“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●KDDI、生成AI開発を支える大規模計算基盤の整備に1,000億円を投資

2024-04-25 09:31:22 |    人工知能(AI)
 KDDIは、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画について、経済産業省から認定を受けたが、同社ではこれを受け、生成AI開発のための大規模計算基盤の整備を開始する。

 今後4年間で1,000億円規模の投資を行い、2024年中に同計算基盤の先行稼働開始を目指す。

 今後KDDIは、ELYZAとともにKDDIグループで取り組む国内最高性能の大規模言語モデル(LLM)や領域特化型LLMの開発を加速していく。

 さらに、2023年11月から開始した「MUGENLABO 生成AI活用支援プログラムをはじめとするスタートアップ支援プログラムを通じて、世界最高レベルのLLM開発にチャレンジする研究機関やスタートアップなどに対しても同計算基盤を提供する。

 KDDIは、国内スタートアップと大企業による生成AIの共創事例の創出を通じて、国内における産業競争力強化や生成AI開発力強化に寄与していく。<KDDI>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●マイクロソフト、東京にAIの研究拠点を新設

2024-04-24 09:40:43 |    人工知能(AI)
 米マイクロソフトは、日本国内のAI及びクラウド基盤強化のために、今後、2年間で日本に対し、約4,400億円 (29億米ドル) の投資を行う。加えて、日本社会における AI 活用の底上げを目指し、今後3年間で非正規雇用を含む300万人を対象にリスキリングの機会を提供するとともに、同社として日本初となる研究拠点を新設し、さらに、サイバーセキュリティ分野において日本政府との連携を強化する。

 今回の取り組みの対象となるAI及びクラウド基盤の増強、人材育成、セキュリティの強化は日本のデジタルトランスメーション (DX) とAIの活用を加速させるために必要不可欠な要素であり、マイクロソフトは日本経済のデフレ脱却と活性化に貢献する。

 マイクロソフトは1978年、米国外で初となる事業拠点を日本に構えた。日本とマイクロソフトのおよそ半世紀にわたる歴史においても、今回の4,400億円の投資は、AI及びクラウド基盤拡充のための動社の投資コミットメントを実質的に倍増させるものであり、単独で最大規模となる。

 今回の投資により、同社基盤の処理能力を大幅に向上し、AIのワークロード (仕事量) 高速化に不可欠な最先端の画像処理半導体 (GPU) を含む、より高度な計算資源を日本に提供する。

 マイクロソフトは、今後3年間で非正規雇用を含む300万人を対象に、AIを構築したり、十分に活用したりするための機会を提供する。同取り組みは、スキル習得を望む開発者、学生、そしてあらゆる規模の企業や団体に属する人々を対象としており、同社が提供するリスキリングプログラムや既存の研修プログラムを通じて実施する。

 今回、マイクロソフトの研究部門であるマイクロソフトリサーチアジアは、東京に研究拠点を新設する。

 新設する研究拠点では、Embodied AI とロボティクス、Societal AI とウェルビーイング、さらに科学的探究を通じ、日本が直面する社会経済的課題の解決に寄与する分野にフォーカスする。この新拠点開設は、同社の日本に対する長期的なコミットメントを反映したものであり、イノベーションで世界をリードしていく日本のポテンシャルをマイクロソフトが強く信じていることを示している。

 今回、さらなる研究連携を加速するため、今後5年間で東京大学に加え、慶應義塾大学とカーネギーメロン大学のAI研究パートナーシップに対し、それぞれ約15億円 (1000万米ドル) 分のリソースを提供する。

 マイクロソフトは、2022年12月に改定された日本政府の国家安全保障戦略に基づき、サイバー攻撃等からの政府、企業及び国民生活の保護を強化すべく、サイバーセキュリティ分野において内閣官房との連携を強化する。<マイクロソフト>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●米OpenAI、アジア初の日本法人「OpenAI Japan」を東京に開設

2024-04-23 09:41:00 |    人工知能(AI)
 米OpenAIは、東京にアジア初の日本法人「OpenAI Japan」を開設するとともに、日本語に最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供を開始する。

 米OpenAI がグローバルに事業を拡大する中、東京に新しい日本法人を設立し、さらにアジアへと展開していく。

 アジアでの最初の拠点として技術、サービスの文化、イノベーションを受け入れるコミュニティにおいて、世界をリードする東京を選んだ。

 日本の独自のニーズに応える安全なAIツールの開発を目指し、政府、地元企業、研究機関と協力していくことに尽力していく。

 OpenAI の日本における活動をリードし、日本のコミュニティに深く溶け込んで貢献するため、長﨑忠雄氏がOpenAI Japanの社長に着任した。長﨑社長は、セールスと事業開発をリードし、併せて渉外、製品およびサービスに関する計画、コミュニケーション、オペレーションなどを担うチームを構築していく。

 日本への長期的なコミットメントの第一歩として、OpenAIは、日本の企業に日本語に特化して最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供を開始する。

 このカスタムモデルは、日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンス、およびコスト効率を向上させ、前モデルと比較して、最大3倍高速に動作する。

 この技術を活用した日本で最も利用されている英語学習アプリ「Speak」は、ユーザーが間違えた際のチューター(指導者)の説明が2.8倍速くなり、さらにトークン数が減り、効率化されたことでそのコストが47%削減され、より多くの場所でより高品質なフィードバックが可能になったという。

 同カスタムモデルは、数か月以内にAPIで広くリリースされる予定。<OpenAI Japan>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NTT、NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」サービス開始

2024-03-29 09:51:36 |    人工知能(AI)
 NTTは、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つNTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の商用サービス提供を、NTTコミュニケーションズより開始する。

 今後、NTTグループ各社においても順次提供を開始する。
 
 「tsuzumi」はNTT版LLMの軽量モデル7Bをベースに、3つのご利用環境と、3つのソリューションメニューを組み合わせて利用可能。
 
 「tsuzumi」は軽量なLLMモデルであるため、大規模なハードウェア環境構築の必要がなく、ユーザーの事務所内などにおいてオンプレミス(企業などが自社で情報システムのサーバーなどのハードウェアを設置・導入し、管理・運用する形態)で利用可能。

 また、NTTグループのデータセンターで稼働するプライベートクラウドやパブリッククラウドでの利用など、ユーザーの利用環境に合わせて自由に選ぶことができる。

 オンプレミス環境での利用により、企業内データを外部に出すことなく安全に学習させることが可能となる。

 また、コンタクトセンターのオペレータ支援などのCXソリューション、業界別の知識が求められるマニュアル検索や議事録作成などのEXソリューション、ユーザーIT部門やヘルプデスク向けにIT運用自動化などの運用サポートソリューションといったさまざまな業界で利用できる3つのソリューションも提供。

 コンサルティング、導入支援からクラウド・データセンターなどのご利用環境まで、「tsuzumi」を活用したトータルソリューションサービスをご提供する。<NTT>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●KDDIと東京大学松尾研究室発スタートアップ企業イライザ、生成AIの社会実装に向け資本業務提携を締結

2024-03-26 09:46:20 |    人工知能(AI)
 東京大学松尾研究室発、大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進めるイライザ(株式会社ELYZA、東京都文京区、代表取締役CEO:曽根岡 侑也)とKDDI、KDDI Digital Divergence Holdingsは、3月18日、資本業務提携を締結した。

 4月1日を目途に、KDDIは43.4%、KDDI Digital Divergenceは10.0%のELYZAの株式を保有し、ELYZAはKDDIの連結子会社となる。

 ELYZAはKDDIグループの支援を受けながら、将来的なスイングバイIPOを目指す。

 ELYZAは、AI研究の第一人者である東京大学・松尾豊教授の研究室のメンバーが立ち上げたAI企業で、国内においてLLMの研究開発および社会実装を牽引する存在。

 2024年3月12日には、日本語の性能がグローバルモデルに匹敵する、国内最高水準の700億パラメータのLLMを開発した。

 同提携により3社は、ELYZAの持つ国内トップクラスのLLMの研究開発力とKDDIグループの計算基盤、ネットワーク資源などのアセットを組み合わせ、生成AIの社会実装を加速させていく。

 また、生成AIの利用や社会実装を加速するための人財組織を共同で設置し、2024年春から順次、生成AI関連のサービス提供を企業や自治体向けに進めていく。

 具体的なサービスとしては、(1)オープンモデル活用型の日本語汎用LLM開発、(2)領域特化型のLLM開発、(3)生成AIを活用したDX支援・AI SaaSの提供の3つを予定。<KDDI>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●東北大学、スピン波を用いた物理リザバー計算機の高性能化の条件を理論的に解明

2024-03-26 09:45:53 |    人工知能(AI)
 東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)兼産業技術総合研究所 産総研・東北大 数理先端材料モデリングオープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長の義永那津人准教授は、同大学学際科学フロンティア研究所の飯浜賢志助教、WPI-AIMR兼同大学先端スピントロニクス研究開発センターの水上成美教授、同大学大学院工学研究科の小池雄也大学院生(研究当時)とともに、強磁性体薄膜中のスピン波を用いて従来のリザバー計算機よりも低消費電力で高い学習性能が期待される物理リザバー計算(時系列の情報処理に適した機械学習手法の一つで、リカレントニューラルネットワークの一種だと考えることができる)を実行できる装置を実現するための機構を解明した。

