“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

★科学技術ニュース★カネカ、太陽電池セルで変換効率25.1%を達成し世界最高記録更新

2015-10-30 10:52:01 |    電気・電子工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトの成果をもとに、カネカは両面電極型ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池として世界最高となるセル変換効率25.1%を実用サイズである5インチのセルサイズ(152cm2)で達成した。

 大面積と高効率を両立したことで、発電コスト低減を実現する高効率結晶シリコン太陽電池の実用化に大きく寄与するものと期待される。

 今回の成果は、カネカが開発した高品質のアモルファスシリコンを用いた結晶シリコン基板の表面欠陥低減技術や銅メッキ法による電極形成技術等を活用することにより達成したもの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書<新刊情報>●「『サル学』の系譜」(中村美知夫著/中央公論新社)

2015-10-30 10:51:36 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:「サル学」の系譜~人とチンパンジーの50年~

著者:中村美知夫

発行:中央公論新社(中公叢書)

 チンパンジーの調査地として現在のマハレで研究がはじまってから半世紀。長期にわたり研究者をひきつける魅力とは何か。今西錦司の思想と決意、伊谷純一郎のアフリカ進出、長らく第一人者として活躍した西田利貞など、先人たちの試行錯誤をたどり、チンパンジー研究の歴史をつづる。並行して50年にわたり観察し続けたチンパンジー社会の変化や、彼らと研究者との交流も描く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★科学技術ニュース★JAXA、超音速機から発生するソニックブーム(衝撃波)の低減技術を実証

2015-10-29 08:19:52 |    輸送機器工学

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、スウェーデン・エスレンジ実験場において実施した低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)で計測したソニックブーム波形を解析した結果、全機低ソニックブーム設計技術を世界で初めて飛行実証した。

  ソニックブームとは、超音速機から発生する衝撃波が地上で衝撃音として感じられる現象で、この衝撃音を低減することが次世代超音速旅客機を実現する最重要課題の1つ。

 
  今回の試験で計測したデータには当初想定し得なかった大気乱流の影響が含まれていたため、JAXAは新たに解析ツールを開発し、詳細なデータ解析を行っており、大気乱流が低ソニックブーム波形に与える影響を解析した例はなく、世界初となるもの。

  今後は、ICAO(国際民間航空機関)に試験結果の報告を行うことにより、ソニックブームに関する国際基準策定に向けた技術的な議論、検討を加速させ、将来の超音速旅客機の実現につながる活動を産業界とともに積極的に推進することにしている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書<新刊情報>●「トコトンやさしい植物工場の本」(森 康裕他著/日刊工業新聞社)

2015-10-29 08:19:12 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい植物工場の本

著者:森 康裕/高辻正基/石原隆司

発行:日刊工業新聞社  

 栽培環境を人工的に制御し屋内で野菜を安定生産する植物工場は、LEDが栽培光源の主流となりつつあり、これまで最大のネックであった消費電力の大幅な削減が可能になってきた。LED照明を中心に植物工場の技術とその実際を解説する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★バイオニュース★日立造船、秋田メタン発酵ガス化バイオマス発電事業へ出資

2015-10-27 13:33:10 |    ★バイオニュース★

 日立造船(Hitz)は、このほど、ナチュラルエナジージャパン(秋田県秋田市)に出資し、同社が計画する秋田メタン発酵ガス化バイオマス発電事業への参画を決定した。

 同事業は、地域貢献を目的に、秋田市内の食品廃棄物を原料にメタン発酵処理をし、生成したバイオガスにより発電を行うもの。

 これにより、地元自治体のごみ処理費用の低減および天候や時間帯に左右されない安定的な地域電源を目指す。

 また、従来は焼却処理していた食品廃棄物をメタン発酵処理することで、老朽化が進む既存のごみ焼却施設の負担を減らし、施設の延命化にも寄与する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★科学技術ニュース★NIMS、マヨラナ粒子の物質の中での確認に大きく前進

2015-10-27 13:32:51 |    物理

 物質・材料研究機構(NIMS) は、今年1月に中国の研究グループによって報告された特殊な超伝導状態に関する実験結果が、マヨラナ粒子の存在証拠になっていることを理論的に示した。

 マヨラナ粒子は、1937年にイタリアの理論物理学者E.マヨラナによって予言されたもので、フェルミ粒子でありながら、自身の反粒子と同一である。素粒子としてのマヨラナ粒子は80年近く経った今でも確認されていないが、近年、トポロジカル超伝導体と呼ばれる特殊な材料の準粒子励起がマヨラナ粒子として振舞うことが理論的に指摘さた。

 しかし、エネルギーがゼロで、電気的に中性等のユニークな性質ため、物質の中でマヨラナ粒子を捕らえることが難しく、その存在確認に向けて国際的な競争が繰り広げられている。

 自身の反粒子に等価なマヨラナ粒子の集団としての振る舞いは、電子や光子と異なり、強靭な量子計算機の構築に使えると考えられている。また、エネルギーがゼロになっているマヨラナ粒子のダイナミクスも非常にユニークで、さまざまな新規量子機能の創成に役立つ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書<新刊情報>●「学術書を書く」(鈴木哲也、高瀬桃子著/京都大学学術出版会)

2015-10-27 13:32:26 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:学術書を書く

著者:鈴木哲也、高瀬桃子

発行:京都大学学術出版会

 “Publish and Perish”──ただ書いても評価されない時代に、読まれるものをどう書くか。学術コミュニケーションの変遷とその本質的問題まで立ち返って、読者の措定、編成と記述の在り方、読まれるための演出の方法など、原理的・実践的に論じた初めての手引き。生き残りをかけたすべての研究者・研究機関必読。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/TBS「夢の扉+」/BS朝日「奇跡の地球紀行」/他

2015-10-26 09:49:14 |    ◆TV番組◆


 <テレビ番組情報>

 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO    毎週日曜日 午後11時30分~0時00
                                再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分

11月1日(日) マリモ 球体の謎に迫る!

 北海道の阿寒湖に群生する「マリモ」。しかし球という形は、内部に光が届かないため光合成の効率が非常に悪く、生物学上「ありえない形」と言われる。マリモは、いったいどうやって、何のために丸くなるのか?去年行われた調査で、阿寒のマリモが球化する詳細なメカニズムがついに明らかになってきた。世界で唯一、奇跡的に残されたマリモ群生地の神秘を詳細ひも解く。

ゲスト:若菜 勇 (釧路市教育委員会マリモ研究室)

出演者:竹内 薫 (サイエンス作家)/南沢奈央 (女優)

TBSテレビ   夢の扉+    毎週日曜日 午後6時30分~7時
                      BS-TBS:毎週木曜日 午後11時~

11月1日(日) NASAも断念…脱石油“人工クモ糸”開発
           脱石油!NASAも米軍も作れなかった“夢の繊維”
             鋼鉄よりも強い!「人工クモ糸」開発に独占密着

スパイバー代表執行役 関山和秀

 自然界で最も頑丈な物質は何か―。その最有力候補が「クモの糸」。鋼鉄よりもはるかに強度が高く、直径1cmのクモの糸で500mの巣を張れば、離陸するジャンボジェット機を受け止められるという。かつて、NASAや米軍は、宇宙服や防弾チョッキをこの強靭な素材で作ろうと、「人工のクモ糸」生産に挑んだ。だが、技術を確立できず開発を断念…。そんな“夢の繊維”の大量生産を世界で初めて可能にしたのが、関山和秀、32歳。

BSフジ   ガリレオX    毎週日曜日 午前11:30~12:00 (隔週新作)

11月1日(日) 原発のゴミをどうするか?(再放送)

 原発を保有する全ての国で大きな課題となっている使用済燃料による高レベル放射性廃棄物の処分問題。現在、処分方法としては廃棄物を地下深くに埋める”地層処分”が計画化している。日本ではその処分地をどこに設けるのかという問題について2015年度に「新たな方針」が打ち出された。世界に先駆けて処分地決定がなされたフィンランドの事例も踏まえつつ、原発のゴミにどのように向き合っていくべきなのか、打ち出された新しい方針の内容を検討しつつ、地層処分の現状と今後の課題を探る。
 
主な取材先:オルキルオト原子力発電(フィンランド)
        雇用経済省(フィンランド)
        エウラヨキ町会議議長(フィンランド)
        栃山 修(地層処分技術ワーキンググループ)
        近藤 駿介(原子力発電環境整備機構)

NHK-BSプレミアム  コズミックフロント☆NEXT   毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                                   再放送 翌週水曜日 午後11時45分~0時44分

10月29日(木) 大宇宙の航海術 狙った天体になぜ行ける?(再放送)

 果てしなく広がる大宇宙。何もない宇宙空間を探査機などはどのように航海しているのか?実は、日本の宇宙航海術は世界トップレベルともいえる。「初代はやぶさ」のように遠くの天体に着陸し、地球に戻って来た例は他にないからだ。これまで、日本は天体の重力を使って速度を変えるスイングバイや、緻密な軌道計算、さらに太陽の光を推進力に変える方法など、さまざまな航海術を磨き上げてきた。2015年12月3日には「はやぶさ2」がスイングバイを行って地球を飛び出し、いよいよ小惑星への航海に出発。12月7日には金星の軌道投入に一旦は失敗した「あかつき」が、5年の歳月を経て、再投入に挑む予定だ。いずれのケースも日本の高度な航海術が存分に発揮されることが期待されている。

BS朝日 ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行    毎週土曜日 午後7時~8時54分

10月31日(土) BBCスペシャル 野生のアムールトラを探せ!シベリアの森に生きる

 極寒の地、ロシアのシベリアに生息するアムールトラを追う。アムールトラはトラの中でも最大の大きさを誇るが、密猟により激減し、現在の個体数は300頭ほどで、研究者でさえ野生の姿を見られるのはまれだという。そんなアムールトラの生態を調べ、絶滅の危機から救うため、ロシア、アメリカ、イギリスからなる国際調査チームが結成された。果たして、絶滅の危機にある彼らを救うことはできるのか?

ナビゲーター:宮崎美子

NHKテレビ Eテレ  地球ドラマチック    毎週土曜日 午後7時00分~7時44分
                              再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分

10月31日(土) 巨大空港の舞台裏 到着編~ロンドン・ヒースロー空港~

 一日25万人が訪れる巨大空港、ヒースロー。安全でスムーズな運営のために多種多様なスタッフが働いている。手荷物の上げ下ろしはスピードが命。猛獣を預かることも少なくない。また、空港内にソーシャルワーカーが常駐し、強制送還された人のために奔走する。さらに、ネットで知り合った恋人との初対面をドキドキしながら待つ青年も。到着を巡ってさまざまな物語が渦巻く空港の舞台裏に密着する。(2015年イギリス)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★バイオニュース★農研機構、バイオマス利活用により減化学肥料栽培を実現

2015-10-23 10:57:34 |    ★バイオニュース★

 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、南西諸島で多く存在するバイオマスである家畜ふん尿と農業集落排水汚泥を堆肥化して、サトウキビ等の減化学肥料栽培を沖縄県金武町で実証し、地域バイオマス利活用のためのマニュアルを作成した。

 南西諸島で普及が期待されるバイオマス処理法であるメタン発酵から排出されるメタン発酵消化液の臭気対策や散布技術を開発し、マニュアルに収録した。

 これらの堆肥やメタン発酵消化液を利用することで、化学肥料を70%以上削減したサトウキビ栽培が可能となるだけでなく、ソルガムやソバ、野菜等の減化学肥料栽培も可能となる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★科学技術ニュース★NICT、暗号プロトコルのセキュリティ評価結果をリスト化・公開

2015-10-23 10:57:07 |    通信工学

 情報通信研究機構(NICT)は、標準化された51個の暗号プロトコルとその他7個の主要プロトコルについて、学術論文数十本の成果に相当するセキュリティ評価結果をリストとしてまとめ上げ、NICTのポータルサイトで公開し、誰もが入手できるようにした。

 ネットワークシステムでは、目的に応じて暗号プロトコルを適切に利用することが重要となるが、システム設計者が同リストを判断基準として用いることで、暗号プロトコルの適切な利用促進が期待される。

 NICTでは、現在の暗号プロトコル評価リストは、標準化された暗号プロトコルを中心としているが、今後は標準化候補の暗号プロトコルの評価結果も充実させ、システム設計者が、目的に適した暗号プロトコルを設計する際に役立つ情報を提供していく予定。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする