“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「よくわかる最新 核融合の基本と仕組み」(山﨑耕造著/秀和システム)

2024-04-30 09:36:41 |    エネルギー



<新刊情報>



書名:よくわかる最新 核融合の基本と仕組み~SDGsとGXを推進する燃料豊富な革新エネルギー源~

著者:山﨑耕造

発行:秀和システム

 核融合炉は、脱炭素時代の持続可能なエネルギー源として実用化が期待されている技術。日本では2023年4月、核融合に関する国家戦略が決定され、関連国内産業を創出する必要性が強調されている。海外でも米英を中心に、さまざまなスタートアップ企業が設立され、期待が高まっている。同書は、核物理学やプラズマ物理学など核融合の基礎知識と、核融合炉実用化に必要な技術や課題について図解でわかりやすく解説した入門書。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「社内SE1年目から貢献!情シス 企画・開発・運用 107のルール」(加藤 一著/技術評論社)

2024-04-30 09:35:36 |    情報工学



<新刊情報>



書名:社内SE1年目から貢献! 情シス 企画・開発・運用 107のルール

著者:加藤 一 

発行:技術評論社

 事業会社の情シス部門やIT部門に所属する社内SE。社内SEは、システム構築・改修、パッケージ導入などITの側面から事業会社のビジネスゴール達成を支える。社内SEは、ITの専門家であれば即評価されるわけではない。社内SEが携わるプロジェクトには、外部のSIerや社内の他部門など多くの関係者が参加する。ITは道具と見定め、自社の課題解決のリード役となれる社内SEこそ高い評価を受けられる。同書は、若手社内SEや社内SEの仕事に興味がある方を対象にしている。社内SEを取り巻く環境、社内SEに期待されていること、社内SEのスキルからはじまり、プロジェクト起案→立ち上げ→要件定義→設計・開発→テスト→移行→リリース・運用と、社内で実施されるプロジェクトの推進役になるためのルールを全107項目にまとめた。
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●科学技術ニュース●NEDO、高効率・高品質レーザー加工技術の開発に着手

2024-04-30 09:34:52 |    電気・電子工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき先端的な重要技術の研究開発を進める「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」の一環で実施する研究開発として、「高効率・高品質レーザー加工技術の開発」に着手する。

 同事業では、特定の波長のレーザー光のみを透過/損失させることが可能なフォトニック・バンド・ギャップ・ファイバー(PBGF)の加工用レーザーへの適用に向けた技術開発を行い、新たな用途も開発することで、高出力かつ自由度の高いファイバーレーザー加工システムの実現につなげる。

 また、小型・軽量が特徴である半導体レーザーの高輝度・高出力化技術について、将来の本格的な研究開発の実施を視野に、国内外先端技術の調査研究、需要調査を行うとともに、レーザー加工分野以外への展開に向けた技術開発の方向性を検討する。

 同プログラムの支援対象のうち、「領域横断・サイバー空間」領域の要素技術の一つに「高効率・高品質なレーザー加工技術」が挙げられている。

 将来のものづくり現場では、デジタル制御と親和性の高いレーザー加工の重要性が一層増すと同時に、ものづくり機器のクラウド連携や知能化が進むと考えられ、これらを融合したレーザー加工システムは日本のものづくりにおける最重要ツールの一つとして期待されている。

 レーザー加工システムの性能に直結するレーザー技術の向上・革新は、既存の製造工程を効率化するのみならず、これまでに不可能であった加工も可能とすることが期待され、日本の機械製造業を始めとする産業の優位性を確保していく上で極めて重要。

 また、先端レーザー技術は、加工分野にとどまらず、医療分野、通信分野、自動運転などに向けたセンシング分野などに幅広く応用できる重要な研究開発項目。

 このような背景の下、NEDOは「高効率・高品質レーザー加工技術の開発」を公募し、2テーマを採択した。同事業では、高出力ファイバーレーザーの開発、高品質・高出力な半導体レーザーの高輝度・高出力化技術の確立に向けた調査研究を実施する。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>

【実施内容・採択テーマ】

<領域横断・サイバー空間(1)>

 非線形光学現象で発生する特定の波長のレーザー光のみを高出力領域で選択的に除去、低減できるPBGFの開発を行い、並行して高出力シングルモードファイバーレーザー(SM-FL)の新たな用途を開発する。この新たなPBGFの開発、適用により、従来にない高出力なSM-FLおよび自由度の高いファイバーレーザー加工システムの実現につなげる。

事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/高効率・高品質レーザー加工技術の開発/高出力ファイバーレーザー

予算:44億円

期間:2024年4月~2028年12月(予定)

実施予定先:川崎重工業株式会社

<領域横断・サイバー空間(2)>
 
 デジタル化による自動的かつ効率的なものづくりを実現するためには、小型・軽量が特徴である半導体レーザーで、既存の大型レーザーと同等の輝度・出力を実現できる技術が必要。このため、将来の本格的な研究開発の実施を視野に、国内外先端技術の調査研究、需要調査とともに、レーザー加工分野以外への展開に向けた技術開発の方向性を検討し、レーザー加工にとどまらない他分野への展開も含め、レーザー発振器のサイズ・重量も含めた目標スペックを明確にする。

事業名:経済安全保障重要技術育成プログラム/高効率・高品質レーザー加工技術の開発/高品質・高出力な半導体レーザー

予算:2億円

期間:2024年4月~2025年3月(予定)

実施予定先:国立大学法人京都大学
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●科学技術ニュース●豊田合成、世界トップクラスの光出力を実現した除菌用光源「UV-C LED」を開発

2024-04-30 09:34:18 |    電気・電子工学
 豊田合成は、除菌用の水銀ランプの代替光源として性能向上が期待されるUV-C(深紫外線)LEDにおいて、世界最高水準となる光の出力を実現した。

 2024年4月には国内外でサンプル販売を始め、水や空気などの除菌用途での利用拡大を推進する。

 UV-Cはウイルスや細菌の遺伝子情報を破壊し増殖を抑える効果があるため各種除菌に用いられている。

 除菌用の水銀ランプと比べ、UV-C LEDは水銀フリーで環境負荷が低く、小型かつ長寿命といった利点があることから、コロナ禍で空気や物の表面などの除菌機器向けに利用が広まった。

 しかし、照明用のLEDとは組成などが異なることから出力に課題があり、浄水場など高い除菌能力が必要とされる場面では、現在でも水銀ランプが使われている。

 このたび同社は、長年培ってきた青色LEDの結晶化・設計技術を応用し、1チップで200ミリワット級の光の出力(350ミリアンペアの電流での駆動時)を実現したUV-C LEDを開発した。

 LEDの素子構造などを改良し、取り出せる光の量を約4倍に増やし、除菌能力を約3倍に高めるなど、将来的な水銀ランプの代替も含めて、UV-C LEDの活用領域が拡大、より衛生的で安心・安全な暮らしの実現に貢献する。<豊田合成>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生命と非生命のあいだ」(小林憲正著/講談社)

2024-04-29 09:49:32 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:生命と非生命のあいだ~地球で「奇跡」は起きたのか~

著者:小林憲正

発行:講談社(ブルーバックス)

 地球に生命が誕生したことは「奇跡」なのか? それとも「必然」なのか? たとえば天文学者のフレッド・ホイルは、生命ができる確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通りすぎたあとにジャンボジェットが組み上がっている確率」にひとしく、それは10の4万乗分の1ほどであると言った。それほどできにくいものが、なぜ地球にはこんなに存在するのか? もしかしたら、生命とは本当に「神の仕業」なのか?「生命の起源」についての仮説として圧倒的な支持を集める「RNAワールド」が説明できないこの問いに、アストロバイオロジーの第一人者が正面から向き合い、フラスコの中から宇宙空間にまで思索を広げて提唱する「がらくたワールド」と「生命スペクトラム」とは何か。非生命はいかにして生命になるのか、神に頼らない説明は、はたして可能なのか?「生命の起源」研究の全貌と、何が論点なのかを類書にないわかりやすさで整理し、宇宙の開闢と並ぶ現代科学「究極の謎」に挑む、著者の代表作。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「IoTの知識地図」(井出尭夫、桶谷拓也、片山暁雄、須田桂伍、服部政洋、松下享平、松永岳人、横田峻、渡邊大輔著/技術評論社)

2024-04-29 09:48:43 |    情報工学



<新刊情報>



書名:IoTの知識地図~設計・実装・運用のための必須知識をこれ一冊で~

著者:井出尭夫、桶谷拓也、片山暁雄、須田桂伍、服部政洋、松下享平、松永岳人、横田峻、渡邊大輔

発行:技術評論社(知識地図シリーズ) 

 デバイスからネットワーク、クラウドまで、IoT 開発には幅広い知識が必要となる。同書では、これからIoT システムの開発をはじめたい、IoTを使ったビジネスをはじめたいという人を対象に、IoTの全体像を解説しつつ、今後の学習のための情報源を数多く紹介。実開発・ビジネス展開にもつながるよう、IoT にまつわるセキュリティ、プロジェクトの進め方についても深掘りする。
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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他>

2024-04-29 09:48:09 |    ◆TV番組◆



<テレビ番組情報>




フロンティア NHK BS 毎週火曜日 午後9:00〜午後10:00

4月30日(火) 世界都市ローマ 永遠の都の秘密(選)

 永遠の都ローマ。巨大国家「ローマ帝国」の首都として、世界中に信仰を広げた「キリスト教世界」の中心として、ルネサンス、バロック、現代までつながる「新たな文化・芸術の発信地」として、二千年以上の間、世界を魅了し続けてきた。なぜローマは「永遠」なのか?浮かび上がるのは、光と影の歴史を生き抜いてきたローマの不屈の精神。膨大な芸術品や建築物を読み解きながら、「永遠」の秘密に迫っていく。

いまからサイエンス BSテレ東 毎週水曜日 午後10時~10時55分

5月1日(水) 「腸活」に「腸内フローラ」 辨野義己(辨野腸内フローラ研究所 理事長)

 「腸活」に「腸内フローラ」。今大注目の健康ワードを生み出したのが、腸内細菌研究の第一人者、辨野義己博士だ。腸と健康をめぐる最先端研究の世界を、加藤浩次が直撃。いまや空前の「腸活」ブーム!自身の健康を腸から整えていく「腸活」という言葉を生み出したのが、腸内細菌研究の世界的権威・辨野義己博士だ。しかも「腸年齢」や「腸内フローラ」という言葉の生みの親でもあり、80種以上の腸内細菌を発見したエキスパート。最新の腸内細菌研究では、がん細胞を抑制する可能性のある腸内細菌がいることも明らかに。目指すはどんな腸活?驚くべき腸ワールドに加藤浩次も大興奮。腸内細菌研究に欠かせないもの、それは「ウンチ」!辨野博士は世界各国を回り、何万ものウンチを集めることで、様々な成果を明らかに。例えば、「善玉菌を食事から摂るほど、腸内の善玉菌が増える」のは間違い!?腸に良い食べ物って?いったいどうすれば腸から健康を育めるのか?長寿や脳との関係など、腸の超意外な超絶サイエンスが続々!加藤浩次が食いつく。

出演:辨野義己(辨野腸内フローラ研究所 理事長)

司会:加藤浩次、須黒清華

地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

5月4日(土) サバンナのライバル ライオンVS.ハイエナ

 百獣の王・ライオンと死んだ動物を食べるハイエナ。対照的なイメージのある両者だが、どちらもサバンナを生き抜く優秀なハンターだ。両者の生存戦略と意外な関係性に迫る。百獣の王・ライオンと死んだ動物を食べるハイエナ。対照的なイメージの両者だがどちらもサバンナに生きる優秀なハンターだ。1頭のオスを中心に複数のメスと子どもたちからなるライオンの群れ。狩りはメスが担うがオスの力強さで獲物を捕らえる場面も。一方のハイエナ。身体的にも群れでのリーダーシップも圧倒的にメスが強い。ライオンとハイエナが鉢合わせすると?両者の生存戦略と意外な関係性に迫る。(2021年ドイツ)

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜  NHKテレビ  毎週土曜日 午後7時30分~8時15分

5月4日(土) 休止

5月11日(土)  世界最長 悲願のつり橋に挑む~明石海峡大橋 40年の闘い~

 潮流激しい明石海峡に、世界一の長さとなる吊り橋を架けたい。今から70年前、白昼夢と笑われながら、橋の必要性を訴えた人物がいた。その思いを受け継ぎ、完成させた技術者たちの物語。重さ9万トンの橋げたを吊るす巨大ケーブル建設、ヘリコプターによる空中架設。不可能と言われた橋の建設に尽力したのは、その日のために技術を磨き続けた製鉄会社の師弟や、家族の悲願を背負った現場監督。全ては一人の夢から始まった。

ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前8:28〜9:00(隔週新作)

5月5日(日) ロボットはどこまで小さくできるのか(再放送)

 与えられた命令に沿って決められた動作を行う“ロボット”。人間を超えるパワーやスピードを有し、さらに疲れることなく正確な動作を続ける。そんなロボットは、特に製造や物流などの産業界で活用され、現代の社会を支える存在となっている。また近年では、家事やサービス業務を担うロボットも登場し、より身近な場所での活躍も始まった。 そして今、開発が進められているのが“極小の世界で働く小型ロボット”だ。その大きさは、手のひらサイズ、指先サイズ、そして顕微鏡を使わなければ見えない分子サイズのものまである。それらの小さなロボットはいったいどのような働きをするのだろうか?そして、私たちはそれらのロボットをどのように活用していくのだろうか?これまでの常識を一変させる小さなロボットの開発を目指す最新研究を探る。

主な取材先:渕脇大海(横浜国立大学)
      内木場文男(日本大学)
      角五彰(京都大学)

サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

5月5日(日) 4億年前の“上陸大作戦” カギを握る化石の正体は!?

 科学者たちの間で130年以上にわたり論争がかわされてきた「謎の化石」。それが教科書にも長年「分類がわからない」と記述されてきた「パレオスポンディルス」だ。原始的な脊椎動物なのか?より進化した動物なのか?その解明に日本人研究者が大きく近づいた。さらに「動物がどうやって陸にあがったのか」を知る「ミッシングリンク」である可能性も見えてきた。番組ではその姿を世界で初めて動くCGで再現。進化の神秘に迫る。

司会:井上咲楽、浅井 理
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」(河田雅圭著/光文社)

2024-04-26 09:35:50 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?~進化の仕組みを基礎から学ぶ~

著者:河田雅圭

発行:光文社

 ダーウィンの『種の起源』が刊行されてから150年以上が経った今、進化論のエッセンスは日常にも浸透している。「常に進化し続ける」「変化できるものだけが生き残る」。こんな言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれない。しかし、実際の生物の進化はそんなにシンプルなのであろうか。すべての進化は生存に役立つもの? 否、偶然による生存に役立たない進化もある。生存競争に敗れれば絶滅しかない? 否、そもそも生存競争から逃れ、別の地で生き続けることもある。生物の進化は私たちの想像以上に多種多様なもの。同書では、そんな複雑だけども面白い進化の仕組みを、最新研究も交えて丁寧に解説していく。はたして、ダーウィンの時代から人類はどこまで進化の実態を明らかにしてきたのか!?【目次】第1章 進化とは何か 第2章 変異・多様性とは何か 第3章 自然選択とは何か 第4章 種・大進化とは何か


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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「デジタル広告法務」(池田・染谷法律事務所編著/商事法務)

2024-04-26 09:35:19 |    情報工学



<新刊情報>



書名:デジタル広告法務~実務でおさえるべきFAQ~

編著:池田・染谷法律事務所 

発行:商事法務

 広告実務に携わるすべての方に、広告実務でよく顔を出す法律を、広告の企画、作成、配信・運用、終了、トラブルの各局面に分けた上で、Q&A形式によって法律と問題解決の糸口を解説する。同書をガイドブックのように使用すれば、関係法令を所管する省庁のサイトや専門書などを確認することも容易にできる。【目次】第1章 広告の企画 第2章 広告の作成 第3章 広告の配信・運用 第4章 広告の終了 第5章 広告とトラブル
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●科学技術ニュース●NEDO、次世代航空機の開発プロジェクトで新たなテーマに着手

2024-04-26 09:35:02 |    輸送機器工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、グリーンイノベーション基金事業「次世代航空機の開発」プロジェクトで、液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムや航空機電動化コア技術の開発など、新たに4件の研究テーマを採択した。

 これにより、カーボンニュートラル社会に不可欠な次世代航空機の機体装備品について、要素技術レベルでイノベーションを促進するとともに、将来技術における欧米企業と日本企業による共同研究開発の促進や国際標準化活動とも組み合わせながら、日本の航空機産業の国際競争力の飛躍的強化を目指す。

 NEDOは同プロジェクトを通じて、2050年カーボンニュートラルへの道筋を示し、航空機分野における温室効果ガス(GHG)の排出量削減に貢献する。

 航空需要は、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的に大打撃を受けたが、2024年には2019年と同水準まで回復し、その後も新興国などの経済成長を背景に年3%程度の持続的な成長が見込まれている。加えて、航空機産業は広い裾野産業を有することから、適用技術が他の分野に波及する効果も期待される。

 機体・エンジンの国際共同開発において、現状、日本の航空機産業の参画比率は約2~3割。今後、世界的にカーボンニュートラルを目指す動きを市場機会とし、水素や電動化、素材といった日本の要素技術の強みを最大限活用することで、国際共同開発への参画比率向上を目指すとともに、航空分野の脱炭素化に貢献していくことが求められる。

 このような背景の下、NEDOは経済産業省が策定した研究開発・社会実装計画に基づき、このたび同プロジェクトとして既存のテーマに加えて、新たに研究テーマ4件を採択した。

 液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムやそのコア技術の開発のほか、今後の航空機電動化の中核を支える電力制御、熱・エアマネジメントシステム、さらに電動化率向上技術の開発に取り組む。

 NEDOは同プロジェクトを通じて、航空機システムの要素技術レベルでのイノベーションを促進し、化石燃料に代わるエネルギーにより推進する次世代航空機の技術開発を実施する。これにより、国際協力開発や、将来技術における欧米企業と日本企業間の共同研究開発を促進するとともに、国際標準化活動を進め、日本の航空機産業の国際競争力の飛躍的強化に貢献する。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>

【採択テーマ】

【1】事業名:グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト

【2】予算:306億円(NEDO支援規模)

【3】期間:2024年度~2030年度(予定)

【4】採択テーマ:

【研究開発項目3】液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムとコア技術開発

  〔1〕水素燃料電池電動推進システム技術開発
  〔2〕水素燃料電池コア技術開発

【研究開発項目4】電力制御、熱・エアマネジメントシステム及び電動化率向上技術開発

  〔1〕電力制御及び熱・エアマネジメントシステム技術開発
  〔2〕電動化率向上技術開発
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