 スピン波を情報の担体とするAIハードウェアの研究が世界的に進展しており、ナノメートル、ギガヘルツかつ高エネルギー効率で高い学習性能を実現することは重要な課題の一つ。

 同研究グループでは、金属ナノ薄膜の強磁性体中を伝わるスピン波を研究した。

 時系列データに比例した大きさで磁性体の入力ノードの位置を励起することでスピン波を発生させ、伝播したスピン波を出力ノードの位置で読み出すことで、短期記憶と非線形変換能力を持った学習やカオス時系列の予測が可能であることを示した。

 また、数理的な解析によって学習性能を最適にするスピン波の速度と素子のサイズとの関係を明らかにした。

 同結果は、磁気ナノテクノロジーを用いた低消費電力な情報処理素子の開発に新しい視点を与えるもの。

 同研究では、スピン波を用いた強磁性体薄膜の物理リザバー計算機は、低消費電力な計算機の有用な候補になり得ることを明らかにした。

 研究は端緒についたばかりであり、実際の素子の開発や集積化するための材料の性質など、AIハードウェアへの応用を目指した研究を今後進める。

 また、物理リザバー計算がどのような条件で高い学習性能が実現できるのか、数理的な研究の発展にも貢献していく。<産業総合研究所(産総研)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●日立と米エヌビディア、協業して生成 AI による DX を加速

2024-03-22 09:38:16 |    人工知能(AI)
 日立製作所は 、米エヌビディアと協業し、日立のエネルギー、モビリティ、コネクテッドシステムといった OT(制御・運用技術)領域でのリーダーシップおよびデジタルソリューションと、エヌビディアの生成 AI に関するノウハウを組み合わせることで、DX による社会イノベーションを加速する。

 生成 AI は、顧客体験を再定義し、組織の効率性を飛躍的に向上させるなど企業および消費者に 多大なインパクトを与え、DX の新たな波をもたらした。

 今回の協業により、このような生成 AI のケイパビリティをエネルギーやモビリティ、産業など OT 領域へと拡大しする。

 OT 領域においてセンサーやデバイス、機器・設備から生成される膨大なデータを取り込み、生成 AI を適用することで、パフォーマンスを効率化し、洞察(インサイト)を深め、これまでは不可能であったアクションを自動化することができるようになる。

 日立は、エヌビディア と連携しながら、エグゼクティブリーダーシップチームの選出および CoE(Center of Excellence)の設立を行い、戦略的なマイルストーンに沿って、日立の OT 領域でのドメインナレッジをエヌビディア の高度な AI ソフトウェアや GPU 技術と融合した業種向けソリューションを開発・展開する。

 また、日立は、CUDA、NVIDIA AI Enterprise、Omniverse、Modulus などの NVIDIA ソフトウェア プラットフォームに関するエンジニアの育成強化に投資していく。

 これらの取り組みにより、社会に価値を生み出す新たなイノベーションを起こしていく。<日立製作所>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●慶應義塾大学、アナログコンピュート・イン・メモリー回路でTransformerとCNNのハイブリッド処理を世界で初めて実現しAIの環境負荷を低減

2024-03-08 09:33:59 |    人工知能(AI)
 慶應義塾大学 理工学部 電気情報工学科の吉岡 健太郎 専任講師は、エッジコンピューティングの普及に伴い、より身近なデバイスへの人工知能(AI)応用を促進するため、深層ニューラルネットワーク(DNN)、特にTransformer処理の高効率な推論を実現する高精度かつ省エネルギーなコンピュート・イン・メモリー(CIM)回路を開発した。

 同研究では、従来のCIMが抱えていたTransformerの推論に必要な演算精度を実現するために、データ格納、演算、アナログ-デジタル(A/D)変換を1つのメモリーセルに集積した「容量再構成型CIM(CR-CIM)」構造を提案した。

 この構造によって、アナログCIMで初めてTransformer処理に必要な演算精度を達成しつつ、消費電力1ワットあたりの処理速度が818TOPS(兆回/秒)と非常に高い電力効率を実現した。

 また畳み込みニューラルネットワーク(CNN)処理を行う際は、同等の演算精度を持つ従来技術と比べ10倍のエネルギー効率となる4094TOPS/ワットを達成した。

 同研究成果は、エッジコンピューティングやAIの分野で、電力効率と処理速度の両面で効率的なAIハードウエアの開発に貢献する。また将来的にはより多くの人々が大規模言語モデル(LLM)といったAIサービスを利用しやすくなると期待される。<科学技術振興機構(JST)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NEC、生成AI「cotomi(コトミ)」の強化・拡充と共に生成AI事業戦略を発表

2023-12-29 09:37:12 |    人工知能(AI)
 NECは、高い日本語性能を有する軽量なNEC開発のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)「cotomi」を性能強化・拡充し、「NEC Digital Platform」として展開を開始する。

 具体的には、2024年春からNECが持つ業種・業務ノウハウをもとにした特化モデルを中核にユーザーのビジネスに応じて、最適な生成AIの利用環境を提供する。

 これにより、医療・金融・自治体・製造業などの各業種で、現在の業務を変革する環境が飛躍的に広がる。

 NECは今後、各業種・業務の変革を推進する特化モデルの整備に注力し、マネージドAPIサービスを通じて適用範囲を個別の企業から、産業や業種全体へと生成AIの活用を推進する。

 今回、品質の良い学習データ量の倍増により、NEC開発のLLM「cotomi」を強化し、日本語対話能力の比較評価(Rakuda)において国内外トップクラスのLLM 群を上回ることを確認した。

 さらに長文処理能力は他社比最大150倍の30万字まで対応可能となり、これにより、社内外の業務文書や社内マニュアルなど膨大な量の文書を扱う幅広い業務への活用を実現する。

 また、入力データやタスクに応じて柔軟にモデルを組み合わせ、新たなAIモデルを創り出す「新アーキテクチャ」を開発中。

 パラメータ数の規模を拡大し、機能を拡張できるスケーラブルなファウンデーションモデルの確立を目指す。

 具体的には、性能劣化なく小型から大型までモデルサイズを拡大でき、法律や医療などの専門AIや他社やパートナーのモデルを組み合わせるなど、柔軟に多様なAIモデルと連携が可能。また、小型で省電力なため、エッジデバイスへの搭載が可能になる。さらに、NECの世界トップクラスの画像・音声技術、センシング技術と融合することで、実世界のさまざまな事象を高精度かつ自律的に処理できる。

 なお、NECでは、従来のパラメータ数130億クラスのモデルを大きく上回る1,000億クラスの大規模モデルの開発も並行して開始している。

 これらの取り組みを通じてNECは、生成AI関連事業において、今後3年間で約500億円の売り上げを目指す。<NEC>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●東工大と産総研、日本語に強い大規模言語モデル(LLM)「Swallow」を公開

2023-12-22 09:38:16 |    人工知能(AI)
 東京工業大学(東工大) 情報理工学院 情報工学系の岡崎直観教授と横田理央教授らの研究チームと産業技術総合研究所(産総研)は、日本語能力に優れた生成AIの基盤である大規模言語モデル(LLM)「Swallow」を公開した。

 同モデルは現在公開されている日本語に対応した大規模言語モデルとしては最大規模であり、オープンで商用利用が可能であるため、ビジネスに安心して用いることができる。

 東工大と産総研の研究チームは、英語の言語理解や対話で高い能力を持つ大規模言語モデル(米Meta社 Llama 2)の日本語能力を拡張することで「Swallow」を構築した。

 拡張前の大規模言語モデルの高い言語処理能力を維持しながら日本語能力を強化するため、同研究チームは、言語モデルに日本語の文字や単語などの語彙を追加したうえで、新たに開発した日本語データを用いてモデルの構築を継続的に行う継続事前学習を行った。

 今回、パラメータ数が70億パラメータ(7B)、130億パラメータ(13B)、700億パラメータ(70B)であるモデルを公開した。公開リンク: https://tokyotech-llm.github.io/

 今回公開された大規模言語モデルは、学術と産業の両方に恩恵をもたらすと考えられる。学術分野では、日本語の大規模言語モデルの標準として研究開発に利用され、自然言語処理や人工知能分野で新たな研究成果が生み出される他、信頼できる人工知能の実現に向けた研究開発が促進される。

 産業分野では、APIの使用などで外部の企業に依存することなく、自社で大規模言語モデルを運用できるだけでなく、特定のタスクに特化したモデルにチューニングができる。日本語に強くオープンな大規模言語モデルが登場したことで、日本における大規模言語モデルの研究開発・活用がさらに促進され、製品開発や技術革新が進むと考える。<産業技術総合研究所(産総研)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする