firewall(エージェント・ファイアーウオール:仮称)」のプロトタイプの開発に成功した(特許出願中)。

 この技術は、データ所有者である国や企業が法や規制に基づいてデータを管理・保護できるデータ主権を維持したまま、企業間や社内組織間において、AIエージェント同士が安全にデータをやりとりできる仕組みを実現するもの。

 ソフトバンクは今後、次世代データ流通基盤での展開を視野に、社内での実証や共創パートナーとの連携を進め、2026年度ごろの実用化を目指して開発していく。

 近年、複数のAIエージェントが相互に連携し、社会全体の最適化を目指す「マルチAIエージェント」の動きが加速していいる。

 AIエージェント間のプロトコルやデータフォーマット、インターフェースの仕様などの通信規格の整備が進む中、企業や組織の枠を超えたデータ連携においては、データの所在地やアクセス権限管理の水準差、各種独自ルールへの適合などのデータの取り扱いルールや管理基準の違いに起因する各種課題が障壁となることが予想される。

 これらの将来的な課題に備え、ソフトバンクは、さまざまな企業や組織のルール・管理基準に準拠した上で、AIエージェント間の通信を制御・監視可能にする「Agent Firewall(仮称)」のプロトタイプを開発した。

 今後、「Agent Firewall(仮称)」の2026年度の実用化に向けた開発および検証を本格化させていく。

 将来的には「ソブリンクラウド」や「ソブリンAI」との連携により、企業や自治体、研究機関が扱う機密性の高いデータを守りながら、次世代社会インフラの実現を目指す。<ソフトバンク>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●ソフトバンク、資料作成業務を支援するエンタープライズ向け生成AIサービスを開発し時間がかかる資料作成業務を効率化

2025-07-25 09:48:56 |    人工知能(AI)
 ソフトバンクは、誰もが生成AI(人工知能)の利便性を身近に享受できる社会の実現を目指し、資料作成業務を支援するエンタープライズ向け生成AIサービス「satto workspace(サット ワークスペース)」を開発し、2026年春をめどに提供を開始する。

 「satto workspace」は、ユーザーがチャット形式で要件や構想の要点を入力するだけで、AIが内容を解釈して、提案資料や企画書などのプレゼンテーション資料を自動生成するサービス。

 入力された内容に応じて、連携している社内データやインターネット上の情報の中から必要な情報を迅速に取得し、テーマや目的に沿った構成や表現に整えた質の高いスライドを短時間で作成する。

 ソフトバンクが2025年3月に実施した社員アンケートでは、資料作成に1日当たり1時間以上を費やす人は72.4%で、多くの時間が費やされていることが分かった。

 「satto workspace」は、AIチャットに入力するだけで、業務でそのまま使える資料がすぐに作成されるため、日々の業務負担を大幅に削減し、生産性の向上に貢献することが期待される。

 「satto workspace」の主な特長は、①“考える”よりAIと“対話する”だけ②AIが作り、ユーザーが磨き上げる③RAG技術搭載で、欲しい情報がすぐ見つかる。<ソフトバンク>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●日立製作所と日立プラントサービス、現場作業における心理的負担軽減と作業効率化を支援する次世代AIエージェントを開発

2025-07-23 09:43:44 |    人工知能(AI)
 日立製作所と日立プラントサービスは、現場作業における非熟練者の心理的負担軽減と作業効率化を支援する、次世代AIエージェント「Frontline Coordinator - Naivy(Naivy(ナイヴィー)」を共同開発した。

 Naivyは、メタバース空間で蓄積・生成される情報と現場でリアルタイムに発生する事象を効果的に統合・調整し、必要な情報を適切なタイミングで分かりやすく人やロボットに提供するAIエージェント。

 現場拡張メタバースなどのメタバースプラットフォームと組み合わせることで、経験の浅い業務に非熟練者が対応する場面でも、状況に応じた具体的な作業手順を直感的に可視化し、対象機器の特定や対処操作に迷うといった現場でのつまずきを軽減する。

 ルネサス エレクトロニクスの工場現場での検証では、施設管理タスクにおける非熟練者の業務遂行能力が3割程度向上し、心理的負担の軽減効果も確認した。

 今後、日立と日立プラントサービスは、Naivyを国内外の施設管理や製造ライン構築に注力するユーザーに展開し、業務効率化と技能継承を支援することで、フロントラインワーカーのウェルビーイング向上に貢献していく。

 また、ナレッジ管理機能や一部のアプリケーションを2025年内に日立ソリューションズから製品化予定。<日立製作所>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●パナソニックコネクト、「聞く」から「頼む」へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成

2025-07-16 09:57:14 |    人工知能(AI)
 パナソニックコネクトは、主要3社(OpenAI、Google LLC、Anthropic)の大規模言語モデルを活用して開発した自社向けのAIアシスタントサービス、「ConnectAI」の2024年の活用実績と今後の活用構想を発表した。

 同社は、2023年2月より生成AIの業務利用を「(1)業務生産性向上、(2)社員のAIスキル向上、(3)シャドーAI利用リスクの軽減」の3つの目標を掲げて開始し、国内全社員約11,600人にAI活用を推進してきた。

 自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」の導入から2年経ち、AI技術の進化とともに社員のスキルが向上し、昨年よりも更なる生産性向上を実現している。

 生成AI活用データを分析した結果、2024年のAI活用による業務時間削減効果は44.8万時間に達し、多くの社員の生産性向上に大きく貢献した。

 これは社員のAI活用スキルが向上し、活用方法が「聞く」から「頼む」へシフトしたことに加え、生成AI技術の進化により画像やドキュメントの活用が進んだことが要因になる。

 2025年度は、業務効率を加速させるため、特化AIの対象を拡大するとともに、業務プロセスにAIエージェントの活用を開始し、更なる生産性向上を目指す。<パナソニック>

<2024年の利用実績>

削減時間:44.8万時間(昨年比2.4倍)
利用回数:240万回(昨年比約1.7倍)
1回あたりの削減時間:28分(昨年比1.4倍)、画像利用の場合は36分
月間ユニークユーザー率:49.1%(昨年比14.3 pt増)

<主な活用事例>

プログラミング:コード全体の生成やリファクタリング(既存のコードを見直し、最適なコードに書き直すこと)
成果物作成:作業手順書の作成や各種基準の作成
作業依頼:資料レビューやアンケートコメント分析
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NTTコムウェア、長崎大学、溝田設計事務所と長崎県建設技術研究センター、生成AIを活用した持続可能な橋梁管理の実現へ

2025-07-15 09:58:39 |    人工知能(AI)
 NTTコムウェア、長崎大学、溝田設計事務所、長崎県建設技術研究センターは、橋梁維持管理における診断業務の高度化をめざした連携を開始した。

 2025年4月~5月にかけて、長崎県内の13橋梁を対象に、点検データを基に生成AIを活用して橋梁の健全性や所見などの診断結果案(診断案)の作成を行う実証実験を実施し、その有用性を確認した。

 同技術により、橋梁診断業務の効率化や技術継承、修繕コスト最適化に貢献し、将来的にはメンテナンスサイクル全体をカバーした効率的な橋梁維持管理の実現をめざす。

 社会インフラメンテナンス総合支援ソリューション「SmartMainTech®(スマートメインテック)」を展開するNTTコムウェアと、長崎大学、溝田設計事務所、長崎県建設技術研究センターは、持続可能な橋梁の維持管理という社会課題解決に向けて、産官学連携で橋梁診断業務を対象とした実証を行った。

 長崎大学総合生産科学研究科(工学系)の山口浩平准教授は、橋梁メンテナンスの知見や診断ノウハウをもとに同実証の監修を行っている。

 同実証では、長崎県内の橋梁を対象に、NTTドコモが開発したAIエージェントによる新様式の調書の診断案作成を行った。

 生成AIを活用して診断案を作成することで、まず、橋梁診断が効率化され、技術者の業務負荷が軽減される。

 さらに、熟練技術者でなくとも一定の水準で診断を実施できるようになることで、技術継承の課題解決につながる。また、診断結果の均質化を通じた修繕コストの最適化も可能となる。

 同実証実験では、橋梁の点検調書に記載された損傷の種類や箇所、進行度等のデータをインプットとし、橋梁メンテナンスの知見、診断ノウハウや点検要領を参照情報として、AIエージェントによって診断案を作成した。

 1橋あたりの診断にかかる作業時間の57%が削減されることが確認でき、ノウハウの継承・技術者育成の観点でも同技術を活用可能であること、診断結果が均質化されることで補修判断の適正化や修繕コスト最適化につながる示唆が得らることが評価された。

 今後は、今回実証の診断業務に加え、修繕計画策定支援や劣化予測AI等による予防保全など、“点検・診断・措置・記録“の橋梁メンテナンスサイクル全体で蓄積したデータの分析・活用を進め、ライフサイクルコストのさらなる最適化をめざす。

 また、NTTコムウェア・溝田設計事務所・長崎大学は 、持続可能な橋梁維持管理の実現にむけ、全国の自治体への展開に取り組む。<NTT>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●関西電力、OpenAIとの連携による生成AIをフル活用したDXを加速

2025-07-11 09:52:48 |    人工知能(AI)
 関西電力は、米OpenAIと、生成AI活用を通じたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的とした
戦略的な連携を開始した。

 同連携に基づき、同社はOpenAIが提供する安全性に優れた高度な 生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」を、第一段階として社内のDX推進を担う人財を中心に大規模に導入し、新たな価値創出や抜本的な業務改革を目指す。

 また、OpenAIと連携して生成AI活用 事例の創出・展開を行うため、OpenAI CoE(Center of
Excellence)を設置し、DX推進体制を強化する。

 今後、OpenAIと検討を進める具体的な取組み例は、以下の通り。

 ・ 火力発電事業における、デジタル発電所の実現に向けた運転・保全業務への生成AI適用により、業務の品質と効率を向上。

 ・ 生成AIを活用した営業スタイルの変革や、顧客対応業務などの高度化を実現し、顧客体験を向上。

 ・ 意思決定支援を行うAIエージェントを構築し、経営判断の質・スピードを向上。

 同社グループでは、2030年頃にAIによる破壊的なイノベーション である「AI産業革命」が到来すると想定し、2030年の「DXビジョン」と、その実現に向けた「DXロードマップ」を策定している。

 同取組みにより、DXビジョンの実現に向けた取組みを加速させていく。<関西電力>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●富士フイルムとJR東日本、新幹線トンネルのひび割れを抽出するAIを実用化  

2025-06-18 09:48:43 |    人工知能(AI)
 富士フイルムは、JR東日本とともに、新幹線トンネルのひび割れを精度良く自動的に抽出するAIを実用化した。

 同AIは、富士フイルムの社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」の画像解析AIをベースにして、JR東日本の新幹線トンネル検査に最適化したもの。

 2025年度からJR東日本の新幹線トンネル検査に全面的に導入され、検査業務の効率化に貢献する。

 富士フイルムは、検査業務のDX化にむけ積極的かつ先駆的な取り組みを進めるJR東日本とともに、トンネルのひび割れを自動で抽出するAIを実用化したが、実用化に向けての取り組みは、同社の画像解析AIのひび割れ抽出精度などがJR東日本に総合的に評価され、2021年にスタートした。

 今回実用化した新幹線トンネルのひび割れを抽出するAIにより、従来は人手による作業で、時間と労力を要していたひび割れ抽出作業の大幅な効率化を実現する。

 また、抽出したひび割れ情報をもとにひび割れが進展した箇所を事前に絞り込むことで、夜間の検査作業時間が約2割減るなど、JR東日本の新幹線トンネルの検査業務の効率化につながる。

 この定量的なひび割れ検査情報の取得、活用を通してJR東日本の新幹線トンネルの維持管理レベル向上に貢献する。

 同社は、独自の画像処理技術を活用したひび割れ抽出AIをさらに進化させ、コンクリート建物やダムなど、多様な構造物の効率的な検査を可能にする画像診断サービスを展開し、社会課題の解決に貢献していく。<富士フィルム>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●富士通などが開発した超音波解析AI技術を搭載した世界初の冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置、ソノファイが販売開始

2025-05-08 09:54:10 |    人工知能(AI)
 デジタル技術で匠の技を継承した装置開発を行う静岡発のスタートアップであるソノファイは、富士通および食品加工装置を製造販売するイシダテックならびに東海大学静岡キャンパスで共同開発した冷凍ビンチョウマグロの脂のりを判定するAIを搭載した自動検査装置「ソノファイT-01」を、水産加工業や漁協など向けに2025年6月に国内で販売開始し、順次グローバルにも展開していく。

 同装置は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発した超音波解析AI技術を活用することで、世界で初めて非破壊でAIによる冷凍ビンチョウマグロの脂のり判定を実現し、目視検査に頼ることなく自動で、より高精度な脂のり判定を行う。

 また、従来の脂のり判定から最大80%の省力化や作業効率化が可能になることにより、冷凍ビンチョウマグロの全数検査を実現し、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値商品の流通量の増加に貢献。

 同装置の導入により、選別作業の自動化や高速化が可能となり、これまで人的リソース確保の観点で断念していた全数検査が実現できるようになることで、高価格帯製品が低価格帯製品として販売される機会損失を低減し、高品質、高付加価値のビンチョウマグロをより多く供給できるようになる。

 同装置の開発にあたり、ソノファイ、イシダテック、富士通は、東洋冷蔵と共同で実証実験を行った。

 2024年1月から3月にかけて東洋冷蔵と富士通で初回の実証実験を行い、判定精度や処理速度など、超音波解析AI技術の基礎的な性能を検証した。さらに、2025年2月には東洋冷蔵とソノファイで商用利用を想定した実証実験を実施し、実際の加工現場での省力化効果、作業効率などの有効性を確認した。

 これらの実証実験を通じて、本装置が従来の尾切り選別と比較して、高精度な脂のり判定や省力化において有用であることが分かりました。<富士通>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●富士通とヘッドウォータース、JAL客室乗務員のレポート作成業務効率化に向け生成AIソリューションの実証実験を実施

2025-04-11 10:08:52 |    人工知能(AI)
 富士通とAIソリューション事業を手掛けるヘッドウォータースは、日本航空(JAL)の客室乗務員が行う引き継ぎレポート作成業務において、生成AIソリューションを活用して効率化を図る実証実験を実施した。

 JALでは、客室乗務員から空港地上スタッフへの引き継ぎのためのレポート作成における業務効率化が課題となっている。

 そこで富士通とヘッドウォータースは、クラウド環境へのネットワーク接続が必要となる従来の大規模言語モデル(LLM)に代わり、オフライン環境での性能に強みを持つ小規模言語モデル(SLM)であるマイクロソフトの「Phi(ファイ)」を活用し、フライト中の機内においてタブレット端末上でチャット形式でのレポート作成が可能な生成AIソリューションのプロトタイプアプリを開発した。

 これにより両社は、従来と比較してレポート作成業務を効率化できることを確認し、JALのさらなる顧客サービス向上への貢献を目指している。

 生成されたレポートにおいて、文章がJALの業務用語が学習された自然な表現であり編集が容易であることや、スムーズな英訳により業務負担が軽減されたことを確認。

 既存アプリと比較して、レポート作成にかかる作業時間および修正発生率が削減できたことを確認。

 今後、富士通とヘッドウォータースは、JALにおける同システムの本番運用に向け段階的な検証を実施し、JALが運用する生成AIプラットフォームへの導入を目指す。

 また、業務特化したSLMを「Fujitsu Kozuchi」の生成AIとして活用し、オフライン環境で動作するオンデバイス型・エッジ型・オンプレミス型での提供を目指す。

 両社は今後、AIを活用したJALのさらなる業務改革を支援することで、課題解決を通じて顧客サービス向上に貢献する。<富士通>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●三菱商事、NTTなど5社、AI創薬におけるGPUリモート提供の共同実証実験を開始

2025-02-27 10:28:04 |    人工知能(AI)
 三菱商事、NTT、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、モルゲンロット、アイパークインスティチュートの5社は共同で、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパー)及びMCデジタル・リアルティ(MCDR)が運用するデータセンターにおけるGPU計算力リモート提供に関する共同実証実験を開始した。

 近年、製薬・創薬業界において、AIの活用により新たな医薬品の研究・開発プロセスを大幅に効率化するAI創薬が注目を集めている。

 一方で、AI創薬の実現には、これに必要なインフラの整備コストや、取り扱う研究データに関するセキュリティ対策などの課題を解決する必要がある。

 今回、NTTのIOWN APN技術及びモルゲンロットの仮想化技術を活用することにより、複数のテナント企業が同時に快適・柔軟かつセキュアなAI分析を可能とするGPU計算力リモート提供を実現する。

 同実証を通じ、湘南アイパークを始めとする様々な産業集積地で活用可能な量子コンピュータ時代にも安全なAI分析インフラ構築モデルを確立し、日本の産業競争力強化に貢献する。

 今回の実証実験では、日本最大の敷地面積を有する創薬研究所である湘南アイパークとMCDRのNRT10データセンターをIOWN APN技術を活用した高速低遅延回線で接続することで、湘南アイパークに入居するテナント企業が遠隔でGPU計算力を利用できる環境を構築し、それを起点として、今後、以下のような検証を共同で実施していく予定。

 ①高速低遅延を実現する回線でユーザー利用拠点と遠隔地のデータセンターとを接続することで、計算処理実行などのコンピューティングに影響を及ぼす遅延・フレームロス等のネットワーク性能劣化が発生しないことの検証

 ②今回構築する分析基盤が、創薬AI分析など、各産業において活用されるAIプロセス特有の多様なワークロードに適合し、実証協力テナント企業において業務効率化寄与・経済性等の観点で有効性が認められることの検証

 ③今回構築する実験環境下において、IOWN APN技術を利用した遠隔GPU利用におけるコンフィデンシャルコンピューティングの実行可能性が認められ、製薬・創薬業界に必要とされるセキュリティ要件が満たせることの検証

 同実証実験で利用する計算力提供にあたっては、高い安全性を確保しサーバー性能を最大限発揮する観点からMCDRが運用するNRT10データセンター(千葉県印西市)を採用しており、三菱商事にてNVIDIA H100 GPUを搭載したサーバーを設置している。

 また、NVIDIAより湘南アイパークのメンバーとして製薬・創薬業界の専門知識や、テナント企業向けにAI創薬の最新の業界動向のアップデートやサービスのユースケースの検討にあたっての支援を受けている。

 今回の実証を通じ、新たなAI分析基盤の実現性・創出価値や耐量子レベルのセキュリティの実現性を確認するとともに、より多くの産業での効率的かつ安全なAI活用拡大などの社会課題の解決に貢献していく。<三菱商事>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする